2011年 10月の記事一覧

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11年10月30日 11時16分02秒
Posted by: asahikikaku
年末予約商戦が始まりました。

スーパー、百貨店の状況を見る中で規模は例年並みですが、

中味は例年以上にグレードアップしており、単価もアップして来たと感じています。

世界経済は収縮し、国内においても更に金融緩和をしようとの中で

消費者の財布は緩むのでしょうか。


小売業の3~8月期決算は震災後の特殊要因を含め総じて好調でした。

小売トップの方々は今後の見方を強気と慎重派と2分しているようです。

・強気派のコンビニ・大手スーパー

・慎重派の食品スーパー・百貨店というところでしょうか


日経DI調査(日経が四半期ごとに消費関連企業にアンケート調査)では

10月の業況判断指数は前回の7月を上回る-16となり2期連続で改善傾向と報道。

その内容は客数は7ポイント、売上は9ポイント改善し回復基調を示すと報道。

又、今後3カ月後予想も-15と改善傾向だが、

上昇巾は小さく震災前に近い傾向に落ち着いていると分析。


海外の報道で年末商戦に影響を受けそうなニュースは

・米国のクリスマス、年末商戦は前年よりも低い2~3%台の伸びと予想。

昨年の伸びは前期比5.2%増であったが、今年は財政緊縮・株価のダウンを受け、

特に高額所得層の心理が悪化していると報じられた。

その意味でウォルマートやターゲットのようなDSに人気が集まるのでは見ている。


・タイの洪水が長期化の予想で製造業は大きなダメージを受けているが、

 外食、食品メーカーもその影響は免れない。

特にこれからクリスマスに向かって鶏の加工品については

名古屋の手羽先唐揚で有名なエスワイフードは原料を全てタイに頼っている。

又、鶏モモ唐揚やクリスマス用ローストチキンの加工品はタイの比率は中国に次いで高い。

その他、冷凍エビの輸入も2割をタイに依存している為、

これからの年末商戦に少なからず影響が出て来るものと思われる。


国内年末予約商戦のスタート状況は新聞報道によると、

・セブンイレブンでは23日まででクリスマス商材は昨年の2倍以上、

 おせちやギフトは6割増と好調

・三越伊勢丹のおせち予約状況は前年比14%増、高島屋で13%増、

 西武そごうは10%増と出足は好調。

こうした状況は東日本震災を受け、

今年は帰省が出来ないが親兄弟への「思いやり」を大切に思うこと、

又お正月には家族揃っておせちで食卓を囲む家族のつながりを大切にする

「絆消費」が見込めることや、東北地方の復興支援の為、

地域の食材を使用したギフトを予約需要は大きいと予測出来る。


そこで惣菜におけるクリスマス・年末のキーワードは

1、メリハリ消費 

 景気停滞局面による可処分所得のダウンから、平日は必要なものを必要な量だけの需要

 と週末やハレの日には食卓場面に合せてご馳走メニュー需要が期待出来、

 売場においてよりメリハリのある商品の品揃えと売場づくりが必要になっている。 

2、お値打ち感

 川上のインフレ傾向が強まり、年末際物商品の値上がり懸念が残っている。

 節約志向から価格志向が強まる反面、味にこだわりを持つ消費者も増えており、

 商品の値頃感を出すと同時にその商品のお値打ち感を出すことが重要になる。

3、安全・安心・健康

 安全安心、健康から外れる商品は売れない。

 売りたい商品に対して原料素材、製造方法、売り方や商品名まで

 いかに健康をPRするコトが含まれているかが重要になっている。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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11年10月23日 11時54分17秒
Posted by: asahikikaku
小売り各社の3~8月期決算が出そろって来た。

3月の東日本大震災が原発災害を含めてまだ復興の目途さえ立っていない。

・スーパー各社の業績は総じて好調

 節電対策商品や東北地方の産物を積極的にPRしたことは

 消費者の「絆消費」を取りこんで売上は堅調だった。

 それとスーパー各社の価格競争が出来にくい環境が出来、

 特売回数や安売り価格が減って、利益率を押し上げた事が大きい。


・コンビニ各社は震災を機に主婦層らの客層が増えて好調

 一時的な物不足によって、今までコンビニを利用していなかった客層が

 コンビニに来店したことがあり、

 その後においても各社は惣菜の強化を打ち出し、客層拡大を狙っている。


・百貨店全体では減収、減益

 震災後の節約意識は百貨店の日常品から離れている品揃えは敬遠された。

 しかし、美術・宝飾・貴金属品などの高額品の売れ行きが6月から伸びており、

 各社の業績を押し上げていると報じられているが、

 これは日常生活とは異なり、世界的な不況と円高による株安に対して

 余裕資金がそちらに回って来たと見られている。


スーパー、コンビニ各社が好調と言っても、その中で不振な企業や店舗は沢山ある。

理由はいろいろあるが、総じて売場や商品に変化がない店は取り残されている。

環境が変わる中で、従来と同じやり方で商売を続け、

消費者は商品に対する品質、価値、情報を要望していることに答えようとしていない。

自店のことに目が行き、消費者の利益を優先していない店は共通して不振を囲っている。


又、放射能汚染問題からスーパーで牛肉の売れ行きが落ち込み、

各店の牛肉売場は縮小で元気がない。

しかし、年末に向かってこのままでは店も消費者も問題が残る訳で、

牛肉不安心理を取り除く努力が求められていると思うが、その情報があまり見られないのは心配。

BSE問題と同様に全頭検査と情報公開が必須条件になると思うのだが。


又、精肉売場でトレー不使用で真空パックの商品が一部のスーパーで目立って来た。

一番のメリットは商品鮮度保持で消費期間が4日以上に伸びること、

そして、包装資材費が約40%削減可能であることが大きい。

消費者は震災を機に環境問題に関心が高まり、太陽熱発電と同様にゴミ問題、

CO2削減に取り組む姿勢に注目している。


海外の話題として中国の小売業で外資系小売店の閉鎖が相次いでいると報じられた。

今年に入って成長が鈍化して来たとは言え、9%の経済成長をしている中国だが

外資系の韓国Eマート、仏カルフール、台湾太平百貨店など大手小売店舗が閉鎖している。

日本ではイトーヨーカ堂は15年前に出店してから、近年は大手が挙って進出して来たが、

中国でさえも出店すれば売れる時代は終わりつつあるようだ。


日本の出店場所は限られているが、中国ではその比ではなく出店箇所は沢山ある。

小売店は競合店が近くにあっても、その店舗と戦って自店の方が有利と思えば出店し、

競合店は退店する構図になっている。

従って、カテゴリーの中で自店の商品特徴、強さが一番になることを狙わない限り

安定成長は出来ない事は、製造業にとっても同じことと言える。


ダイエーが今秋以降に出店スピードを上げ、今期18店を出すと報じられた。

出店の内容はDSのビッグエーが中心となり、今後の成長に柱に位置付ける。

ダイエー創業精神のディスカウントがミッションになっているが、

消費者はどのように受け止めていくだろうか。

今後30年以上に渡って、国内市場は少子高齢化が進み人口・消費は縮小していく。

その中で販売点数を伸ばすことはどれだけ可能なのか、

商品品質・単価を改善していくことがより重要だと思うのは私だけだろうか?



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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11年10月16日 12時09分36秒
Posted by: asahikikaku
・すかいらーく買収合意、米ファンドのベインキャピタル 

 野村HDの投資会社より2600億円で、すかいらーくを買収する。

 野村は06年に投資会社を通じてすかいらーくを買収し創業一族を解任、

 財務基盤の拡充や不採算店の閉鎖を実施して来た。

 収益が回復してきた為、投資資金回収することで保有株を売却する。


企業は生き残りをかけて買収・合併のスピードが上がって来た。

不採算店をそのまま放置しておくことは致命傷になる。


・ロッテリアが複合店の出店を加速する

 ハンバーガー店からラーメン+うどん店を加えた複合店を

 ショッピングセンターのフードコートに出店する。

 ハンバーガーチェーン大手のマクドナルドは郊外の大型店を強化する方向で、

 2位のモスバーガーは都心の小型店を強化する中で、

 ロッテリアは複合店を拡大する計画だが、主力のハンバーガーが益々見えなくなることが心配だ。

 ロッテリアとは何屋なのか、ロッテリアブランドがぼやけて来る。


・2002年に閉店した店舗が2009年に再開店して黒字化が見えて来た。

 市場縮小が進む北海道赤平市においてさっぽろコープあかびら店は、

 再開店するに当たって無料の買い物バスをきめ細かく走らせ、

 平日1500人、週末に3000人の客動員が出来、黒字化が出来て来た。

 過疎化・高齢化が進む地方において、スーパーが成り立つモデルとは何か、

 コープさっぽろはその答えの一つを出しつつある。


店は待っていてもお客様は来てはくれない。

店舗からお客様に近づいて行かなければ店に来てくれない。


・10月から小麦価格が引き上げられたが、メーカーは値上げが出来ない。

 国から売り渡された小麦価格が4月に続いて引き上げられたが、

 メーカーは小売店の反発に合って商品の値上げは出来ていない。

 3月の震災から夏(7月)までスーパーの店頭価格は値上りした商品もあったが、

 8月以降商品量が満たされるに従い、値上げより特売による値下げが目立つようになった。


東日本震災は国民の消費意識を変えた。

消費者は消費に対する節約と商品に対する安全を確認した。

商品の供給が落ち着いてくれば、余計なものまでは買わない節約を実行する。

スーパーの経営者の中には、国内消費は堅調で来春までは心配はいらないと、

発言されている方もいるが消費者は年末に向かって慎重に消費を考えている。


・1月から9月までのビール系飲料の出荷量は前年比3.4%減少し、

 割安の第三のビールが2.6%増えた。

 第三のビールは節約意識の高まりから「家飲み派」の流れを受けて伸びている。


・お歳暮商戦が本格スタートし、東北復興を支援

 消費者は震災によって日本国民の絆を再認識し、

 同じ贈答をするにも東北の復興を支援したいと思う人たちは多い。

 早くも百貨店やスーパーの歳暮商品には東北産を取り入れた商品が

 三越では昨年の2倍強に増え、その他各社も強化し復興需要を後押しする。


お歳暮、クリスマス、おせちの予約商戦が始まり、

商品には東北産を始め、自社のこだわりがどれだけPR出来るかが勝負になる。

価格帯は先述の内容を踏まえて昨年並みか、それ以下に押さえる必要性も出ている。

今こそお客様の信用を得る為、より価値ある商品の訴求が必要になっていると思います。 


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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11年10月09日 11時48分23秒
Posted by: asahikikaku
・食品スーパー再編加速・イオンがマルナカ買収!

5日、イオンは中四国地方の大手食品スーパーのマルナカと山陽マルナカを

11月に買収すると発表した。

マルナカと山陽マルナカは四国と岡山県を中心に約210店舗を展開、

ナルナカグループの売上は3300億を占めているが、

これでイオンは小売り売上でセブンに大きく差を付けトップに立った。

マルナカはディスカウント中心に店舗展開を図っているが、

今後、物流センターの活用で稼働率の向上によるコスト削減効果や

イオンのディスカウント部門であるビッグとの共通セールで販促効果を期待出来ると言う。


人口収縮が進み、世界一の高齢社会に向かっている日本、

国内産業は否応なく勝ち負けが出て来る構図が待っている。


その中で、日経の売る技術で紹介されている

・大丸東京店、タオル売場では需要別に分類した売場展開

 個人が友人などに贈り物をする為に買い求めるパーソナルコーナー

 冠婚葬祭向けにソーシャルコーナー

 有名産地の商品を集めた「今冶」専門コーナー

既存のタオル売場において、普段使い用から贈答用、高級品分野までを取りそろえ

顧客の目線に立って工夫することで金をかけずに売場を活性化出来る好事例と言える。


店舗事業では苦戦をしている日本生協連合グループにおいて、

・生協の特徴である組合員の声を反映した商品づくりを強化する動きが出て来たと報じている。

生協店舗にはそれぞれ組合員の為にキッチンを備えた会議室があり、

組合員の商品試食など行い、組合員の要望を商品に取り入れることで

店と組合員の絆を深め、私達の店の自覚と商品への愛着を深める作戦を強化する。

そもそもコープの店舗は他社と比べて何が違うのか、

その違いを突き詰めることがコープの差別化につながると日生協は見ている。


・外食大手のチムニーは調理人の技能強化を狙って、研修制度や技能認定制度を導入した。

研修内容は鮮魚、活魚、寿司、マグロにおいて初級から上級に分けて技術研修を行う。

外食業界では不況などを背景に人材の流動化が激しくなっており、

異業種からの転職する人達に対して技能格差の平準化が重要になって来ている。

これは、スーパーの惣菜部門においても同様な動きが活発化しており、

商品化作業により専門化が要求される中で、パートを含む従業員の調理技術強化が欠かせない状況にある。


・イオンのショッピングセンターで11月から、「シャネル」「ランコム」など

海外高級ブランドを扱う化粧品店を展開する。

イオンSC店内に専門店売場を設けて、ブランドの垣根を崩した用途別に商品展開し、

顧客が自由に商品を選べるようにする。

海外ブランド化粧品はこれまで百貨店が独占してきたが、

この牙城を崩して百貨店の客層を取り込むことで店舗の活性化につなげる。


・大手コンビニの業績好調の陰にはタバコ値上げの要因もあるが、

店内調理のフライ・コロッケや煮物、中華、焼き物などの惣菜を取り入れ、

食品スーパーの客層を取りこんでいるところに原因がある。

又、コンビニは好調な業績を基にLEDの導入などの節電投資を積極的に実施、

電力不足長期化に対してコスト削減対策を怠らない・・・。 


どんな成熟した産業でも消費がゼロにならない限り生き残る道はあり、

その為には現状維持は許されない。

現場に立って、お客様の動向を直視し、「何故」を連呼、現状打破することで

将来の道は必ず開けて来ると信じている。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net
11年10月02日 11時38分28秒
Posted by: asahikikaku
高止まりしている円高でメーカー業績の下振れ、

株安による評価損、

厳しい経済環境の中で個人消費は締まって来ている。

その中、小売業は消費者ニーズの掘り起こしや

業種の垣根を越えたより激しい競争を始めて来ている。


・関東信越のコープネット事業連合は今月のお奨め商品を始め、

宅配する運転手が商品の売込みを図って効果を上げている。

供給高の7割を占める宅配事業はネットスーパーの台頭で

影響を受けたとことの対抗策として新たに運転手の販促を実施、

個人のやる気を引き出し販売力強化を図っている。


・セブン・イレブンが週末朝市を実施

北関東地域の約150店舗で土曜の午前中に、

店の駐車場で地場野菜を中心に朝市販売を開始し、

主婦層の取り込みを図って好調に推移、今後も拡大の予定。


・ローソンが野菜宅配のらでぃっしゅぼーやと組んでネットスーパーを始める

注文を受けてから最短3日で全国に配送する方法で

有機野菜のこだわりとコンビニの加工食品を合せた宅配で顧客を開拓する。


大手コンビニの業績拡大が鮮明になってきており、

30坪の店は消費者のニーズを取り込みながら日々進化している。


小売業の進化はバックルーム作業においても始まっている。

・DSのザ・プライスは1人で複数業務をこなす

DSのローコストオペレーションは運営の鍵となる中、

1日2回の「がんばるタイム」で生鮮担当を含む全員で

グロサリーの商品補充を担当し、作業時間の短縮を図っている。

経費で最も多い人件費について、

店全体作業の中でベストミックスを追求していく

仕組みづくりがポイントになりそうだ。


・惣菜部門や外食産業で最もかかる管理作業は清掃であり、

特に排水溝やグリストラップは皆も嫌がる手間のかかる作業。

そこに「マイナスイオンを注入して、油を分解する」仕組みで

作業負担を大幅に減らす装置がイオンジャパンから発売された。


小売業のコスト削減・生産性の向上は今後の大命題であり、

それには店全員の知恵による「かいぜん」と仕組みづくり、

省力化機器の開発が欠かせない。


2011年産新米がピークを迎える中で放射性物質の汚染問題、

消費者の食の安全意識に対する対応が求められる中で、

小売業の原材料調達から商品までの垂直管理が進んで来ている。

・セブンHDは大手食肉メーカーと組んで、和牛を岩手県の専用牧場から調達する。

当社は肉牛の繁殖段階からメーカーと取り組み、

飼育から出荷までの管理を確認することで、消費者の安全意識に対応する。


この垂直統合はコストと品質面から進められて来たが、

そこに安全面が加わり、より加速していくに違いない。

「現状維持は退歩なり」

消費者のニーズ -- 安全・品質・こだわり・値頃・適量・時間・・

に対して何を取り入れ、何を改善しているかで先が見えてくる。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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