中国の対外的夢は、為政者にとっては清朝の最盛期の再現であるが、一般庶民の夢は平穏且自由に生活してゆきたいことなることは既に述べた通りです。一方対日関係になると1972年の国交正常化時には既に決まっていた如く、為政者にとっては半永久的に日本に贖罪意識を持たせ続けたいことで、今後誰が政権を担おうと変わらないでしょう。実はもう一点殆んど知られていない点があります。中国当局の戦略策定の基礎データは、社会科学院の専門家達の調査研究に基づく提言ですが、その中に日本に対して高圧的姿勢を保とうとするするのは、単に政策的なものではなく、心底日本への恐怖感もあると聞いたことがあります。それは日本の歴史を長期的に俯瞰して見ると:
「古代に於いて幾多の抗争を経て、文字通りの平安時代になったが、平清盛や源頼朝に代表される武士階級が急速に支配権を確立して武断政治に変化した。それは800年以上も継続し、江戸時代に鎖国政策もあり200年余も平和ボケしていたが、明治維新により富国強兵と対外拡張主義に至った。従い戦後平和路線を歩んでいると言われても、何時の間にか“何時か来た道”に回帰しないとも限らない。特に日本人の団結力や使命感に燃えると平気で一命を捧げる民族性を考慮すると、警戒心を保持し、牽制し続ける必要があるのだ」と言うことです。

 中国が、China Dream実現の為より一層経済成長を遂げんとする方針に変化はないとみられますが、一方では克服すべき大きな問題も横たわっており、成長率の低下は避けられず、更に社会不安を大きくする要素も深刻化するでしょう。
☆公害問題とも言うべき環境保護問題;PM2.5の濃度等大気汚染の深刻さに対しては度々報道されますが、古くは3廃問題と言われた排気、排水、廃物(ゴミ)に就いて、実際は技術も法令もあるが、経済的利益に直結せず、コスト高に繋がるとして、官民ともに重視して来なかったことが原因です。然しいよいよ軽視できなくなって来ており、何時ごろからどのように重視し始めるか、注目していきたいと思う。各地で“公害病“が社会問題化するのは避けられないでしょう。
☆もう暫くは農村山村等僻地の貧困地帯も経済成長の波及効果とも言うべき恩恵に浴して我慢し続けようが、貧富の格差はますますひどくなっており、これも社会不安要素になるでしょう。私の初訪中時代の1965年頃は、全般的に貧しかったにも拘わらず、多くの中国人の目は輝き,澄んでいました。経済面での幸福感は絶対的水準の問題ではなく、他者との比較と言う相対的な問題であることを実感させられます。
☆最も解決困難な問題は、官民共に存在する汚職問題です。現在習近平政権は必死になって撲滅運動を展開していますが、限界があるでしょう。新中国誕生後何度も挑戦した問題ですが、汚職問題は全国的に殆どの階層間で普遍的に存在し、結局は一部の人達をやり玉に挙げて矛を収める他ないでしょう。これは中国のみならず、社会主義国全てに存在する宿弊とも言うべき問題で、日本等とは比較にならない程多く、大規模なのが問題です。
☆更にGDP表示の経済成長が過度に“ハコもの”に依存しているのも、大問題です。高速道路建設、高速鉄道の建設、高級住宅や高層ビルの建設、地方政権による工業団地や鬼城と言われる実需を無視した新たな都市(市街地)の建設等、これ等の為に不良性の金融残高は最近の諸情報を照合してみると、20兆元(300兆円超)を越えているのは間違いなさそうです。
  次回更に日本との関係も考慮した上での、中国の本来の夢に就いて述べましょう。

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