2012年 1月の記事一覧

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12年01月29日 12時08分17秒
Posted by: asahikikaku
食品サービス産業の市場が縮小しています。

・外食産業、2011年売上前年比1.2%減少、(日本フードサービス協会発表)

 東日本震災の影響による自粛ムードの広がりで、FFや牛丼店は健闘したが

 ファミレスなどは1.6%減で2年ぶりに前年を下回った。

・全国スーパー、売上高は既存店ベース12兆7024億で前年比0.8%の減少。

 (日本チェーンストア協会)

 東日本震災後の飲料やカップ麺などの特需があったものの、

 原発事故による風評被害や野菜高騰により、特に農産品は2.7%の減少、

 12月も年末は健闘したが、既存店では0.8%の減少となった。


しかし震災特需で伸長したのがホームセンター、既存店前年比3%の増加と

04年調査以来初めてのプラス成長となった。(日本DIY協会)

今年も節電関連や防災用品を中心に販売強化を図る。

又、店舗型サービス業と対照的に絶好調なのがネットサービス企業、

小売り部門大手の楽天は2011年の出店売上は

前年比16%増の1兆1000億と設立14年目にして1兆円の大台に乗った。

震災以降の生活必需品など中高年齢層が利用するようになり客層が

20~30代から50~60代まで広がっている。


中長期的においてネット産業は伸び、店舗サービス業は厳しい予測が出ている。

外食産業総合研究所の調査では、外食市場は2010年の規模は23兆6450億と

ピークの15年前に比べ20%近く減少した。

その中で持ち帰り弁当などの中食市場は、6兆2342億円と同期間に45%も伸びている。

これは食品スーパーも同様で売上は15期連続して前年を下回っているが、

その中でも中食・惣菜は着実に伸びている。


その世代を表す節分行事が今週末に迫って来た。

2月3日の節分の過ごし方について、

豆まきをすることから「恵方巻」と呼ぶ太巻寿司を食べる事が

西日本から全国へと増えて来ている。

2012年の節分は昨年の大震災を経験して、

更に平和・健康・家族団欒を祈願する人達で盛り上がるのではないでしょうか。


年明けから恵方巻予約商戦が一斉に始まっていますが、今年の特徴をみると

1、定番の恵方巻は\380~¥450の中でネーミングの巾が増えて来た。

・福巻、田舎巻、金運巻、上太巻、開運巻・・・

2、海鮮巻を中心に高級ネタを使用する商品が増えて来た。

・大間マグロ、本マグロ、中トロ、車海老、ウニ・・・

・特にマグロではその他にビン長、中落ち、生マグロ、三咲マグロ・・・

3、野菜の具材もキューリ、干瓢、椎茸以外に菜の花、小松菜、人参、ゴボウ、

 ハス、レタスなどに増えててきた。

4、年代別をターゲットとして、女性や子供に中巻サイズが増え、

 又子供対象にドラエモンなどキャラクターをネーミングにした商品も出て来た。

5、予約特典については、多くは1割~5%引きでその他には

 ポイント5倍、単品を絞って50~100点を付け、

 プレミアムとして福豆や方位磁石のサービス等が目立った。


節分恵方巻は家族と一緒に楽しむ行事として、

今後は益々品揃えが広がり、内容も豪華になって行くようだ。

商品も太巻寿司だけでなく、恵方ロールケーキは目立って来たし、

恵方ロールサンドや日本酒の「恵方飲み」など食品業界のイベントに育って行くでしょう。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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12年01月22日 11時52分05秒
Posted by: asahikikaku
2012年は団塊の世代が65歳に到達する年になります。

高度成長時代に労働力として貢献して来て、

今年から年金生活に入る人達が多くなるのだと思います。

しかし、体力・気力とも十分に残っている中で、

どのような消費を心がけて行くのでしょうか。

新聞雑誌で報道されて来た内容は

・自分向けに趣味や向学に消費する

・家族に対しては孫世代に定期的に消費する

・元気な内に、人生を楽しむ行楽に消費する

・普段は節約し、必要と感じるものに消費を惜しまない

彼らは戦後に生まれ、苦しい生活も又バブル時代も経験しており、

消費することには納得したものが必要なのです。


最近、主食の米について低価格米が値上りしていると報道され、

北海道産のきららや青森産のつがるロマンなだが新米の出回り時に比べ

3%前後の値上りとなっている。

反面、新潟産コシヒカリなどの卸価格は軟調に推移している。

食を預かる業界にとって消費者の良いものを納得志向する反面、

低価格志向が根強い消費者が多いことも事実です。


8年連続増収増益の日本マクドナルドは、

ハンバーガーの宅配サービスを全国展開すると発表しました。

新サービスによって、家庭やオフィスで食べる「中食」に

対応することで成長を目指すとしています。

政府団体の調査によると、2025年にかけて国内の食料消費支出は

1.9%減に止まるが、それは

家で食事を作るための支出は減っても、弁当やハンバーガーなどの調理品の

比率は5ポイント近く増えると予想しているからです。

それに対してはサービス力が鍵になると企業は見ています。


更に進む高齢化時代と昨年の震災を経験して、

消費者の多くは「家庭の食事」の大切さを再認識している。

家庭の食事を高齢者や単身者を含めて提案して行く為には

宅配サービスは重要になって来ています。

外食産業の宅配サービスが増えて行くことが予想される中で

食品スーパーは食材だけでなく惣菜・弁当・寿司などの調理品についても

宅配サービスを強化することが重点になります。


デフレが続き食品業界で値下げ・安売りが競争になりましたが、

2012年は少し変化が出て来ています。

牛丼戦争で松屋フーズが「牛めし」を値下げしましたが、

ライバルのゼンショーや吉野家は静観の姿勢でおり、

今後は牛丼以外の商品や高価格帯に力を入れて成長を探っています。

又、ビール戦争においても、第三のビールは昨年は伸び率が鈍化し、

新商品の発売も急減しました。

2012年、ビール各社は自社の定番や高品質ビールに重点を置き、

販売計画を立てています。


消費税論議が活発になる2012年、

団塊の世代消費が目立つようになり、

消費は安さから味・品質へ、そしてサービス競争へ変化しています。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司
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12年01月15日 12時50分41秒
Posted by: asahikikaku
2011年、12月の景気ウオッチャー調査(内閣府発表)では

足元の現状判断指数は47.0となり、前月より2.0ポイント改善した。

秋口に下がった指数は年末商戦の盛り上がりで改善して来たが、

一方、景気の2~3カ月後を占う先行き判断指数は

前月より0.3ポイント低く、消費者の慎重な姿勢は変わらない。

今年は国会で消費増税論議が活発になる中で、

消費者の節約意識とハレの日消費の2極化がよりハッキリする年になるのではないでしょうか。


小売業の第三四半期までの業績発表が出揃った。

食品スーパー主要10社の内、9社が経常増益になった。

東日本震災を受けて、「内食化志向」の高まりや節電による

企業の経費削減が利益率を高める結果になったと評されている。

各社の政策を見ると

・総菜や半調理品の品揃えを強化

・PB商品の品揃え拡大と販売強化

・原材料の加工をアウトから自社加工の変更

・放射性物質の検査を強化し、消費者へPR強化

・売場作業の標準化を進め効率改善を図る

・チラシなどの販促経費の見直し変更 ・・・

販売面の中では現在伸びているライン・カテゴリーを更に強化すること、

そして、消費者にそれを分かりやすくPRすること、

管理面で経費を分解し、コスト削減策を実行すること、

・攻めと守りについて新規に対策を立て、実行することが増収増益につながったと思います。


企業のM&Aを成功させて成長してきた日本電産の永守社長が日経BPで述べている事、

・企業成長の第一歩は、先ず利益を出すこと。

 当然ながら利益の出ないところに成長はない訳ですが、

 利益の出ていない企業や店は本気で利益を出すことに取り組んでいるでしょうか。


 その手順のその1は

・コストの見直し

 利益が出ないと言いながら、ボールペンやファイルなど不必要なものが沢山ある。

 たかがボールペンですが、従業員の意識が利益を出す、

 無駄な経費を減らすことに向いていないことに一番の原因があると述べておられます。

 利益を出すと言うことに、どれだけ貪欲になっているかが問題です。


逆に見ると、現在の売上で利益を出すには経費をどの水準に押さえなければならないか、

そこに従業員の創意工夫の改善策が出て来る。

・利益が出たら、商品・売場開発に再投資し販売強化につなげることで好循環になる。

 折角、利益が出てもそれを投資に回さないと、売上と利益に影響してしまう。
  

先日、日本マクドナルドの店舗オペレーションの取り組みが出ておりました。

・時間帯別に何品買うお客様が何人来店されるかを予測し、

 それによって作業量が決まり、従業員の人数を割り出す。

・店舗別、時間帯別の販売量と製造量を予測する仕組みを作り、

 30分単位の時間帯別人員配置を決める。


食品スーパーの総菜においても、生産性向上は必須項目ですが、

人員配置を時間帯別に売上と作業量から決めているお店はどれだけあるのか。

作業人員がいるから商品を作り、いないから前もって余分な数量を作る。

予測する売上対し、時間帯に必要な作業量が計画され、

適正な人員配置をすることの重要性を再認識することが望まれます。


それから時間帯別に配置する従業員レベルが一定になっている必要がありますが、

これは小売り、飲食業全ての業態において投資が始まっています。

回転寿司チェーンのスシローにおいても「すし塾」を立ち上げ

社長自ら講師となって取り組んでいると出ておりました。


利益を出し成長する為に、

・コスト削減と商品と人への投資をどれだけスピード感を持って

 実施するかの競争が始まっています。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net
12年01月08日 11時32分00秒
Posted by: asahikikaku
2012年、産業景気予測が日経より出ておりました。

・百貨店は雨から小雨

・スーパーは昨年同様に小雨模様

・コンビニ、ドラッグストアは曇から曇

・ネットサービスは薄日から薄日

国内景気が改善しない中で、消費生活は時間軸を中心に便利さを求めて変化して来ています。

異業態は不景気にも強い食品関連をどんどん取扱いを増やし、

本来、スーパーがメインの食品売上は異業態に食われ減っています。

特に2012年、出店計画の勢いはコンビニにあり、

業界トップのセブンイレブンは1350店の出店を予定していると発表。

コンビニ各社は品揃えやサービス分野を広げ、

女性や高齢者など買い物に不便を感じていた客層を取り込む事で

更に成長出来ると戦略を練っています。

・攻めのコンビニ、守りのスーパーの構図になって来ました。

スーパーに攻める分野はないのでしょうか?


新年に変わり初売りは賑わい、神社仏閣にお参りする人出も増え、

新年に期待する消費者の気持は例年以上の様子でした。

景気低迷が続く中で、昨年は大きな震災を経験して、

消費者は何か明るい事、良い情報を期待する心は大きいと思います。

消費者の節約志向は続くと予想されますが、

その中で人と人とのつながり、人と社会とのつながりを

大切にする場面にはお金を使う、そのような消費構造が強くなっています。


そこで求められるのが「提案力」です。

年間のハレの日、地域の祭事や催事、食品業界が設定している00の日など

生活場面の中でどのような提案をするか、が大切になって来ます。

日々の食卓を預かる食品スーパーにおいて、

通常の売場とテーマに対して提案する商品と売場を作って行くことが必要です。

ハレの売場には新規に提案する商品が今年の店・売場のチャレンジであり、

お客様から期待される売場になります。

店が守りの営業姿勢になり、お客様から期待される商品が少なくなると、

売場に変わり映えがなくお客様の足は離れて行きます。


又、通常の売場の中においても「提案力」は重要です。

マーケティング調査にあるように、お客様の約半数は来店時に買う商品を決めていない、

来店してから売場を見て提案されている商品を買うと言うデータです。

これはお客様の中心である主婦層は今日・明日のメニューを考える買い物は

苦痛な労働になっていることだと思います。


店においてその労働の助けをどれだけ実施するかでお客様の支持が変わって来る。

・クッキングサポートコーナーを見て今晩の献立を決める

・新製品お試し、試食コーナーの注目度は高い

・商品の特徴、こだわり内容を確認して購買決定をする

・今日のお奨め品が食卓メニューの参考になる ・・・

店、売場において提案することは沢山あります。

マクドナルドの原田社長は、今年のキーワードを

「自信を持ってお客様に提案する姿勢」と述べております。

スーパーの良さを再確認し、提案力を生かし、攻める売場づくりで目標を達成しましょう。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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12年01月01日 09時03分17秒
Posted by: asahikikaku
年末商戦が終わりましたが、如何だったでしょうか。

クリスマスは3連休に恵まれ、各店好調に推移しました。

又、年末お正月商戦も海外や旅行に出かける人も増えましたが、

昨年を上回る実績を残したのではないでしょうか。


私もお店を回りまして、お正月際物商品の動きは

・年越しそば用天ぷら

海老天、海老かき揚が揃って¥298前後の価格で販売していましたが、

売れ行きはもう一歩のお店が多かったのではないでしょうか。

売価が通常の2倍になり、冷凍プリフライを使用している為、

見映えはあまり美味しそうには見えません。

店内仕様で揚げているお店やイカ天を品揃えしているお店もありますが

そのお店は間に合ない位に好調です。

*今後、お客様の価値観に合せて少しずつ変化して行くことが必要です。


・おせちセット

おせちは予約のお重セットに押されて店頭販売の簡易セットは毎年苦戦です。

簡易セットはどうしても内容が佃煮おせちに片寄り、人気がありません。

店頭おせちセットは伝統を残しながら、現代ニーズに対応する仕様の変更が必要です。

*オードブルとして食べる感覚のおせちは如何でしょう?


・オードブル

スーパーは唐揚やフライが中心のオードブル、

百貨店の専門店はサラダを中心にした冷菜オードブルですが、

店内製造に手間がかかる為内容の改善が進みません。

*今後はベンダーとキット化を進め、揚げ物比率を押さえたオードブルの開発が望まれます。

又、先の和風おせちオードブルを検討する必要があると思います。


店頭において、夕方16時以降のピーク時間に商品の製造が間に合わない状況がまだ見られますが、

この不景気の時代にチャンスロスは大変もったいないことです。

特にお寿司盛合せ等に見られますが、この現象は以前から続いており、

事前に作業時間の計画を再度見直すことが必要です。


年が明けて、2012年の中食・総菜市場について、

百貨店でRF1を展開するロック・フィールドの岩田社長は

・現在8兆円と言われる市場は近未来に2倍の15~16兆円に拡大する。

 そこで「家庭で食事する楽しさ」の提案が重要になり、

 高齢者など個人の食卓にどう商品を届けるかが課題になる。

 今後はメーカーと小売り、宅配や外食の持ち帰りサービスなどの

 総菜ビジネスが共存してく事になると述べています。


外食が縮小し、内食関連商品も頭打ちになっている現在、

中食・総菜市場の拡大が業界の希望の星になっている。

家庭で食事する楽しさを実現させる為に、中食・総菜関連事業に携わる者の役割りは大きい。

・店頭で販売している惣菜、弁当、寿司などは進化しているでしょうか。

 スーパーにおいては消費者ニーズに合った商品開発が重要でしょうし、

 専門店においても価値観に納得してもらう商品提供が必要だと思います。


スーパーの惣菜の強みは店のバックヤードの調理作業室を持っている事。

そして温かい商品を販売出来る事はコンビニや百貨店専門店には出来ない事。

惣菜製造は作業工数がかかり過ぎて売れるけれども儲からないから、

アウトパック惣菜を増やしていく流れは、

スーパー総菜の差別化にはつながらないと思っています。

逆にコンビニや百貨店は店内調理総菜を強化して来ることでしょう。


お店の業態に合せて、売場にあれもこれもと品揃えを拡大することでなく、

自店のドメインを更に深めていくことが

消費者の「家庭で食事する楽しさ」の実現に寄与することになると考えます。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net

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