大型店舗の出店が20年ぶりに急減する。

昨年は店舗面積2万平方mの出店は20カ所開業したが、

今年は10カ所前後にとどまり、明らかになっているのは

イオンが3カ所、セブン&アイが1カ所、三井不動産が1カ所となっている。

小売り各社は人口減少とインターネット通販の台頭から

中・小型店とコンビニを都市部に出店する戦略に重点を置き始めた。


食品スーパー各社においても、既存の600・450坪スタイルから

300坪の出店を検討から実行へとスタートして来た。

それに合せて小型店のオペレーションについて模索が始まっている。

いなげやは鮮魚加工センターの生産能力を3倍に高め、

今春から新たに小型店に対して「刺し身」の供給を始め、

店舗の取扱い品目を約3割増やして消費者の要望に対応する体制を整える。


小型店の競合はスーパーだけでなく、コンビニが今後の競争店舗になり、

コンビニと競争するには生鮮・惣菜の強化が欠かせない。

食品スーパーの店舗規模の違いは消費者の購買動機の違いになり、

店舗の品揃えやオペレーションについても、

規模別の違いが出て来なければ消費者に支持され、利益を上げることは難しい。

今までのスーパーは店舗規模が違っても、各店同一の仕組みでオペレーションしている為、

小型店の業績は厳しく、ディスカウント店への衣替えへと対応しているが、

今後の競合はコンビニとどのように競合して行くかを真剣に検討することが重要になっている。


国内市場の変化に対して、店舗オペレーションの対応が最も遅れており、

このIT普及の時代に店舗の受発注、仕入れ、移動に関係する

各社情報データの共通化や紙の伝票からの変換など流通の標準化が進んでいない。

又、店舗オペレーションも規模の違いや売場・作業場の違いによって標準化が遅れ、

人的集約作業の標準化が出来ず、生産性改善が進まない問題を抱えている。


生産性向上について特に作業が複雑な惣菜が遅れており、

製造オペレーションの標準化が急がれる。

1、店舗規模別、品揃えと作業パターンを明確にする。

 買い手から見る必要な品揃え、インストア作業とアウト仕入の比率、

 それによって発生する作業をパターン化・標準化することが重要。

2、パターン化・標準化した作業を動かす人の意識とスキルのレベルアップ。

 店舗・売場を運営する人達が共通した目的を持って各自のスキルアップを図り、

 仕事を進めることによって標準化した作業が効果を発揮することになる。

3、店舗、売場規模別の目指す作業割当の構築。

 規模別パターンの作業とスキルが共通化した人達によって、

 あるべき作業割当が出来、生産性向上へとつながって来る。


デフレが当たり前になって続く小売業界において、

着実に実績を残して来ている企業、店舗を日経で報じている。

・セブン&アイの営業利益率は今期6%を達成し、米ウォルマートより高い。

・大丸梅田店は6割増床し、売上は8割近い伸びを達成している。

・ローソンは今期、過去最高の615億円の営業利益を見込む。

各社各店で自店のスタンダードを確立し、

環境変化に素早く対応して行く行動こそが今後のカギを握る。

そして、海外大手のカルフールやテスコのように

消費者の求める商品を適時に対応出来なければ、業界から撤退することになってしまう。


 

今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net