2012年、企業は積極的に投資拡大する計画だが、景気は踊り場状態に入っている。

今年の設備投資動向調査によると、

・小売り各社は東北地方を中心に出店を強化し、

 特にコンビニ大手は過去最多の出店を計画している。(前比18.9%増)

・自動車各社は新興国や環境対応車への積極投資で、前比34%増の大幅増となる。

・その他、食品各社は昨年の震災後復興投資で32%増と強気の投資を計画。


しかし、内閣府が発表した5月の景気ウオッチャーによると、

「街角景気」指数は前月比3.7ポイント低い47.2ポイントとなり、

2ヶ月連続の低下で好不況の分かれ目の50を割り込んだ。

新聞報道では欧州経済や円高不安、夏の電力需要への懸念が強まった事が理由と報じた。

夏の電力供給は関西電力の原発電が復活することで不安は少し減少したが、

西日本を中心に今夏の節電意識が購買活動に影響し、不要不急な物の購入を

控える傾向が出ているようだ。

又メーカーにおいては、円高になってからは商談の延期や中断が出ていると業界では報じている。


景気が踊り場に差し掛かり、消費者が消費に躊躇している時、

店舗は消費を提案し、積極的にニーズの掘り起こしを営業する事が大切だ。

・イオンが全国約1700店舗で今月から開店時刻を午前7時に繰り上げた。

 狙いはシニアとサマータイムの需要拡大を予想している。

 効果は店舗立地により差が出ているようだが、

 4月から午前8時開店を実施した東北地方のイオン38店の状況は
 
 午前中の客数が前年同期比3%増え、売上構成比は20~30%と増えたと言う。


・スーパー、コンビニ各社は今夏の節電を睨んで、総菜の拡販に力を入れる。

 サマータイムの導入で帰宅時間が早まる他、冷房を押さえた家庭で

 加熱調理が敬遠され、揚げ物や炒め物などテイクアウトする惣菜が増えると予想する。

 西友は49円コロッケを2割増量して、実質値下げ。

 イトーヨーカ堂は魚惣菜を昨夏の4倍にアイテムを拡大した。

 イオンでは唐揚などの温惣菜を通常より早いPM4時には売場に全面展開する。

 ファミリーマートは店内調理の焼き鳥や串揚げやおかず惣菜を充実する。


潜在需要の拡大を狙うのは小売業だけでなく、外食でも始まっている。

・マクドナルドは小人数向けのセット販売を強化する。

 ハンバーガーとポテト、ナゲットとドリンクが選べて2人用で¥1000と、

 これらを単品で買うよ売り4割はお買い得になるセットを販売し、

 その他、¥1500セットも揃える。


・すかいらーくのステーキガストではピーク時に待ち時間を改善する為に、

 客席数を3割増やす大型店のテコ入れを行う。

 食べ放題を望む小中学生向けのメニュー、ジュニアフプレートを増やし対応する。


牛丼大手3社の売上が落ち込んでいると報じた。

・5月既存店の売上動向は

 すき家が前年比10.8%の減少、

 吉野家の前年比は10.5%の減少、松屋フーズは6.3%の減少。

弁当類はスーパー、コンビニでも力を入れており、宅配業者も拡大している中、

牛丼メイン顧客の年代は確実に縮小している。


生活環境に変化が起きた時、

・現状のままで営業をして行くか、

 それとも変化に対してチャンスの在りどころを探して何かの手を打つか、

これが従業員の意識と業績に大きな影響を与えて来ると確信する。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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