1.古い話であるが、1972年9月、時の首相、田中角栄氏が国交正常化交渉の為、北京を訪問し、挨拶の中で「昔、日本は中国の皆さんに多大なご迷惑をお掛けしまた」との発言をした為、中国側は官民上げて不満を表明したことがある。一部の日本通の幹部達が、「迷惑をかけた」は日本での謝罪用語であり、「多大な」との形容詞をつけたことは中国語にするなら「非常に大きな災害を与えた」と意味すると解説される事態となったことは、ご記憶の方も居られるであろう。今でも日本の大企業が、何か不祥事があると、記者会見をして「関係者には大変ご心配をお掛けし、又ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ありません」と言って、深々と頭をさげる。中国の在日マスコミ関係者は既によく分かっていようが、直訳すると、深々と頭を下げる行為と言葉は矛盾します。深々と頭を下げる動作の意味は日中共に同じである。昔、北京の貿易公司の担当者に、私自身止む無く深々と頭を下げたことがある。輸出契約したが輸出許可証(E/L)が取れず一年も引き伸ばした挙句、契約不履行の止む無きに至ったからである。先方の担当官はそれまで再三に亘り、「何時になったら、E/Lは取れるのか?」と厳しく催促をしていたが、私のとっさの行動に対し、「分った、分った!頭を上げてくれ!」と、言うことになり、ペナルティーなしで契約解除となったことがある。中国のモラルや風俗 習慣も相当変わり、企業差や個人差も大きくなった今日この頃ですが、参考までです。
2.中国の団結心の弱さは以前も触れたが、再記すると「1対1なら、日本人には負けない、2対2では危うい、3対3以上だと先ず勝てそうにない」とは、今尚その通りであり今後ともその通りであろう。一番分り易いのはスポーツで、個人競技、多くても2人でペアを組む競技では、最近どうしても日本は勝てない。例えば水泳、陸上、体操、卓球等々。然し、瞬時に連係プレイが必要なサッカー、野球、ソフトボール等で、日本を追い越すのは相当難しいと見られる。シュートを決める場面とか、ファインプレイになりそうな場面では、超人的能力を発揮するが、そうでない場面ではどうしても気が緩むので、 中国のチームの監督やコーチを引き受ける日本人は予想外の苦労をされよう。
3.常識や国民性、風俗習慣等の相違から来る問題は多々あるが、次に飲酒問題を述べて、一段落とします。日本人の目には中国人は大変酒に強い人が多いと見える。一方  中国人の目には、マナーの悪い日本人が多いと見える。多くの日本人は焼酎をお湯割りや水割りにして呑むが、この様な習慣は中国には殆ど無く、50度以上の白酒を一気に飲む。公平に見れば日本人が酒に弱い訳ではなく、飲み方を知らないだけである。先ず原則として、飲むのが手酌だったり、無言だったりするのはマナー違反と知るべし(最近では中国人でもマナー違反者がいるが)。飲む時は必ず、「xxxの為に」と言って飲むことです。又、昔、ある中国の友人が健康的な「飲酒三ヶ条」を教えてくれたが、それを紹介しましょう。① 極力早目に脂肪分の多い食べ物を口にする、②必ず水かお茶を用意して貰い、乾杯の直後にはそっと飲み、お腹の中で薄めてしまい、③無言では絶対に酒を口にしない(日本人飲兵衛は乾杯と乾杯の間でも飲むこともある)。
柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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