改革開放政策を加速する為、前回は「四個小龍」に就いて紹介しましたが、経済文化など国の発展が相当高くなるまで、制限的自由、民主主義でも構わないとし、いずれ完全な普通選挙等認めようとの意向が中国当局の伏線にあったと見られます。大体鄧小平の「黒猫白猫」理論自体、「思想が良くても悪くても、一生懸命働き創意工夫し国も個人も豊かになればよい」と解釈できます。更に香港やマカオ返還時の約束事である、「一国二制度」も50年との期限付きだが、ある中国の友人は50年後をどう見ているのかとの、問いに対して「50年もすれば社会主義体制だ、資本主義だ、自由民主主義だ」と言うような議論は不要になっているだろう、と言うことだった。一理あると思われる。
① 然し一方では一般庶民の夢と中国政府指導層の夢はどうも「同床異夢」と思えてならない。一般庶民の夢は3000年も前に作られた詩、「鼓腹撃壌」(自由で平安無事に生活できれば、王様がどうであろうが、私には関係ないの意味だが、原文はネットで検索して下さい)の時代から変わらない様に見えます。一方政府や党の指導層にとっての最低限遵守すべき任務である、①国の統一を守る。②民をして飢えることなからしむ、の2点も新中国建国以来変りがないと見られる。周辺国との抗争や少数民族問題、大規模な自然災害は中国の歴史を見るまでもなく、常に為政者は留意せねばならない事項となっています。更に清朝の前中期には世界的に支配的な国であり、人口・経済力の面からも突出していたので、再現したいと思いがあり、単なる夢ではなく、偉大な中華民族の復興と呼びかけているものです。これ等に対し一般庶民の認識の変化は更に迅速であり、風俗習慣を同じくする同一民族(疑似民族を含め)の独立と、国境を越えた地域的連合と言う相反する事象が起きているのが、現代史の潮流であり、それを中国ではどこまで許容されるのか注視されるべきと思われます。
② 香港大学の調査に依れば、17年前の香港返還時に於ける香港の人々の、「自分は中国人」との帰属意識は51.1%だったが、今年6月の調査では僅かに31.1%になってしまい、7割近い人々は「自分は香港人」との認識なっているとのこと。年間4,000万人とも言われる大陸からの観光客や出産するだけの為に訪れる妊婦の多さも、好悪両面で香港の人々の意識に多大な影響を与えているとのことに注目が必要です。特に、香港返還時には小さな香港の経済力は、全中国の16%もの比重があったが、現在では僅か3%になってしまい、香港の大陸側への影響力は相対的に小さくなり、逆に大陸側の香港への影響力が大きくなっていることにも、留意が必要でしょう。
③ 中国は昔欧米諸国の「植民地主義」に反対していたが、公然とは言わないが中国自身の政策としては真逆に変化し、不言実行をしていると見られます。それは政治的自治を認めている少数民族地区への漢民族の移民です。私が比較的承知している内モンゴル自治区や寧夏回族自治区では既に人口の8割が漢民族になっており、大きな族問題は起きないと見られます(両区では目撃の限りでは少数民族が大切にされている)。新疆ウイグル自治区では漢民族とウイグル族は夫々45%前後で拮抗しており、特にカシュガル地区では大部分はウイグル族の居住地であり、よく民族問題が噴出します。チベットは、大部分が富士山以上の高原地帯である為、民族問題が多発すると言えます。以前ある中国の友人は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージランドや中南米等元々白人は居なかった地域ではあるが、既に民族問題は克服され解決されている。彼等がしたことと同じことを中国がしても、非難する権利は彼等にはないはずだ、ましてや中国国内問題であると言う。


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