5月のスーパー売上高は鰻の高騰による影響や畜産品が苦戦と発表

・日本チェーンストア協会まとめ

 既存売上高前年比、 1.7%減で3カ月連続のマイナス

・日本スーパーマーケット協会まとめ

 既存売上高前年比、 1.3%減で3カ月連続のマイナス

 
国内の物価はゆるやかに上昇している。

総務省の調査によると、生鮮品を除いた総合指数は

・全国ベースで4月に100.2となり、3カ月連続で前年同月を上回った。

・しかし、東京都は4月99.3と0.5%下回った。

 東京都区部は2009年5月から3年間もマイナスが続いている。

 東京は販売競争が激しく、価格を上げにくいことが原因と見ている。


日経MJがまとめた11年度小売業調査において、昨年の震災を乗り越えて

小売業の設備投資意欲が急回復している。

2011年の設備投資は0.2%減だったが、12年度は20%を超す増を見込む。

・23期増収増益のヤオコーは今期182億円と前期比70%増を計画

・イオンは前期比7.2%増の3500億円

・セブンイレブンは1350店の出店計画で1100億円の大台を投資

・ドラッグのスギHDは関東・関西中心に50店の出店計画し70%増の投資

・百貨店各社は前年比55.9%増の投資計画を見込む

2011年の国内は震災とまだ終わっていない原発事故による影響があり、

小売サービス業をはじめ国内企業は大きなダメージを受けたが、

今年は復興に全力で取り組んでいる姿が見えて来る。


そして、復興需要を取り込もうとした、値下げ競争が始まっている。

・西友が500品目の値下げを実施、年末まで約1400品目を値下げすると発表し、

 ダイエーも生活応援特価で続き

・イオンが先月末より食品500品目、その他500品目を値下げすると発表。

 NB商品の10%引きから最大3割の値下げを実施する。

その他、値下げを打ち出しているスーパーマーケットも出て来ているが、

その原資はどうやって当てようとしているのか。


先週、コストダウンの分野に物流費が大きいと申し上げましたが、

・イオンは自前の配送車の帰り便を活用して、メーカーの工場から商品の引き取りを開始し、

 物流費を圧縮するなど値下げの原資に充てると報道。

・商品の自動発注がスーパー各社に広がっているが、

 マクドナルドは2013年より各店の食材発注を廃止し、

 ベンダーに在庫報告をするだけで商品が店に納品される仕組みに切り替える予定。

 これにより、仕入れに関する作業時間を8割削減する。


価格ダウンとコストダウン、これは常にセットで考えて行く政策ですが、

小売業である以上、商品改善・改革は欠かせません。

・大手のイオンは山陰の漁港と組んで、漁港に水揚げ漁れた魚貝類を直接仕入れて販売

 を始めているが、ヤオコーは千葉、新潟の漁港から当日水揚げしたカツオやイカを

 当日店舗に納品、販売することを始めた。

 3年後を目途に全店に拡大する予定。

・コンビニの生鮮野菜販売が拡大されていますが、

 ミニストップは関東100店舗で野菜の脱気包装を導入する。

 それによって、コストは増えるが日持ち期間は商品によって2日伸びることで廃棄を減らす。


国内、小売サービス業の競争激化がスピードアップしています。

生活必需品の価格は競争によって下がって行く中で、利益確保が課題です。

バックルームの作業コストを下げる努力を続けることと、

商品の仕入れ・販売は仕組みを改善して、

消費者のニーズにどれだけ答えることが出来るか。

2012年の重点課題です。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net