多くのマンションにおいて、その管理をマンショ
 ン管理会社に委託している。管理組合と管理会
 社はマンションの管理について委任契約をしてい
 るわけだ。

  委任契約については、民法に規定されている。
 管理を委託する管理組合を委任者、管理を受託
 する管理会社を受任者という。

  この委任契約においては、当事者双方の信頼
 関係を基礎にしている。

  当事者間で、この法律を基にして契約条項を定
 めている。従来から管理の専門家である管理会
 社主導で契約が結ばれており、いろいろな不都
 合があったため、国土交通省が標準管理契約を
 定めている。そこで、最近は、かなり改善されて
 きている。

  しかし、いかに契約の内容が改善されても、そ
 の中身について管理組合の理事や組合員が十
 分に把握していなければ、絵に描いた餅である。

  管理会社との契約といっても、直接会社の代表
 取締役が表に出ているわけではない。多くは、管
 理人や管理会社の営業社員が窓口となっている。
 
  管理会社の営業社員は、10件前後の管理組合
 を担当して、日々管理組合と接触し、何時までも
 管理組合と良好な関係を築くことが会社命令とな
 っている。

  管理組合との契約が切れれば、会社にとっても、
 営業社員にとっても不利益となる。それは、利益
 追求を第一とする会社にとっては当然のことであ
 り、なんら責めるべきことではない。

  しかし、会社の利益追求のみに走り、管理組合
 の運営を会社の都合のよいように誘導している事
 例は多い。

 ※ マンションの修理等について、工事業者を選
  定するときに、ちゃんと複数の業者の見積りを
  とって、工事業者から管理組合に対して説明を
  させているか。無条件に自分ところの系列業者
  を紹介し、工事をさせていないか。

 ※ 管理組合の役員(理事)の選出を管理会社の
  営業社員が仕切っていないか。管理会社として
  は管理会社の言いなりになる人が理事になると
  非常に好都合なのだ。

 ※ 管理規約や管理契約を管理会社主導で作
  っている管理組合が多いが、標準管理規約や
  標準管理契約を、自分ところに都合の良いよう
  に加工していないか。

  いろいろあげていけばきりがないので、今日は
 このぐらいにしておく。  
  
  大規模なマンションにおいては、管理会社に委
 託しなければ、管理は無理だと思われる。しかし、
 これからの管理会社は、管理の質を問われる。い
 い加減な管理をしていると、淘汰される。
  決して管理費用が安ければ良いというものでは
 ない。費用対効果が問われる。
  
 ※エースマンション管理士ホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/