先週、内閣府が発表した6月の消費者心理を表す

消費者態度指数は35.3と前月比1.1ポイント上昇し、

震災後2ヶ月連続で改善してきた。

しかし、震災前の41.2ポイントに比べるとまだ低い。


そのような消費環境下、小売り各社は新たな顧客獲得政策を打ち出している。

・コンビニ業界では、セブンイレブンが揚げ立てトンカツなどの店内調理を拡充する。

 サークルKサンクス、ローソンはタレ付焼き鳥を店内製造仕様で販売し、

 夕方の女性客にPRする。

・高齢者に優しい店づくりを目指して、

 スーパーマルエツは従業員に視覚や聴覚の低下を疑似体験する研修を行い、

 高齢者の接客に力を入れる。

・エコスは高齢者が好む商品の陳列位置を低くするなど買い易さを追求、

 その他、東武ストアなど自宅までの配送サービスを充実させる。

・東急ストア二子玉川店ではCATVを活用して、毎週月水金に店長や店員が

 売場を撮影してお買い得品情報を放送をしている。

 又、惣菜小分けコーナーを設置し、サラダや煮物、米飯も180g以下の少量弁当

 販売を始め、女性客や単身者の人気を得ている。

・ライフコーポレーションは5月に開店した新店で、オフィスビルに直結した

 売場を生かして昼は弁当の特設コーナーを設置し、

 午後3時からは夕食向けのお惣菜100g¥158の均一コーナーに売場替えをする。

・マクドナルドは顧客情報を分析し、

 一人ひとりの顧客に対してコーヒーやハンバーガーの割引クーポンの発行など、

 不特定多数の顧客から個人を対象に販促を始めた。


外部与件は一刻と変わっている。

今、業績が安定しているからと言って、現状維持は退歩につながる。

2011年は市場転換の大きな年になろうとしている。

 
梅雨明け以降の猛暑に対して、国民は節電に協力しており節約意識は高い。

しかし、家庭のエアコン温度を下げないで火を使うのは大変だから、

スーパーの惣菜を買って来ようと思う人が増えて来るのは当然だろう。

その際に消費者は購入することを良く吟味し、選別することになるだろう。

・家族人数に合せて余分のものまで買わない。

・家庭で調理した方が良いか、惣菜を購入した方がお得か。

・同じブランド、品質の商品だったらいつ買ったらお得なのか。・・・

従って、販売者はより商品づくりに、販促方法に工夫が必要になっている。


大手スーパーイオンはディスカント(DS)店のビッグを新会社として設立し、

13年度には5千億を狙うと発表。

セブンホールディングはDSの「ザ・プライス」の出店を再開する。

節約消費の高まりに合せ、スーパーの価格競争は益々激しくなりそうだが、

ローカルスーパーとしてこれを機会にどんな店づくりをするのかを明確にして、

一歩ずつ差別化の方向に進み、自店らしさを打ち出して行く時が来ている。

その核となる商品は惣菜になると言っても良い。


今週の1品  *スーパーの店頭: 惣菜、米飯、寿司


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