国土交通省は、9月29日に標準管理規約の見直し案を発表した。国土交通
省のホームページに資料が出ているので参考にしてほしい。朝日新聞の第一面
にも出ている。

 ここでは最も注目されている役員の選任について見ることにする。従来の標
準管理規約では、管理組合の役員(理事と監事)は、「現に居住する組合員」か
ら選ぶことになっている。

 そこで、これを参考にして、多くのマンション管理組合の規約は、標準管理
規約と同じ定めをしている。

 しかし、これではマンションを賃貸している区分所有者、区分所有者の配偶
者、マンションの賃借人等は役員になれない。また、居住者の高齢化で役員を
辞退する人が増えて、一部の区分所有者に役員負担のしわ寄せが生じ、不公平
だという相談事例が多くあった。

 そこで、国土交通省も、標準管理規約の見直しに着手したのである。

 見直し案は、区分所有者(居住しているか否かを問わない)、その配偶者、
一親等の親族(区分所有者の父母、子供)、専門家(マンション管理士等)、
マンションの賃借人等も役員になれるとした。

 ここで、良く考えてほしい。その見直しは、「標準管理規約」の見直しであ
る。区分所有法では、マンションの役員について制限していないのだから、
管理規約に記載しさえすれば、今でも、上に記載している人たちも役員になれ
るのである。

 ところが、標準管理規約が「現に居住する組合員」に限って役員になれると
しているものだから、それにならって管理規約にそういう風に規定しているの
である。

 標準管理規約は、あくまでもひな型であり、参考である。必ずしもこれに従
う必要はないのである。ところが、どうしても、横並び式に役所の作ったもの
に従ってしまうのである。一応無難であるので、仕方のないことではある。

 いずれ、見直された標準管理規約ができると思うが、その前に、管理規約を
改正し、役員の範囲をマンションの実情に応じて、定めることができる。ただ、
その範囲を広げすぎると、いろいろと問題もあるので、やはり、専門家に相談
した方が良いと思う。

 標準管理規約に従わずに、すでに、配偶者や一親等の親族等が役員となれ
るとするマンション管理規約も多数存在する。なかには、マンションの賃借
人も役員となれるとする管理規約もある。これらは、標準管理規約の先を行
っているのである。

 ※一般社団法人エースマンション管理士協会のホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/

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