第2-(1)-1図「我が国の生産年齢人口の推移と将来推計」は、厚生労働省がホームページ上で発表しているものを拝借いたしました。

それに基づき、作成したのが「ピーク人口増減数」表です。

この「ピーク人口増減数」表は、生産年齢人口(15~64歳)がピークとなる95年を「0」として、各年の生産年齢人口がどれだけ少ないかを表し、また、総人口に関しては、人口数がピークとなる10年を「0」として、各年の総人口がどれだけ少ないかを表したものです。

おおよそ総人口が我が国の総需要を表し、おおよそ生産年齢人口が我が国の総供給を表していると考えると、バブル崩壊後30年続いたデフレが突如インフレに変わったことが説明できるのではないかと考えました。

つまり、生産年齢人口の減少に比べ、総人口の減少が遅れて起こることと、生産年齢人口の減少スピードが著しく早く(ピークから1,500万人減)、かつ総人口の減少(ピークから500万人減)は緩慢であることにより、それまでは、バブル崩壊による収入減等により需要が供給を下回っていたものが、需要と供給が逆転して供給不足になり、インフレ経済になったものとおおよそ説明できるのではないでしょうか。

但し、そうすると、2010年頃から需給の逆転現象が起こってもおかしくないように一見思われますが、女性の労働参加率を見ると、バブル崩壊後急速に増え始め、また、その後を追うように60歳以上の高齢者の労働参加率も増え始め、これ以上増えないと言われるまでになりました。この女性と高齢者の労働参加率の上昇、さらに外国人労働者が不足していた労働力を補ってきましたが、近年その限界を迎え、インフレに転嫁したということではないでしょうか。

そうすると、このインフレはいつごろまで続くかと考えますと、この表を見る限り、外国人労働者の急激な増加やヒューマノイド・自動運転などの開発普及などがない限り、後、25年前後は続く可能性があるのではないでしょうか。

私たちは、30年に及ぶデフレに慣れてきました、私たちの意識をインフレが当たり前になったと柔軟にさせる必要がありそうです。

第2-(1)-1図 我が国の生産年齢人口の推移と将来推計

 

 

 

(単位 万人)

   

(単位 %)

14歳以下

15~64歳

65歳以上

総人口

生産年齢人
口割合

高齢化率

1950

2,943

4,966

411

8,320

59.7%

4.9%

55

2,980

5,473

475

8,927

61.3%

5.3%

60

2,807

6,000

535

9,342

64.2%

5.7%

65

2,517

6,693

618

9,828

68.1%

6.3%

70

2,482

7,157

733

10,372

69.0%

7.1%

75

2,723

7,584

887

11,194

67.7%

7.9%

80

2,752

7,888

1,065

11,706

67.4%

9.1%

85

2,604

8,254

1,247

12,105

68.2%

10.3%

90

2,254

8,614

1,493

12,361

69.7%

12.1%

95

2,003

8,726

1,828

12,557

69.5%

14.6%

2000

1,851

8,638

2,204

12,693

68.1%

17.4%

05

1,759

8,442

2,576

12,777

66.1%

20.2%

10

1,684

8,174

2,948

12,806

63.8%

23.0%

15

1,595

7,728

3,387

12,710

60.8%

26.6%

20

1,507

7,406

3,619

12,532

59.1%

28.9%

25

1,407

7,170

3,677

12,254

58.5%

30.0%

30

1,321

6,875

3,716

11,913

57.7%

31.2%

35

1,246

6,494

3,782

11,522

56.4%

32.8%

40

1,194

5,978

3,921

11,092

53.9%

35.3%

45

1,138

5,584

3,919

10,642

52.5%

36.8%

50

1,077

5,275

3,841

10,192

51.8%

37.7%

55

1,012

5,028

3,704

9,744

51.6%

38.0%

60

951

4,793

3,540

9,284

51.6%

38.1%

65

898

4,529

3,381

8,808

51.4%

38.4%

     

(単位 万人)

「ピーク人口増減数」表

15~64歳

総人口

差異

1950

-3,760

-4,486

726

55

-3,253

-3,878

625

60

-2,726

-3,464

738

65

-2,033

-2,978

945

70

-1,569

-2,434

864

75

-1,142

-1,612

470

80

-838

-1,100

262

85

-473

-701

228

90

-112

-445

333

95

0

-249

249

2000

-88

-113

25

05

-284

-29

-255

10

-553

0

-553

15

-998

-96

-902

20

-1,320

-273

-1,047

25

-1,556

-551

-1,005

30

-1,851

-893

-957

35

-2,232

-1,284

-948

40

-2,748

-1,714

-1,034

45

-3,142

-2,164

-978

50

-3,451

-2,613

-838

55

-3,698

-3,062

-637

60

-3,933

-3,522

-411

65

-4,197

-3,998

-199