相変わらず中国関連のニュースが多いが、残念ながら好ましいニュースは少ない。又批判的な論調にしても表層的であり、その背景にある真の原因に迫ったものは殆どなく、「総合雑誌」での論調も同様である。
1.大きな問題の一つは「歴史を教訓とする」であるが、中国(韓国も)と日本では真逆になっている。中国は歴史上中国に対して誤った対応をした日本や欧米の如き真似はしない、と云うものなら正しいと言えるが、実際は真似をしようとしているのは明白である。例えばイギリスとのアヘン戦争を経て、香港がイギリスに割譲され、その後日本を含む列強諸国の租界地が中国各地に設けられたが、これは実質的な戦争を経ない占領地の様なものであった。現在中国は発展途上国に対してその経済的弱みに付け込んで長期的な借款を与え、返済が滞ったりすると租界地類似の「基地」を建設してしまうものである。日本や欧米が昔犯したようなことはするな、と率直に言うべきであろう。現代は武器弾薬を用いない「札束」と言論による冷戦時代とも言える。
 2.福島原発の汚水処理水の海中廃棄に関して、日本は国際的基準以下の濃度に薄める処理をしており、韓国や中国の基準以上に厳しく処理しているが、中韓共に汚水の垂れ流しとして、日本からの輸入制限など不当な対処をしている。これらも日本だけでなく中国や韓国のデータも表に出して声高に不当な対処だと叫ぶべきであろう。ともかく何かあればケチ付けようとしているとしか言いようがない。特に韓国は戦前の日本併合時代の「悪行」は永遠に忘れないとの強い怨念が今なお存在する。韓国のみならず朝鮮半島全体の学校教育、工業化、インフラ建設等評価されるべき問題は消し去られているが、同様な情況にあった台湾の対日態度と較べてみよ、古代には日本の先輩でもあったとこを想起し、それに相応しい対応をとれと繰り返し訴えて然るべきであろう。
 3.台湾問題に対して中国は繰り返し「核心問題」と叫んでいるが、何故か日本もアメリカも重要な側面を指摘していない。即ち「一つの中国」を認めるにしても、それは必ずしも中国共産党や中国共産党が政権与党である中国政府が併合してよいということではないと云うことです。現在の台湾は国共内戦の結果として存在しているが、台湾のみは中国軍(中国共産党の軍隊であり解放軍と称されている)に占領されず、支配されずに現在に至っています。中国大陸の政治体制が変化して多くの台湾人が許容できるようになる可能性がゼロとは言い切れず、何よりも台湾の人々が平穏に暮らせていけることが最重要なことであり、これこそが核心中の核心と言うべきでしょう。中国共産党の政治的な、軍事的願望が最優先事項とするのと台湾の平和、いずれがより重要かは一目瞭然でしょう。

人類の文明は多くの試行錯誤を経ながらも進歩、発展しています。克服されたはずの権威主義とか専制主義等の古い時代に戻ろうとすることは、誰の利益にもならないことを銘記し、遵守すべきでしょう。

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