2012年の年末商戦は30日が全国的な雨、

31日は北海道、東北の雪など、天候与件に恵まれない中で終わりました。

計画していた商品が売れ残ったお店も多だあると思います。

31日の人出は昨年同様でしたが、競合店の新規出店を考えると

昨年実績を確保するのは難しい状況にあるようです。


惣菜の年末商戦の価格帯はほぼ昨年と同様でしたが、
  
・寿司はネタグレードが上がり、1人前は\780~¥980~¥1480と

 内容共にアップしました。

回転寿司チェーンのグレードアップに合せて、スーパーもアップして来ています。


・海老天、かき揚は¥258~¥298に収斂されています。

問題は商品の品質・内容で、製造を急ぐあまり各店においてバラツキがでおり、

原料や揚げ方ををどうするのか、多忙時の今後の課題です。


・オードブルやおせちについては伸びが低い中で、大きな変化はありません。

まだ、夕方ピーク時に商品の製造が間に合わない状況が見られますが、

この消費不況時において早く解決すべき課題です。


食品スーパーの11月既存店売上は前年同月比でマイナス1.5%減で

2012年3月以降のマイナスが続いている。(2月はうるう年)

12月商戦はクリスマス・お正月商戦はやや持ち直したと思いますが、

通して見れば厳しい状況が続いている。

年末商戦で影響を受けているネット通販は売上を伸ばしており、

第一生命保険研究所調べではネット消費額は単月として初めて1兆円を超え、

前年同月比1割増の1兆3000億円との試算もある。

個人消費全体の4.8%を占める。

ネット通販最大手の楽天は12月の取扱高は千数百億円に上りそうと報じた。

百貨店のネット部門においても、

高島屋で13%増、そごう・西武で5%増と共にネット受注高が1割を超えた。


2013年の景気見通しに対する企業の意識調査では(帝国データバンク)

回復を見込む企業は9.1%に留まり前年調査より2.2ポイント減少、

「悪化」が34.6%、「踊り場」が31.5%と厳しい見方が過半を占めた。

業種の中では、小売業の「悪化」が40.7%と全産業を上回った。


その小売業の中で、コンビニ大手5社は2013年出店数は最大4000店を越え、

出店から閉店を差し引いた純増数は2300店になる見通しだ。

小売業の中で、2013年百貨店の国内出店はゼロ、

スーパーの出店も押さえられる中で、

これだけ出店意欲があるのは高齢化社会のシニア対応がベースにある。


地方のサッポロドラッグストアがシニア対応として、

小型家電や衣料品、食料品や日用品まで幅広く品揃えする

「よろず屋」タイプの新店で1カ所で買い物が済むようにする。

特に商圏人口1万人以下の地域に出店する計画で、シニア需要を取り込む。


シニア対応においては、店づくりでスーパーも対応を急ぐ。

・イオンは11月改装店舗で拡大鏡付きのショッピングカートを導入した。

 店頭の商品パッケージの表示が細かくなって来ていることに対応し、

 シニアの買い物負担を軽減する。

・食品スーパーのエコスは陳列棚の高さを抑えた物や

 商品のカロリーや塩分も表示した値札を取り入れる。

 又、販売方法において即席めんで「組合せ自由よりどり5個¥348」と

 袋麺からカップ麺までいろいろ商品を選べる売り方を取り入れた。

 シニアの少量で違う商品選定に対応する試みだ。


・家具販売のニトリHDは生活雑貨を主に取り扱う小型店を増やす計画、

 小型店「デコホーム」は大型家具などは扱わず、

 インテリアやキッチン用品、バス用品を主に販売する。

・そごう、西武は自主企画の衣料品を大幅に増やし、

 今後拡大するシニア消費を取り込む狙いから、

 通常の商品と比べて価格を2割程押さえ、

 流行を取り入れ体型に合ったおしゃれな衣料品を展開する。

 拡充するブランドは「リミテッドエデション」。


シニア対応は商品や店づくりだけでなく、

・首都圏の生協が夕食宅配弁当の宅配サービスを拡大する。

 コープ東京は2013年春までに都内全域をカバーする計画で、

 ユーコープは配送拠点を横浜市や静岡沼津市に新設し配送エリアを拡大する。

 宅配弁当の価格帯は¥500~¥600で、シニアも食べやすいように

 塩分やカロリーを押さえて、生野菜サラダも取り入れている。

 現在の15000食を早急に30000食まで引き上げる計画だ。


2013年は個人消費の6割を占めるシニア層をどう取り込むか。

商品の品質と価格帯・品揃えについての対応が勝敗を左右する。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net