2012年7~9月期の収益減速が鮮明になり、

13年3月期の増収増益も難しくなっているが、

その中でも、通期で経常増益を見込む企業は全体の6割を占める。(日経)

内需企業やサービス業などを中心に、

消費の2極化だけでなく、業績の2極化が進んで来ている。


業績好調組のキーワードは(日経MJ)

・内需

 東京スカイツリーの開業効果で東武鉄道は経常益47%増を見込む企業や

 東京ディズニーランドのオリエンタルランド、

 ポテトを原料にしてスナック菓子の品揃えを広げるカルビーも最高益を見込む。


・スマートフォン

 アップルのスマホ「iフォン5」の好調を受けて、

 ソフトバンクやKDDIは今期も最高益を更新する予定。


・東南アジア市場

 不景気と言っても年間7~8%の成長を続ける東南アジア市場を開拓している企業、

 製造業ではユニチャームや日野自動車は同じ輸出企業の中でも増益を見込む、

 又、イオンはインドネシアでカルフールの店舗を買収するなど成長の足場を築く。


内需で勝負する小売サービス業は、定番商品を強化しつつ、

消費者にいかに近づいて商売するかに知恵を絞っている。


・おでんシーズンの中で、販売金額で約4割のシェアを占め、

 1968年に発売してから長くシェア1位を守ってきた「SBおでんの素」のこだわりは、

 「時代に合せて改良はするが、全国の誰が食べてもなじめる定番の味は変えない」

 と同社では説明している。

 定番の「SBおでんの素」を中心に、

 塩分控えめタイプ、化学調味料無添加タイプ、カレーおでんの素タイプなどの

 脇役商品を揃えて、定番商品の強化を支えて来ている。


小売店は店舗でお客様を待っていても売上は伸ばせない。


・コンビニが小型トラックを使った移動販売を拡大する。

 セブンイレブンは来春までに、現在の2倍に当たる50台のトラックを使い移動販売を増やす。

 又、ファミリーマートも今期中に15台の小型トラックを増やし、

 店舗では採算が合わない地域をカバーする予定だ。


・セブンイレブンは月内に弁当や惣菜などの宅配サービスに酒類の取扱いを増やす。

 酒類を増やすのは自宅で楽しむ「家飲み」が増えていることに対応する為で、

 店舗では酒類を買ったお客様の3割以上が総菜を買っており相乗効果を狙う。


・日本マクドナルドは2013年末までに、

 宅配サービスを現在の15倍に当たる250店舗までに拡大する。

 宅配を始めた店は売上が実施前に比べ8%アップし、

 将来的には全店の約半数に当たる1500店舗までの拡大を検討する。

 
又、小売スーパーは来店客数を増やすには、

消費頻度が最も高い総菜を強化することが重要との認識が高まっている。


・ヨークベニマルは2年後を目途に、

 惣菜売場を現在の1.5倍に広げたコーナーを設置する。

 新しい総菜コーナーは「だんらんDELI]の名称で展開し、

 売場の拡大に合せてメニュー数も現在の約130品目から200に増やす。


・コンビニのスリーエフは冷蔵・冷凍タイプの総菜の販売に力を入れ、

 PB商品を50品目に拡大する。

 競合との違いを出す為にマグロ漬けやサーモン、イカなど

 冷凍の海鮮を充実して客数・点数増を狙う。


総菜デリを強化する中で参考になるのは回転寿司チェーン。

・元気寿司で始めている直線型の高速レーンは、

 回転寿司の商品ロス率は約6%と言われている中で、商品ロスがゼロだという。

 回転寿司では握ってから、時間が経ったレーンの寿司は敬遠する客が多い。

 握り寿司は握り立てが一番要求される。

 
総菜デリの特徴は商品価値を追求しなければ強さを発揮出来ない。

商品に合せて商品素材・調理方法・販売方法を追求し、

消費者にベストな状態を提供しなければならない。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net