人という存在は、本来、「保守性」の強いものである。

若い時は、新しいことにチャレンジして、古い体質を嫌うが、ダンダン、時が経過して、今度は、自分が保守にまわるという循環がある。

社会は、若い人がラジカルに動きまわるのを「大人ではない」と批判して、自分たちの体質を乱されることを嫌うのである。

例えば、50代になった時、自分の技術が現場で活きるなら、その技術に裏打ちされた「自信」が自分を支えてくれる。

しかし、進歩がドンドン早くなって、40年に及ぶサラリーマン人生を支えてくれる技術というものは、殆ど、あり得ないものになっている。

極端な例だと税理士という職業があるが、パソコンの発展で「自計化」という波にさらされて、伝票を預かった何から何までというホール・サービスは、殆ど、なくなっている。

また、パソコンの発展で、会計ソフトが安くなり、仕訳から決算まで自分で出来る時代になって、ますます、仕事の範囲が狭まっている。

変らないように見える「税務」ですら時代とともに変っている。

何事も経験を積んで深めて行くことが大切なのだが、10年というスパンでは時代が大きく変ってしまうのだ。

この時流適応力に、人間的な適応力が加わる必要がある。

私は、人間的な要素で適応して行きたいと思っている。