此処では「5S」と「3む」に就いて、どうしたらより効果的に浸透させられるか、
経験と教訓を紹介しましょう。社員教育に関するこの二つの事項は、ほぼ普遍的に日本でも中国でも実施されているでしょう。従いマニュアルに記載されている様なことは申し上げません。
☆:5S:整理、整頓、清掃、清潔、躾の5Sは簡単なようで、中国では相当難しいテーマです。街中でゴミのポイ捨て、自治会(中国では普通居民委員会と称す)での清掃活動やゴミ処理、レストランでの食後のテーブル周辺の情況等を見れば、日本的感覚ではとても徹底できないことは、容易に分る筈です。日本的感覚で怒ってはなりません。誰でも環境の影響を受けます。文革前は確かに当時の日本以上に中国は清潔で、「コソドロとハエはいない」と言われた程でしたが、あまりにも昔の話です。此処はやはり、シンガポールのリークアンユーではないが、細則を含め規則を作り、確実に実行することです。罰則はあまり厳しくせず、100%実行が肝要です。根競べしていけば、4-5年後には明確な成果が見えるでしょう。
☆ プラス3Sとしたのは、主として事務職を含む管理職が対象です。正確、速度
(スピード)、親切の3Sです。耳慣れないかも知れませんが、中国では絶対に必要です。不正確な数字など恰も正しい数字であるかの如く報告する事例は皆さんも経験済みでしょう。棚卸しに顕著になりますが、日常的に在庫や発生した不良品等信用できない場合が多いと見るべきです。時間感覚も日本とは相当異なりますので、時間=コストの概念を叩き込みましょう。一般的には部門間協力や担当間協力関係は相当低レベルですが、 親しい関係にあると実に思い遣りのある対応をする実情は皆さんも見聞されているでしょう。評価制度に協力度合も加えて実行しましょう。
☆:「3む」即ち、無駄、無理、ムラの排除も口で言うほど容易ではありません。
時間の無駄を含めて1%の無駄を削減出来れば、給与も1%上がり、5%なら5%
上がると言った具合に、中国の現状を考慮すれば給与に結びつけるのが効果的です。
「無理」とは「不合理」なことを教えるべきで、日本語の無理をそのまま教えると、
「出来ない」とか「方法がない」とあっさり、逃げ道探しや言い訳になります。
「ムラ」については、文字通りの「不安定」即ち「不穏定」で良いが、先ずは健康管理が基礎になることを、繰り返し教えるべきです。中国のアスリート達は日本人以上に耐久力があるが、一般の人々は疲れ易く、持久力があまりない事も理解しておくべきです
柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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