「夏のボーナス、2年ぶりの増額」

2013年夏のボーナス調査では、自動車・部品や機械といった業種で上積みされ、

前年と比較可能な195社の内、5割弱の企業が前年を上回り、

・製造業の前年夏比4.57%増

・非製造業の前年夏比は9.68%減(電力の減が大きい)

・百貨店、スーパーの前年夏比は0.75%減(12年夏は前年比1.05%減)


円安効果の大きい業種の業績回復からボーナスの増額が大きく、

これが消費回復へとつながって来ることを期待したい。


2013年の賃金動向調査では、

春の賃上げ率は1.65%となり、前年からほぼ横ばいであり、

一時金の積み増しはあったものの、月例賃金はまだ変わっていない。


日経がまとめた2012年の飲食業調査では、

外食企業の人出不足感が強まって来たと報じた。

1年前に比べ人出の確保が難しくなったと答えた企業は、

前年を21.5ポイント上回る59.6%が感じている。

背景にあるのが、コンビニを含む小売業の出店の増加や、

大手外食企業の出店計画も旺盛であり、これから出店に伴う人出確保が課題になった。


小売り各社の出店立地が狭まり、競合が激しくなる中で、

各社はより専門店化を図り、ニッチな業種や伸びの高い商品の取り込みを急ぐ。

・イオンは低価格文具専門店を多店舗展開する。

 自社スーパーの4倍に当る約3万品目を扱い、通常価格の3割引きで販売。

 名称は「ぶんぐのまち」、又ネット販売にも参入する計画で

 アスクルなどネット大手より割引き率を高くして対応する計画。


・ローソンは消費者の健康志向に合せた食品の開発でメーカーと連携し、

 メーカーにデータを供与して、健康志向の商品開発を先行発売に結びつける。

 具体的には大塚製薬が栄養成分の多いビスケット「ジェルブレ」を販売する。


・コンビニ各社が一斉に始めた「入れ立てコーヒー」は

 セブンイレブンが今期の販売目標を4割引き上げる程好調な出足。

 住宅地にも多いコンビニが手頃な価格で販売する入れ立てコーヒーは

 主婦やシニア層にも人気で、デザートなどとも関連して好調だという。


・夕食宅配にスーパーや外食企業が相次いで参入

 神奈川、静岡が地盤のユーコープは既存の弁当よりおかずを増やした

 「にぎわいコース」¥670を新たに追加し、今期1.5倍に拡大する。

 牛丼大手の松屋フーズはさいたま市から夕食宅配を始め、

 牛丼店を拠点としてサービスを拡大する。

 その他、「銀のさら」を手がけるライトオンや「オリジン弁当」も参入し、

 価格は¥530~¥670での競争になりそうだ。


・セブンイレブンはワインの販売什器を導入し、

 ワイン販売を前年の2倍に拡大すると共に、より女性客の取り込みを図り、

 関連のおつまみ惣菜の購入を促し、客単価のアップを狙う。

 このデータを活用した売場づくりはセブンイレブンの日商の高さを支えている。


円安が輸入原料や食品に影響を与え、値上げが広がっている。

・マヨネーズではキューピー、味の素、ケンコーが揃って値上げする。

 食用油の輸入コストアップが影響した。

・山崎製パンは7月から2年ぶりに、食パン・菓子パンを

 輸入小麦粉価格が4月から上昇したことにより2~6%の値上げする。 

・食品トレー大手のエフピコは6月21日出荷分から、

 弁当や寿司など全製品の容器を値上げする。

 原油価格と円安による原料の高騰、電力料金の値上げが影響している。


円安が企業の製品に明暗の影響を与えて来ており、小売業はそれを受け止めつつ、

消費者の求める商品提供、販売方法を工夫し、  

業績向上に結びつけなければならない。

国内消費ボリュームは増えない中では、

メーカーと小売りが一体となって消費者のウォンツを引き出す工夫が求められ、

量から質を重視した商品と売場づくりが今後の課題となった。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net