シニア関連消費がじわりと広がり、企業の対応が進んでいる。

65歳以上のシニア世代は日本人口の23%を越え、4人に一人が年金受給対象者となった。

又、50代以上になると2人に一人がシニア対象となり、

消費支出は140兆円で個人消費全体の60%を占めて国内消費市場の主力バッターになった。

それに合わせ、夫婦と子供の世帯数は2000年には32%あったが、

2010年には28%と減り、家庭における消費構造は変化してきている。


最近の企業のシニア対応MDは

・ダイエーはシニア向けPB商品で食品シリーズを投入する。

 「少量」「健康」をテーマとして、従来より容量を4割減らした

 パック米飯などを売り出した。

 主力のPBは「おいしく食べたい!」シリーズで米飯容量を130gや

 食塩を使用しない野菜ジュースなど9品を販売し、今期中に160品まで増やす。


・シニアの節約志向は飲食物を持ち帰って、家で食べる「中食」志向が高まる中で

 弁当や惣菜だけでなく、コーヒーやデザートを強化するコンビニが伸びて来た。

 それに対抗すべく外食各社はドライブスルーを広げ、

 スターバックスは2015年までに現在の倍になる200店舗まで増やす計画。

 外食産業の2011年市場規模は前年比1.7%減の23兆475億円となっている中で、

 外食各社は中食市場に急ぎ対応する。


シニア市場の特徴で上げられることは、

・価格については比較検討し、割安価格は必要だが特に超目玉の激安価格は求めない。

 商品の特徴や価値観が納得すれば、高くても買う。

 プレミアムビール、ハイブリットカー、機能性食品、デパ地下惣菜など

 シニア層が市場を作っている。


・価格低下が進む家電販売業界においても、低価格と一線を引く販売店は

 アフターサービスを中心にシニアの家庭まで入り込み、

 顧客のニーズに対応して業績を伸ばしている。 


又、スーパーなど店舗においては、売場、商品、サービスにおいて基本的レベルを

アップする事が求められ、店舗の現場力が重視され業績に影響を与えている。

・23期連続で最高益を達成して来た首都圏スーパー・ヤオコーの川野社長は

 その要因を、品揃えは毎日の食事を楽しみたいと思うお客様に売場での商品提案を強化する。

 その為には現場を担うパートさんの役割りは大きく、パートに発注や品揃え権限を持たせ、

 パートの意欲・能力を引き出すところにあると述べている。


・路面惣菜店を主力にするオリジン東秀は、

 イオンと提携しているイオンSC店舗内のFC形式で出店を加速する。

 オリジンが商品材料を供給し、イオンの従業員が製造販売を担当する中で

 製造方法や陳列・販売をオリジンが教育し、イオン惣菜売場の売上が伸びている。

 イオン惣菜売場の顧客はオリジン路面店より客層年齢は高いが、

 高齢者メニューの開発や独自の販売ノウハウで売場を改善して行く。


・現場力が発揮するのは店舗だけではない。

 仕出し弁当を首都圏で展開する「玉子屋」は\430弁当を1日70000食を配達し、

 日々の配達の中で配達員の現場力を発揮している。

 150名の配達員はエリアの商品を積み込み、配達途中での数量調整を

 お互いの連絡の中で商品移動をしたり、余った商品を飛び込み営業でさばいている。

 商品配達と営業による顧客情報を持った配達員の現場力が生かされる。
 

今後、シニア層の消費力はますますウェートアップする中で、

商品づくり、販売方法、サービスの内容は変わって行かなければならない。

スーパー等小売業や外食業が対応する余地はまだ沢山残っている。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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