日本航空の業績悪化に歯止めがかからない。第一四半期の赤字が990億円で、四半期としては過去最大の赤字を記録した。不採算路線からの撤退を含めたリストラが進行中である。ナショナル・フラグ・キャリアとして殿様商売に浸りきった結果ともいえるが、背景も経過も、強いアメリカの象徴であったGMとよく似ている。どんな巨大な企業でも、自社の商品が売れないと倒産する。自明の理である。自社の商品を絶え間なく革新するとともに、自社の商品を買ってくださる顧客のロイヤルティをいかに維持するかで勝負は決まる。

カスタマーロイヤルティを維持するには、「真の顧客」を定義する必要がある。これは簡単なようで難しい。顧客を細分化して、あらゆるデータを分析して企業が独自に定義するしかない。自社の商品を購入した顧客に、過去どのような商品を購入したかを話してもらうだけでも、かなりの分析ができる。すべての人々が「真の顧客」と定義できる企業は存在しない。カスタマーロイヤルティについては、米国市場で成功しているホンダが良い見本を提供している。顧客のライフサイクルに合わせたマーケティングが功を奏し、ホンダ車のオーナーのリピート・オーダー率は、業界平均の40%を大きく上回る65%である。これだけ高いと、ディーラーや流通業者もメリットを享受でき相乗効果が期待できる。当社の商品・サービスがいやなら、他社に行ってくれという殿様商売に未来はない。 (Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)