中堅企業は、自社の商品を市場に投入するとき、すべての市場を対象にした商品を投入すべきでない。広く薄く商品を販売すれば、総販売額は大きくなるが、利益率の低いビジネスになってしまう。市場の細分化には、多くの切り口があるが、地理的な要素で考えると最も分かりやすい。東日本と西日本では、市場の特性は全然違う。また、表日本と裏日本でも、顧客の好みは全然違っている。端的に言えば、県単位で市場特性も顧客特性も違う。

また、競争会社と同じ商品を投入しても勝ち目はない。顧客は市場の存在感が大きい既存の商品を選択するからである。そこで、何らかの差別化ができた商品を市場に投入する必要がある。どのように差別化をすればよいか。その答えは、顧客に教えてもう以外に方法はない。顧客一人ひとりに聞くのが最善の方法であるが、それは不可能なので、代理店あるいは問屋に同行して、小売店を訪問して情報を得るのが一番よい。小売店を回ると、最大シェアを誇る商品にも、死角が数多くあるのが理解できる。その死角が差別化の要素となる。 (Written by Shigeo Sunahara of CBC, Inc.)