1. 前回は明らかに中国が、アメリカや日本、西欧諸国が維持して来た戦後体制をより一層自国にとり有利に改変しようとしていることは明らかでしょう。日本の奈良時代の盛唐時代には人口100万の長安の都には外国人が5-6万人居住していたとのこと、又清朝第4代の康熙帝から第6代の乾隆帝(日本の江戸幕府では綱吉から吉宗将軍の時代)にかけては、世界の富の3割は中国に集まっていたとも言われ、これ等歴史上世界的に中心的な存在だった時代の再現を追求しようとしているとも言われる。従い中国の為政者は誰が担当しようと、日本を含む西太平洋は自分達が管理し平和を維持するから、アメリカは少し東側に下がってくれと言うのが本音でしょう。
2.以上の如き意向は中華思想の表れであるが、当事者にとっては、強大になった中国としては当然のことと認識しているでしょう。日本から50年も支配された台湾が大変親日的である一方、支配した期間は35年間であった韓国が、中国以上に何かと日本に反感を持つのも中華思想の変形でしょう。韓国初の女性大統領になったパククネ(朴槿恵)女史は最近の記者会見で、日本には1,000年の恨みがあると語った。前にも少し触れたが、随分昔だったが、大変親日的だった韓国の取引先の年配幹部がある宴席で珍しく興奮し、韓半島は歴史上4回も侵略されたと言う。最初は広開土王碑(吉林省南端の北朝鮮との国境近くの集安市に現存)にも記されている如く、4世紀末に半島奥深く日本の軍勢が侵攻した。2回目は新羅の半島統一前の7世紀、百済への援軍と称して白村江迄400艘の軍船で侵攻してきた(663年唐軍に敗北)、3回目は16世紀末の2回に亘る15万の大軍による豊臣秀吉の侵略、4回目がロシアの南下を防ぐとか清国の支配から解放し独立を援助するとか言いながら、結局は半島を併合し創氏改名、日本語や神社参拝の強要等々、日本の支配であったと言う。これ等過去の歴史は消去できないが、我々日本人としては、被害者の立場の人々の深層心理にこの様な、恨みつらみが沈殿していることを、しっかり受け止めておくべきと思われる。
3.中韓両国民は、日本の古代文化の殆どは無償で提供したとの思いもあり、本来自分達の価値基準こそ、共通認識の基準たるべしとの是非好悪を超えた感情を、深層心理として持ち合わせていることも理解すべきであろう。更に終戦時には現在の中国政権は誕生しておらず、正真正銘の戦勝国とは言えない点や、新中国誕生後も幾多の政治動乱もあり、経済文化両面で日本に大きく後れを取ってしまったとのコンプレックスもあると思われる。以上が台湾や東南アジア等の親日気風と異なる大きな原因と思われる。

 尚、付言すると私が昔断続的に10年余付き合ったロシア人は、全て極めて親日的であった。モスクワに3回出張したが、大変丁重な扱いを受け宴席でも文化芸術の香りのある話題が豊富で、一度も不愉快な思いはしなかった。昔日ソ中立条約を一方的に破り、敗戦間際に中国東北地方に居た日本人約60万人を拉致し、奴隷の如く酷使し(6万人が亡くなった)、北方四島を占拠した為、多くの日本人の対ロ感はあまり良くないが、ロシア側には一切コンプレックスがないと見られる。日露戦争での敗北のリベンジは果たせたと思っているのかも知れない。
 次回、では中国(韓国)とはどう付き合っていくべきか、私見を披露しましょう。

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   柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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