業績悪化を受けて、大手企業が仕入先を大幅に絞り込んでいる。この決定に大打撃を受けている中堅企業も多い。大手企業から仕事をもらっているから、我が社のビジネスは大丈夫と安心していた中堅企業には、緊急事態である。しかし、大手企業の立場から考えると、業績が悪くなると生産コストを下げることは最優先課題であって、取引額の少ない仕入れ業者から淘汰していくのは、当然の判断である。なぜなら、将来、業績が上向いたときに、取引額の少ない業者では短期間で増産に対応することは難しいからである。

大手企業から絶縁状を受け取り将来のビジネスの見込みが立たない。これは、大手企業が冷徹なのではなく、大手企業との取引に安住して、ビジネス拡大の努力を怠った中堅企業が、責められるべきなのである。大手企業のパーティに呼ばれて、「これからもスクラムを組んで一緒に頑張りましょう」というのは、業績が上向きのときの言葉であることを認識する必要がある。自社のビジネスを得意先に合わせず、自社が提供できる機能から定義する必要がある。自社のビジネスを「研磨すること」と定義すれば、研磨を必要とする業界は無数にある。グローバル化が進む現在では、グローバル企業から引き合いを受け取ることも可能になる。 (Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)