12人の小売業。文房具やコピー機の販売とメンテを法人向けに提供しています。
営業マンがなかなか定着しないのが、悩みのタネです。4人の営業社員は、いつも入れ替わっている状態です。

ISOでこの問題が解決するのか、正直疑問でした。

~これが、ISOスタート前の小西社長の思いでした~
約、8ケ月かけてISOを取得しました。

仕事の手順を決め、その実行状況を確認し問題を潰してゆくのがISO
当初は、従業員から反発が多く、初めの3ケ月は、私が毎日朝礼で「同じ事を言う」日が続きました。少々疲れましたが、だんだん浸透してゆきました。

中でも営業マンは言い訳の名人です。出来ない言い訳、やらない言い訳・・などなど。

そんな時、クレームが発生。新規の大手取引先から、「大量注文をすると、最近いつも数量が違う」というもの。おかしいと思い早速チェックしてみると、「高価な、設計用紙」を、500枚単位で注文頂いていた。


出荷係の女性はパートだが、とても優秀で正確な仕事で定評があった。
営業マンにも聞いてみた。「えー、枚数の多い時は、よく言われるのです。だから、すぐ不足分を納品していますが」 「私も忙しくて、いちいち数えていられませんが」
何処でミスが発生するのか、すぐにはわからない為、各業務のチェックを細かくすることにした。ISOで学んだ手順書の新規作成を実行した。


確認、責任者、チェック、記録、更に確認 を明確に。
1ケ月後、発生原因がわかった。 事務担当の年配のKさんが、忙しい時に担当者の代わりに電話受注を聞くとき、発生していた。やや耳が遠いため「聞き間違い」がおこるのだ。


この人の記入した伝票にのみ問題があった。
以前、同じ問題が発生した時、私は営業マンを問い詰めたことがあった。
いま思えば、見当違いをしていた事になる。その営業マンは翌月退社していった。

私だけでなく、社内の皆が営業担当を疑いの目で見ていた。「定着性」の問題は、この辺からきていた。

私は、営業マン全員の前で謝った。
「申し訳ない、受注係のミスが原因だった。君達には、大変不愉快な思いをさせた、本当に申し訳ない、このとうり謝りたい。今後も協力をお願いしたい」と。
皆一様に「ホッ」とした表情、と同時に「やっと判ってくれたか」と言う顔もあった。


その後、これがきっかけで、皆の協力体制が固まり、職場のミーテイングで、現場の具体的な改善提案が出されるようになった。
考えて見れば、この一件は「単なるミス」だが、いくつもの影響がある。
まず、お客は不愉快。営業は、苦情を言われかつ、二重手間の仕事が発生。もし状況が改善がなされなければ、大口の取引がなくなり、その分予算達成のため新規の開拓が必要になる。


また社長や、社内から白い眼で見られる。定着がよくなるわけが無い。
最近私(社長)は考える。中小企業では、まず当り前の仕事がきちんと行われることが大前提だ。それには、人任せ、ひとだより、ではダメだ。
ISOで何とか、体質強化を図りたいと思っている。

仕組を作り、活用してゆく、その中で、じわじわとレベルアップしてゆく。
今回の件は、我社の「体質の弱さ」が露呈してしまった。
しかし、ISOの考え、ノウハウがなければ、そのままだっただろう。