上期(3~8月)の決算が発表されていますが、

業績に優劣が出た内容になっています。

・中国地方以西が地盤のスーパー・イズミは

 売上前年同期比    3.9%増

 営業利益前年同期比 10.2%増 と業績は好調を維持しています。

イズミは豊田自動織機と取り組んで、売場の効率化を進め、

売場の無駄を徹底的に省く「トヨタ生産方式」を応用し、

商品の陳列や配送、作業工程を全面的に見直し、営業効率アップにつなげるとしています。

売場だけでなく、バックヤードまでを含めた店舗全体で取り入れ、

12年2月期比で3%のコスト削減につながると見込んでいる。


・小売大手のセブン&アイのスーパー部門は

 売上前年同期比    1.4%増ですが、

 営業利益前年同期比 -20.4%減と苦戦。

又、

・ダイエーの営業利益は赤字に転落したと公表しています。

 13年2月通期でも、営業利益は約6割減の予想をしています。


・ゼンショーHDは首都圏で食品スーパー約50店を展開するマルヤを買収すると発表。

 マルヤは2013年2月期で営業利益は7億円の赤字を予想し、

 6期連続で赤字になっています。

 ゼンショーHDは牛丼ではトップ企業ですが、商品スーパーを手がけるのは初めてで、

 食品関連としてグループの調達網を生かして立て直しは可能としています。

 飲食もスーパーも同じサービス業として、

 お客様志向の店づくりが出来るかどうかにかかっています。


・ローソンの上期決算は

 売上前年同期比    4%増、

 経常利益前年同期比  5%増 と2年連続で最高益を更新した。

その他御三家のセブンイレブン、ファミリーマートも上期に最高益を達成していますが、

ミニストップの連結決算は

 売上前年同期比    4%減、

 経常利益前年同期比 -22%減 の43億円だった。


少子高齢化の追い風を受けた形で伸びているコンビニ業界だが、全て好調ではない。

国内スーパー、コンビニや飲食のサービス業の業績は、

好調組企業とその他企業との差が大きくなって来ている。

縮小する市場にあっても、消費者志向と利益志向で伸びている企業は存在する。


その一手として小売り各社が力を入れているのが、PB商品開発。

・大手のイオンは家庭の夕食用として販売するPB冷食の

 「トップバリュー・レディミール」の品揃えを今期末までに47品目に増やし、

 価格は¥298などで同シリーズの売上を4倍に伸ばす計画。 
 

・セブン&アイは「セブンプレミアム」冷食の売上を今年度前年比5割伸ばす計画。

 特に1人用パスタなどが好調で、これまで弁当用が中心だったが、

 コロッケなど80g前後の商品を投入し、夕食需要に対応する。


冷食はお弁当シリーズで伸びて来たが、

少子高齢化社会は夕食用として冷食の存在が大きくなってきた。


・ファミリーマートが5月に発売した高級アイスPB「ジェラート」は

 5~8月の高級アイス販売ランキングでハーゲンダッツを押しのけ、

 1~3位を独占した。

 開発・製造したのはロッテアイスで、ジェラートは高コストのストレート果汁を使用、

 独特の生産技術を確立し、商品化を決めて成功した。


・東急ストア中目黒店の惣菜コーナーで一味唐辛子や抹茶で味付けされた

 色鮮やかないなり寿司・6色セットが連日売り切れ、人気を博している。

 この商品開発に商品卸しの日本アクセスが音頭を取り、メーカー各社と取り組み商品化。

 同社は食品メーカー約1万社とのパイプを生かし、卸しの強み生かし商品開発まで手掛ける。


シェアトップのメーカーが小売PB生産を手掛ける事例が増えている。

メーカーとしては生産ラインの余裕分を積極的にPB生産に振り向ける考えで、

工場で採算を取るには、固定費回収の面で利益より売上を優先する考えがあるようだ。

又、ファミリーマートのジェラートのように、売上のトップ3をPBが占める例が出て来ると

今までのようにNBとPBを比較陳列する必要性もなくなり、

NBやPB関係なく、価値ある商品を消費者は選択する時代になって来た。
 


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net