今後の消費動向について、円高修正が進み産業界には歓迎ムードが広がる中、

円安が広がることによってガソリン価格の上昇や輸入原材料の値上がり等、

消費物価の上昇を招き、消費者心理にマイナス要素が懸念される。(日本経済新聞)


昨年から被災地の復興を支援する「応援消費」や人とのつながりを意識する「絆消費」

は続く見通しだが、効果や因果がハッキリしない物には消費が向かわないとの声もある。

昨年ヒット商品のLED照明に代表される節約消費が続く中で、

食品では「塩麹」が話題になり、日常の食事に一手間加えることでより生活に豊かさを感じられる

「ニューノーマル」消費の動きが出て来た。(ニューノーマル消費は先週のテーマ)


実用衣料品に強く、今期も増収増益を達成するしまむらの野中社長は

昨年7月以降は消費が戻って来ており、消費者は絶対的な安さを求める消費者もいるが、

価格と商品の価値感バランスを考え、明確な価値が分かると値下げしなくても売れると話されている。

主婦はガソリンの高騰だけでなく、消費税や電気料金の値上がりも予想される中、

節約と消費の綱引きは活発になって来ている。


その中でサービス業は消費喚起に向けて戦略を打ち出して来た。

・シニア世代に照準を当てた売場づくりとして、

 イオンは老眼鏡を中心に取り扱う専門店「オプトバリュー」を4月に出店し、今期は15店舗に拡大する。

 既存のメガネ店売場と高齢者ニーズの間にギャップがあると指摘する。

 その他、イトーヨーカ堂やコンビニにおいても介護用品コーナーを充実する。


・商品の品揃えでローソンは高価格帯のPB{セレクトデリシャス」から

 大き目なエビを使用したエビチリ¥348やふかヒレスープ¥298を発売し、

 人気の高い中華メニューでワングレードアップを強化する。

 今元気な回転寿司チェーンの「くら寿司」は魚介類の産直取引に乗り出し、

 各地の旬の魚介ネタを使用した「ご当地フェアー」を毎月2回開催する。

 月毎に産地を変えて、養殖と天然魚介の両方ネタを使用した寿司で消費を喚起する。


・高くても売れる商品開発がデフレ脱却のポイント

 低価格品でないと売れないと言われるレトルトカレーでハウス食品は

 「ザ・ホテルカレー」¥238を発売し、同社のレトルトカレーで第3位の売上を見込んでいる。

 同社は「少し高くてもより良い商品に目を向けなければ将来はない」と

 時には美味しい物を食べたいと思うランチ需要を想定している。


・ニューノーマルのヒット商品

 家庭で本格中華で伸びて来た味の素クックドウは定番の「マーボー茄子や回肉鍋」

 からもやしを炒めて美味しく食べる「豚肉ともやしの香味炒め」を発売し、

 今期は中華シリーズの売上更新をする見通しと発表。

 10年前なら、簡単に炒めて食べるもやしに200円の調味料を使うはずがないと
 
 思われていたが、節約の中にも一手間を加えて食事を楽しむニューノーマル消費が出て来た。


・コンビニでは新規顧客を取り込む為に、新たなラインロビングに熱心だ。

 ファミリーマートは関東地区で冷凍弁当を8月までに展開する。

 急速冷凍で品質を安定させて、消費期限が1年と長い「フレッシュフローズン」名で

 パスタやハヤシオムライス、ジャージャー麺など8種類を発売する。

 -18℃で管理し、店内では協力な電子レンジで1~2分の解凍調理で、

 昼食時の需要は大きいと予想する。

 又、セーブオンでは店内調理出来る店舗を現在の6倍に拡大する他、

 テイクアウトに対応する高価格帯のおにぎり、弁当を発売する。


長く続いているデフレに、安値では対応出来ない。

安値追求では消費減退につながる。

各社は消費場面に合せた品揃えと、

場面に合った価値ある商品開発で消費の喚起を図る仮説力がポイントになりそうだ。
 

今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net