かなり以前の話だが、仕事の関係もあり長年交流していた国営の貿易公司(会社)の担当者より一理あるなと思われることを指摘されたことがある。彼は何度も来日しており、かなりの日本通だった。雑談の折、彼は「日本人は生真面目で、潔癖症、更に仕事は緻密であるので、モノづくりにはぴったりだ。然しそのような国民性の為、あまり商売上手ではない。商売は我々中国人に任せてくれ、モノづくりに専念したら良い」と言う。勿論非現実的な話ではあるが、国民性の相違点をよく分かっているなと思わされた。
  中国の工場でQC(品質管理)活動を徹底させるべく、社員指導に従事されている方々には思い当たると思われるが、5S活動やホウレンソウ(報、連、相)の徹底を呼びかけると、陰で愚痴をこぼしながら、「日本人は神経質で、うるさくて困る」と非難がましいことを言い合っていないでしょうか。一方では日本や欧米の商標や特許など無断借用している事例の多い中国ですが、変な知日派の人間は、元々日本の古代文化は中国のモノマネではないかと、逆襲してくることがあります。この様な時みなさんはどう対応されているでしょうか?
 以上の様な状況に対して私の対応してきたことを、若干例示すると:
1、 古代文明では沢山の文物が大陸から日本に渡来したことは間違いないが、その時代に 適合した方法で招来し又は学んだものであり、盗用ではなかった。更に重要なのは、単に模倣するだけではなく、創意工夫し改良改善し、洗練したものにしたことである。
2、 日本の現代文明は、単なる古代文明の継承や、欧米文明の導入ではなく、工場での生産工程に例えるなら、後工程、時には最終工程とも言える。 従いより緻密、厳密でなければならない。それが既に習慣化し、日本の伝統となっている。
3、 中国蘇州の伝統的な土産品に、子猫を両面刺繍したものがあるが、緻密さが欠如したり、一度でも刺繍針の手順にミスがあったりすると、やり直しができないことを現場見学したことがある。中国人だってやれば出来るのだ。
私は中国での生産現場を離れて6年になるが、今現在中国で仕事をされている皆さんにはもっとやりやすいのではないでしょうか?それは中国から日本への観光客が急増しおり、爆買いをしているのは、何故かと問えば済むでしょう。私は今でも毎年中国に旅行し、中国の旧友達を訪ねているが、訪中前に何かお土産に欲しいものがないか、尋ねると気を使って比較的安いものを言うが、それらはほどんど原産国は中国である。そう指摘すると、中国産でも良いので、日本で買ってきて欲しいと頼まれることです。一度日本に輸入されたものは、日本人の手により品質指導して作られたか、又は検査されたものなので安心、同じブランドでも中国で売られているものには手抜き商品が多く、時には偽物をつかまされると言うことです。
 東洋文明を生み出した民族の子孫として、名誉にかけて斯様な状況は早急に克服して欲しいものです。

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