◎このレポートは、脳科学者ジル・ボルト・テイラー氏が、脳科学者としての知見と自らの脳梗塞を患い、回復した経験に基づき気づいた右脳、左脳の役割について語った書籍である「ホール・ブレイン」からの考察したものです。

 

◎同書と私の考察に基づき、左脳前頭葉の役割を列記すると、

・言葉を話す機能

・物事に意味づけをする機能

・過去や未来を考察し、危険を回避などに役立てようとする機能

・物事を論理的に考え、分析する機能

・計画を立て、物事を効率よく行おうとする機能

・物事を正しいか誤っているかを判別しようとする機能

・損得勘定を考える機能

・細分化して分析しようとする機能

などがあります。

これらを一言で言うと、「理性」機能

 

◎左脳側頭葉の役割は、

・不安や恐怖を関知する機能。時には、問題ない状況でも不安を煽って警戒するように仕向ける場合もある。

・物事を疑って、警戒する機能

・罪悪感や恥を感じさせて、注意を促したり、再度同じ失敗を回避させようとする機能

・利己的に振る舞うように仕向ける機能

・誰かを責めたり、批判することにより自分を守ろうとする機能。または、その理由を考える機能

・物事や人などを順位付けする機能

・危機的状況において、フリーズ(死んだふり)するか、逃げるか、戦うかを決める機能

・怒りや闘争を煽る機能

・相手に悪口や騙して自分を守ろうとする機能

などがあります。

これらを一言で言うと、「保身」機能

 

◎右脳側頭葉の役割は、

・仲間を信頼し、仲間に感謝を表す

・自由気ままな行動を促す機能

・遊び心を呼び覚まし、創造的行動を促す機能

・怖いもの知らずにチャレンジさせる機能

・相手に共感して、仲間に優しくすることを促す機能

・仲間を求める機能

・流れに任せるように促す機能

などがあります。

これらを一言で言うと、「集団形成」機能

 

◎右脳前頭葉の役割は、

・外界を認識し、大局的に捉えるように促す機能

・柔軟で環境変化を認識し、好まざることもあるがままに現状を受け入れる機能

・この世界との繋がりを意識して判断することを促す機能

・自己の都合や立場を省みず、全体最適を目指す機能

・相矛盾する状況からいい塩梅を見いだす機能

・全体を見つつも、違和感に気づく機能

・突然のひらめきを受け取る機能

などがあります。

これらを一言で言うと、「全体智・現在智」機能

 

◎生物の大脳進化について

生物の大脳進化は、まず、は虫類において左脳側頭葉が発達し、自己の身を守る能力が進化した。次に、哺乳類が右脳側頭葉を発達させ、集団で生活することで、出産数に制約がある生物としての欠点を補い、種の損耗率を下げることに成功した。

また、それによって、は虫類の表情は変化が極めて乏しいが、哺乳類の表情は豊かになった。そして、人類は、左脳前頭葉を発達させ、論理的思考力、知識の整理と蓄積と言った理性をを得て、発見もしくは獲得した知識や技術を継承する能力を得るとともに、右脳前頭葉を発達させ、ひらめく力を得て、論理的思考力だけでは、発見できないひらめく力を得て科学技術を発展させてきた。

 

◎ヒトの脳の発達と精神の成長

ヒトの脳の発達も、生物進化と同じように、左脳側頭葉→右脳側頭葉→左脳前頭葉→右脳前頭葉の順に発達する。

それに伴い、ヒトの精神的成長(情緒の成長と価値観の成長)も、著しく個人差があるが、自己中心的性格から順次成長し、自己実現に向けて成長していく。

 

◎左脳の使いすぎによる精神的悪影響とヒーリング方法

脳前頭葉と左脳側頭葉、右脳前頭葉と右脳側頭葉の繋がりは強い。

従って、頭(左脳前頭葉)で考えすぎて疲れると、左脳側頭葉が活性化し、精神に悪影響が生まれやすい。

逆に、右脳系は、上記のようにストレスを解消する方向に働きやすい。

従って、過ストレス状態の時は、感覚(呼吸など)に意識を向け、左脳前頭葉の働きを止めると右脳前頭葉と右脳側頭葉が活性化し、脳をリフレッシュすると良い。

 

◎性格は変えられるか?

性格と言われるものの多くは、左脳側頭葉と右脳側頭葉にある感情や欲求等で、誰でも等しく持つコンピュータで言うアプリケーション・プログラムのようなものである。

人によって、過去にどの感情や欲求を多く使ったよって強化された結果が個性や性格と呼んでいるに過ぎない。

従って、自己認知を活用し、「今、自分は、何の感情や欲求が沸き起こってきたか」を感じ、プログラムの選択を変えることを続けていくことによって、性格は変えられる。