東大(旧帝大)の池田菊苗教授が昆布だしの「うま味」の正体をグルタミン酸と突き止めたのは百数年前、その商品化を引き受けたのが鈴木三郎助教授という海藻から薬を作っていた方、この方が完成したのが「食料界の大革新」と言われた(そう表現して売り出したのですが・・)【味の素】です。

今年がその100周年です。当時の出汁はかつをぶし主流の家庭も割烹も昆布だしのこまやかなうま味が簡単に手に入る【味の素】は売れに売れ会社は財をなしたそうです。今や世界的メーカーですよね。

イシダは味の素を否定するわけではありませんが手間暇かけずに美味しく見せられる簡単さは善か?と使いすぎの料理に出合った時の気分の悪さは料理人に分かってほしいと思うのです。

かの魯山人は魚料理は昆布だしに限ると料理講習会などでは語っていたようですが味の素は好まなかったそうです。世の中で味の素が目立つようになった頃、こんな言葉を残しています。

「料理人の傍らに置けば、不精からどうしても過度に使い、その味に災いされる」

自分の店の大切な料理はできるだけ不精にならないようにしたいものですね。