放射性セシウムを含む稲わらを肉牛に与えていた問題で、

牛肉の売れ行きに大きな影響が出ており、

小売りの情報開示や安全対策に混乱が生じています。

福島県、宮城県でセシウムを含んだ稲わらを肉牛に与えていた事実が公表され、

肉牛の全頭検査をする県はその周辺県の茨城、山形県でも実施すると公表された。


小売りではイオンが肉牛の全頭検査を実施すると発表したが、

放射線量を検査出来る場所や機械の台数は限られ、

中小のスーパーや小売店で対応することは難しい。

これは牛肉だけでなく、2011年産の新米について放射能の影響がどうなのか、

この問題は今後更に大きな広がりを見ることになりそうだ。


その中、大手小売り各社はコンビニを中心に、東北地方へ大量出店を決めている。

・ミニストップは震災前の計画比で3倍の100店を出店、

・ファミリーマートは当初計画の5倍の85店を出店、

・ヤマダ電機は前年の2倍程度の15~20店を出店、

5月の百貨店やスーパーの売上高は東北6県が前年同月比で1.5%増と

又、コンビニは10.9%増と高い伸び率を示した。

震災後の地元商店街の受け皿として大手チェーンがチャンスとして捉え、

復興需要に対する投資拡大を計画している。


セブン&アイの鈴木会長は、震災はむしろ消費に火を付けたと話している。

消費者は消費に対し敏感になっており、買い物に対する考え方も変わって来た。

これまでは価格や量が重視されてきたが、震災後は質が第一、価格は第二に

変わっていると話された。

そして、この危機的状況で企業がどんな対応をしてきたのか、

消費者は身を持って知り企業へのロイヤリティが強まっている、とも話しています。



消費者は震災の後遺症で商品が棚からなくなった時の不安感を初めて知った人も多く、

安いから沢山買う、高いから買い控えると言う意識は変わっています。

・自分にとって本当に必要な商品かどうか、

・自分はなぜ、この商品を選ぶのか、

・自分に必要な数量はいくつか、

自分や家族にとって良いことは何か、と同時に社会・環境にとって良いことは何か、

と消費者は消費の価値観を見直ししています。


スーパーの店づくりや惣菜の商品づくりにおいて

・消費者に喜んでもらえる価値ある店・商品とは何か

その本質の部分を追求していく、そんな姿勢が重要だと痛感しています。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net