電通が、地方団体や観光団体などを対象に「地域ブランド化」の支援事業に乗り出す。地域が持つ観光資源やイメージ調査から、観光客増加のための地域ブランドの構築、情報発信の支援まで一括して請け負う。政治の世界では、いつのまにか道州制が話題に上らなくなり、代わって地域の活性化がホットな話題となっている。大都市に、アンテナショップを持つ県が増えてきた。しかし、実態は、ほとんど物産展の域を出ていない。都道府県が持つ商品を物産に限ると最大枠が見えてしまう。

現在はインターネットで、世界各地の画像を見ることでき、世界各地の物産もネットで容易に手に入る。このような状況であるからこそ、多くの人々に現地を訪れて、現地でしかできない体験をしてもらうことが重要な戦略になっている。需要けん引から市場創出への思考の転換が必要になっている。基本コンセプトは、市場の細分化と差別化である。地域を県から自治体にまで細分化して、各自治体の独自性を全面に押し出して、情報を発信する。対象者を世界の国々の人々と考えると、世界中から顧客を呼び込める。世界中の人々を魅了するには、英語で、短くて、しかも琴線に触れるブランドが必要である。 (Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)