日本航空は、国際航空貨物事業の抜本的なてこ入れに乗り出す。全路線で料金の30%引き上げを要請し、北米の貨物専用線を減便する。政府の監視下で経営再建を目指している日本航空の2008年の連結売り上げは約2兆円で、そのうち国際貨物事業の売り上げは約10%である、しかし、508億円の営業赤字の約40%は国際航空貨物事業によるものである。そのため、国際物流分野の立て直しが急務となっている。

かつてアメリカン航空は、大手防衛機器メーカであるレイセオンと組んで新しいサービスを展開した。それは、アメリカン航空が、レイセオンのその日の受注を集計し、自社の夜間航空輸送で、全国の卸売業者まで輸送をすることであった。つまり、全国から入る受注内容は、レイセオンの工場のコンピュータに入り、自動的に出荷伝票が作成され、配送部へ回ると同時に、在庫管理部と生産計画部にもデータが送られる。この場合、アメリカン航空の製品は何か。航空貨物輸送は、ほんの小さな要素にすぎない。アメリカン航空の製品は、完璧に統合され自動化された、データと部品の配送システムなのである。航空機エンジン部門で巨大な利益を生み出すGEは、自社のエンジンを搭載する航空機を24時間オンラインで監視している。技術革新が進むにつれて、自社の製品を再定義することも必要になる。 (Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)