中国人社員の中で、100人中一人か二人は日本人以上に几帳面な者がいますが、ほとんどの社員は大まかで、社員教育を含め人事管理面でご苦労なさっている日系企業は少なくないのではないでしょうか?特に能力もあり人望もあると看做される幹部社員はまずは 大らかで度量がある人と見られています。この様な国民性は品質管理と並んで在庫管理面(即コストに直結する)ではマイナスに作用します。然し、決め付けて諦めるのは早計です。50年も中国と付合ってきた私は、中国人家庭で断続的ながら生活したり、訪問したりした回数は数え切れません。今春の旅行でも、こまめに電気を消す、水道水を繰り返し使用するとか、流し洗いを最小限にする等実に細心の気配りをしています。要は会社の「もの」を自分の「もの」と同様に扱う気持ちにさせ得るかどうかが、決定的に重要です。 当ブログの最初に紹介した「幹部教育の要諦」がやはり極めて重要と言うことです。  経験や見聞から若干紹介しますと:
1.日常の入出庫も、時々予告なしに検証することが必要。伝票だけで処理していると
  過不足が生じます。時には故意にごまかす者もいると認識すべきです。
2.モノにも依るが、2年以上の在庫は処分すべきです。特段の必要性がない限り、
思い切ってメリハリをつけましょう。
3.棚卸は多くの企業は年一回と思われるが、年四回も実施している企業もあり、この場合幹部を初めとして社員の在庫管理に対する意識はかなり向上します。
  然し、在庫のチェック方法がかなりいい加減な事例も体験しました。すなわち:
 ① 小物類では、ある程度数えた後、「大体1/3数えたから、3倍すれば良い」と言が如く、類推計算で在庫を記録してしまう。更に倉庫に山積みの場合、途中から中が見えないとして、推測してしまう(日常の入出庫を正確にし、各在庫に符号をつけていれば管理可能だが)。
 ② 屋外に野積の在庫(石炭、鉱石、砂、砂利等)に対しては、目分量で何トンと
認定してしまう。傾斜面を極力直線的にしておけば容易に計算でき、入出庫の差と
  照合すれば、高精度の在庫管理は可能なることを教え,実施させるべきであろう。
③ 工程内在庫:ややもすると軽視しがちであるが、この点検も重要である。金型等
  は専門の担当者が製作、管理するので問題は少ないと見られるが、治工具等はライン作業者が管理する場合が多く、熟練していない作業者、性格的にいい加減な作業者、協調性不足の作業者達により廃品を多く出し、在庫管理以前の問題を惹起する
  こともあるので、発生源に戻ってチェックし、指導調整が必要になります。
  以上在庫管理の専門家から見れば、極めて初歩的と思われそうですが、経験上若干
述べました。上記に該当する事例が少ないことを祈ります。
柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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