2月の景気ウオッチャー調査によると、

街角景気の2~3カ月後を占う先行き判断指数は50.1と、前月より3.0ポイント上昇した。

同指数が好不況の分かれ目を示す「50」を上回るのは、2007年4月以来、

4年10カ月ぶりと内閣府では発表した。

(景気ウオッチャーは2050人が対象で2/25~29に調査)

復興庁が発足したことへの期待と、円は80円を超え、株価も1万円を回復した。


国内景気は回復に向かって確実な一歩を踏み出しているが、

国内小売業としては喜んでばかりいられない。

・パートの主婦などへ社会保険の適用範囲拡大案が公表されたが、

 年収80万円、週労働時間20時間以上が対象になっている。

現在の短時間パートは1日4時間、週5日間契約は社会保険の適用に入る。

保険料は試算によると本人分は年16万円増え、企業も同額の負担となる。

この法律によって、短時間労働パートの契約時間見直しが始まり、

雇用や作業の再編を余儀なくされることになる。


・2014年から消費税が10%に上がるとしたら、

 現在からの5%アップ分を消費者は簡単に受け入れてくれるだろうか。

特に、食料品などのコモデティグッズは価格転嫁は難しく、

企業の収益低下の大きな要因になることが懸念される。

1997年に消費税が3%から5%に上がった時には、消費者2%の差額に大きく反応した。

今回は5%アップすることから、特に食品スーパーの価格帯には¥98、¥198など安さを訴求しているが、

これが102~103円となり、総額表示で末尾8又は9円戦略が難しくなる。

以前の消費税アップの際には、この利益ダウンを値入ミックスによってカバーして来たものが、

5%アップではカバー仕切れるものではない。

大手流通企業では仕入れ原価ダウンの余地は残っているかも知れないが、

中小企業ではそれは不可能に近く、それに代わるコストダウンを探して行くことが求められる。


豆腐18円、コロッケ18円など超低価格を武器に成長を続ける食品スーパーのバローの田代社長は

「仮説を持つ企業だけが生き残れる」と話されており、

企業には仮説型、問題対応型、思い付き型のパターンがあると言い、

その中で生き残るのは仮説型が有効であり、

このコストアップに対してどのような仮説を持って、戦略を立てるのだろうか?

バローはこの超安価格を開発する過程で無駄なロスを切り詰め、

利益を出すノウハウを蓄えて来たことが、今後の商品開発において力を発揮すると話されている。


流通企業の生き残り戦略を見ると

・食肉大手のスターゼンはパック詰めのローストビーフを

 食品スーパーに全国販売を強化し、都市部の小型店の展開に対応する。

今春から販売する冷凍ローストビーフは肉の保水性を高め、変色を防止する製法を開発した。

小型店のデリカ強化路線に沿って販売を強化する。


・セブンイレブンで冷凍和菓子の売れ行きが好調と報じている。

和菓子は常温流通が主体の中で、冷凍流通の和菓子を拡大し前年比3割増と伸びている。

スーパーでも手作りお萩が広まっているが、洋菓子に比べカロリーも低く、

ヘルシーなデザートとして中高年を対象に拡張して行く余地は十分にある。


・地域卸のサプリコ(東京・中央区)はNB商品をメーカーと共同開発をし、

 メーカーの販売企画に対し、卸全体の仕入れ交渉を一本化し、

 販売数量に対しての販売促進費を受け取り、共同のメリットを享受する。

地域卸が取る差別化戦略には大手は同じ手で対応は出来ない。

小回りの効くサービスで生き残りを模索する。


・縮小する外食市場、

 外食産業総合調査センター調べではこの10年間で12%強の縮小が続いており、

 反面、中食市場は10年間で10%弱の伸びを達成している。

この業界で食べ放題、飲み放題居酒屋「The有鳥天 酒場」は

おつまみの代表商品唐揚の食べ放題で集客している。

夜の時間帯は¥100の食べ放題、昼のランチタイムは唐揚定食の食べ放題を実施し、

その他の商品も推奨することで採算を取る戦略だ。


景気は回復傾向にあっても、縮小する国内市場の中にあって、

他社と同じ戦略では一番手企業には勝てない。

自店の強さは何か、

狭く深く掘り下げる商品、地域の消費者サービス、対メーカー戦略を仮説計画立て、

今後の生き残りを模索する。
 
 

今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net