「街角景気にアベノミクス効果が出て来た。」

内閣府が2月の景気ウオッチャー調査では、

円安と株高でメーカーと小売業に明るさが浸透して来たという。

景況感の現状は53.2ポイントとなり、6年10カ月ぶりの高水準、

先き判断指数は57.7と過去最高となった。

今回の調査は東北、北関東を除く9地域で、好不況の分かれ目である50を越えており、

消費者の中に株高による「資産効果」の影響が見られ、

百貨店や高級レストランで客数と客単価が良くなって来ている。(日経)


・銀座松屋では週末に呉服や高級腕時計売場が主婦や家族連れで賑わっている。

・ホテルオークラ東京で開かれたワイン試食会では、

 「1本2~3万円の限定ワインが昨年の2倍売れた」という。

しかし、食品や日用品の「日常消費」には広がってなく、

スーパーやコンビニの1月売上高(既存店)は前年割れが続いている。


消費が底辺から広がって来るには個人所得が上がることが不可欠という中で、

・セブン&アイはグループ企業各社で賃上げを発表した。

 労組との交渉で組合員平均給与を昨年比1.5%のベースアップする。

 又、子育て中の社員には「子女手当」を増額支給し、

 「冷え込んだ消費者心理の改善」の契機にするとしている。


・その他メーカーでもトヨタやホンダ、日立など大手でも

 賃上げ交渉が妥結して来ている。

これが消費の好循環に結びついて来ることを期待したい。


都内で開かれた23回流通交流フォーラムでアークス横山社長は、

コンビニなど異業種競合や消費増税を控えて、

「今が今後の成長局面に入れるかどうかの正念場である」と述べている。


・大手食品スーパーのライフコーポレーションは

 今期の新規出店投資を前期比8割増の210億円に拡大し、

 15店舗の出店と総菜工場を増強すると発表した。


・ヤオコーは13年度に前年比2倍の10店舗を出店する計画で、

 バローは来期は16店舗を出店する見通し。

消費が落ち込んだ昨夏以降、スーパー各社は大規模な値下げを実施しているが、

収益改善には結びついていない。


・イオンは4日、ピーコックストアを300億円で買収を発表した。

 東京と大阪を地盤とするピーコックを買収することで、

 イオンは大都市シフトをより鮮明にし、

 仕入れや物流などで規模のメリットを生かし、

 PBのトップバリューで圧倒的な価格競争力を高める。

先の横山社長は

「2~3年後には業界の風景が違ったものになっているはず」と予測する。


縮小が続く国内消費市場にあって成長を続けるコンビニの強さは、

・売場を拡大しない

・より売れる商品、成長する商品の早期取り込み

・スピード感のある変化対応

売れるからと言ってむやみに売場を拡大しないために、売場効率は落ちない。

商品動向を把握して新規改廃をスピードアップする為のデータ分析、

それを支えるIT投資、

ライフサイクルが短くなって来ている新商品対応のスピード感、

品揃えを絞り込む力がコンビニの成長を支えている。


Yシャツ専門店の「鎌倉シャツ」の品揃えについて、

8種類あった主力の男性シャツの色が白と青の2種類に減った。(日経MJ)

売上は2月まで前年比1~2%と増収を続けており、

同社では「シャツ専門店だからと種類を広げるのは誤りで、

どう品揃えを絞るかが腕の見せどころ」と述べている。

消費者の色の嗜好を読み取り、サイズ切れを防ぐことで安心感を与える。


品揃えを絞る力は消費者に対し、自店の自信のある商品を提案する事につながる。

自店の得意とする商品をいかに提案出来るか、

何でも有り、の品揃えは消費者を迷わせ、疲れる店へつながる。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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