富士重工は、車の走行性能を重視するファンに的を絞って、車を開発しマーケティングをしている。トヨタや日産との競合をさけて、ひたすら、車好きのための車に焦点を当てている。事実、日本で考える以上に、北米では、スバルの人気は高く、スバリストと呼ばれるファンが存在する。どんな大企業でも、資金を含む経営資源には限りがある。グローバルな競争が、ますます激しくなっていく現状をみれば、経営資源の最適配分が、ますます重要になってくる。(Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)]]>戦略研究.com2012-05-06T16:14:29Z2012-05-07T01:14:29+09:00
アクアスキュータムのケースは、販売を第三者にまかせることの危険性を再認識させてくれる。どんなに素晴らしい技術、商品、ブランドであっても、販売と市場開拓は、自社でやるという鉄則を忘れてはいけない。カルピスも同じ事例と考えることができる。味の素の傘下に入れば、ビジネスは問題ないと考えても、味の素の都合でアサヒ飲料グループに、いとも簡単に売却されてしまう。販売委託先の販売力を考えれば、当社の売り上げも上昇し、ばら色の人生が開けるという思いは、販売委託先の業績が悪化してしまえば、うたかたの夢に終わってしまう。
世の中、不景気になっても、常に価値の高いプレミアムブランドを求める消費者は、必ず存在する。要は、フォーカスする市場を見失わないことである。そして、販売と市場開拓は他社にまかせないで、自社でおこなう。そして地道な努力をすることが必要である。学問に王道がないように、ビジネスにも王道はない。(Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.) http://senryaku-kenkyu-j.blogspot.jp/]]>戦略研究.com2012-04-18T00:48:35Z2012-04-18T09:48:35+09:00
しかし、様々な事業に手を出すには、絶対的な資金力が不可欠である。京都の運送・物流サービス企業が、業務の急拡大に資金繰りが追いつかず民事再生法の適用を申請している。29歳の若さで社長に就任した、この会社の社長は、高い能力と行動力で、業績を拡大していった。素晴らしい自分の頭脳から湧き出るアイデアに酔いしれて、次々と子会社を設立したが、多くの子会社は期待したほどには稼げず、結局、親会社が赤字を補填することになる。そして、最後には、親会社の経営も悪化する。この時点で、「銀行は雨の日には、傘を貸さない」という、厳しい現実に直面する。そして、あげくのはてに、民事再生法の適用を受けることになる。(To be continued on CBC's website)
]]>戦略研究.com2012-04-18T00:47:29Z2012-04-18T09:47:29+09:00
同様なことがエルピーダメモリにも言える。得意先を、旧電電グループ企業の枠組みから超越することができず、ひたすら高性能で高品質の製品をより安く製造することに経営資源を投入した。半導体や家電製品のように、かなりの程度まで、コモデティ化がすすんだ商品は、選択と集中を追及して、大きな投資でコストを下げ、さらに良い品質を市場に出すという戦略だと、グローバル市場で苦戦するのが目に見えている。どんなにがんばっても、驚くほど安い人件費で、ものづくりをする国と戦っても、絶対に勝ち目はない。しかも、情報は瞬時に世界をかけめぐる。(To be continued on CBC's website)
]]>戦略研究.com2012-01-04T03:42:54Z2012-01-04T12:42:54+09:00
誰が考えても、これからは新興国のインフラ事業が大きく伸びていく。社会が豊かになれば、どの国でもインフラ整備が一番の優先課題のなるのは当然である。インフラ事業のような大規模な事業になれば、政治家の支援は不可欠である。韓国の大統領は、素晴らしいリーダーシップを発揮して、早々とアラブ首長国連邦から原子力発電所の建設プロジェクトを受注している。かつて、トヨタが米国で苦労しているのを知りながら、あれは政治の話ではないとして無関心を続けたわが国のリーダーや、感情論から脱原発と叫んだわが国のリーダーとの違いはとてつもなく大きい。この違いが、グローバル市場における両国の差につながっていると言っても過言ではない。
海外市場でも国内市場でも、市場開拓で一番難しいのは、商品と市場の細分化と、それを十分に機能させることができる流通網の整備と確立である。海外企業が日本企業を買収し、既存の店舗ネットワークを存続させながら規模の経済性だけでビジネスを拡大させるのは、非常に難しい。(Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)]]>戦略研究.com2011-08-22T04:43:07Z2011-08-22T13:43:07+09:00
この企業は、技術を磨くことを忘れている。素晴らしい紳士服を廉価で販売するだけが技術ではない。どのような紳士服が将来流行するかを予測するのも、重要な技術であるし、自社の商品である紳士服をどのように販売し、顧客満足度を上げるかを考えるのも重要な技術である。また、どのような市場に焦点をあてるかを考えるのも、大切な技術である。一般に、中堅企業は商圏を各地に点在させて売り上げを増加させようとする。しかし、これは危険な戦略である。販売不振になった店舗は、人件費や店舗使用料等の固定費も稼げない状態となり、ますます経営を悪化させる。
いまどき、競争のないビジネスは存在しない。しかも、競争はグローバルになっている。うまみのあるビジネスには、国内外の企業が我も我もと参入し競争が激しくなる。自社の強みは何かを見極め、自社のビジネスに必要な技術を磨き、市場のプレゼンスを強化するため不断の努力をすることが必要である。それをしないと、どのようなビジネスに進出しても、また、業態転換を余儀なくされる。(Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)
]]>戦略研究.com2011-07-03T15:34:13Z2011-07-04T00:34:13+09:00
つまり、日本車の2倍の価格で、基本的に同じ車を、英国風の味付けをして発売するという計画である。いくら、内装は豪華でも、基本性能が同じ車で2倍の価格を支払う顧客が多いとは思えない。さらに重要なことは、車の販売に一番重要な販売員の意欲の問題がある。28万ドルの車を売る意欲と5万ドルの車を売る意欲が同じとは考えられない。インセンティブのパーセンテージを少し上げても、絶対金額には雲泥の差がある。
現在、ゼネラルミルズの一部門になってしまったが、築いたブランドイメージを大事にして、ハーゲンダッツは世界中でプレミアムアイスクリームとして販売されており、グローバル市場で販路を着実に広げるている。(Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)]]>戦略研究.com2011-05-05T15:26:07Z2011-05-06T00:26:07+09:00
原材料費の削減は、食べ物商売では絶対に使ってはいけない禁じ手である。マクドナルドでさえ100円ハンバーガーを売り出した当初は、味が落ちて消費者が愕然としたのは、そんなに昔の話ではない。端的に言えば、今回の食中毒は、行き過ぎた単一料金ビジネスの当然の帰結として起こった悲劇ともいえる。チェーン店ビジネスでは、机上の計算に陥りやすい。店舗当たりの売り上げを店舗数で掛ければ、総売上が簡単に計算できる。そして、その机上の計算をもとに、事業計画を立案し、出店計画をたて、銀行から借り入れをして、売上目標の達成に骨身を削ってまい進する。しかし、そんな短期的視野でビジネスをしても、結局は長続きしない。
タタ自動車の軌跡を見ると、車づくりの極意をジャガーやローバーから習得し、その技術を大衆車に移植して、高級車から大衆車までラインアップをそろえており、着実に前進しようとする戦略がみえてくる。常に技術革新を忘れず、地道な努力を続けるトヨタ自動車の影響が見え隠れする。かつて、東ドイツには、名車と言われたトラバントという車があった。東ドイツが独自に開発した国民車であるが、技術革新を忘れたため、東西ドイツが統一されると、たちまち市場から追い出されてしまった。技術が進めば進むほど、技術革新の必要性は大きくなる。(Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.) (Source: Fortune May 2, 2011)]]>