先ごろ実施された参議院選挙では共産党等左翼政党がじり貧となり、中道かやや右翼的と言われる政党が伸長し、公明党が横ばいで自民党は健闘したが、日本の民主主義の健全さを示したともいえよう。
選挙前我家の郵便受けに投げ込まれた投票依頼の文書は共産党が一番多かった。前々から思うのだが、インテリが多い共産党であるにも拘わらず、彼らは民意を読み損ねているのみならず、時代錯誤である上に、相変わらず「唯我独尊」的で、まるで新興宗教の様な存在だなとの認識を再認識させられた。あたかも彼らは一般大衆の先生、指導層であり、大衆は彼らの学生、生徒でもあるが如きである。
1,    選挙前共産党は、「我々は中国や旧ソ連の様には絶対になりません」と宣伝していたが、中国でも解放闘争時代は「三大規律八項注意」(以前紹介済みだが、ネット検索可能)と言う、民衆を大切にする心がけを大切にしていたし、私が初めて北京駐在した1965年ごろでも、その気風はかなり残っていたが、歴史的に証明されている様に、その後の情況は「権力は腐敗し易く絶対的権力は絶対に腐敗する」通りとなってしまった。共産党が支配する国々では、自由・民主主義はあり得ない。日中両国の共産党の相違点は権力を握っているかどうか、監視批判勢力があるかどうかだけです。
2,    中国にも民主主義はあると言うのが、中国の公式見解ですが、それは中国共産党の認める範囲内であることは自明のことです。何故なら中国の全ての法規の基礎となる憲法で以って中国は中国共産党が指導する国であると規定されいることでも容易に理解できるはずです。
香港の中国への返還時「一国二制度」を確認したと思った当時の英国政府が予見できなかったとしたら、おかしなことです。今でも「中国は法治主義ではない」と欧米諸国は批判するが、中国の憲法を順守する限り、欧米流の「自由や民主主義はあり得ない」ことで、本気で批判するなら、「人類の文明の発展形態である自由・民主主義を貫徹するなら、共産主義は放棄されるべきだ」と言わねばなりません。内政とかの次元の話ではなく、人類全体の文明論の問題です。
3,    ソ連・東欧諸国が不完全ながら民主化したことは、資本主義社会が発展したら社会主義に転換するのとは真逆の実態であり、マルクス、エンゲルス、レーニン、毛沢東いずれも予見できなかったでしょう。資本主義社会は変化発展し、自由民主主義社会になったが、彼等が予見していた実態とはかけ離れていることを示しています。政治的に自由な日本社会に於いて、今なお日本共産党は{いままた平和をこわす「翼賛体制」が強まるなか、共産党は「反戦平和」で決してぶれません。}と言うが、この言辞は日本共産党は、民主主義を否定していることになります。多数派が執行する政治を「翼賛体制」と言っているからです。主権在民、多数決が根幹である自民党など自由・民主主義を信奉する政党に対し、共産党はその1/10にも支持率が及ばない状況が永年続いていることに対する自責の念がないことに思いを致すべきでしょう。多数派を尊重せず、何十年経ても党勢が伸びないことへの反省もせず、党内議論に透明性もないままでいるのは不可解としか言えようがありません。
4,    日本共産党は、安全保障面では第九条を含む憲法改正では反対しながら、“万一「急迫不正の侵略」が起こったら自衛隊を活用します”とのことですが、中国、ロシア、北朝鮮の動静を考慮すると、矛盾したご都合主義であり、極めて不十分と言えるでしょう。平和を維持する安全保障面の政策は周辺国の実情と比較して、遜色なく安心できると思えるレベルでなければならないのは、ウクライナへのロシアの侵攻が証明しているでしょう。若しウクライナが十分な軍備をし、NATOにも加盟していたら、ロシアも侵攻できなかったことは、その他のNATOに加盟している旧東欧諸国が安泰であることでも証明されています。いつの時代でも言えることで、「備えあれば憂いなし」で、現在の「羹に懲りて膾を吹く」夢想事態から早急に 覚醒する必要があるでしょう。
 5,日本共産党の多くの政策提言は、民主主義の唯一の欠陥であるポピュリズム(大衆迎合主義と言うが、目先の利益で大衆をあおり、国全体の問題や長期的問題を軽視すること)を煽ることであり、幻想的平和主義を主張している点等、この政党は民主主義を軽視又は反するのではと思わざるを得ません。特に全体主義、専制主義であった戦前の一時期、「大政翼賛会」参加が強制され、反対意見など口に出すことが禁じられていた時代と同一視するのは、如何なものか?昔福田恒夫氏が党内総裁選挙で田中角栄氏に負けた時、「天の声にも時には予想外なことがあるものだ!」と言い、多数派の声を天の声として畏敬している気持ちを表現していたが、これは民主主義が体に染み付いていたから出た言葉である。又天皇から見た人民大衆を指す言葉に「大御宝(おおみたから)」と言うのがあるのも、日本に世界で唯一2,000年も同じ王朝が継続している所以でしょう。

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