2011年 12月の記事一覧

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11年12月25日 11時47分14秒
Posted by: asahikikaku
2011年、クリスマス商戦のピークが終わりました。

今年は3連休とあって各地のスーパー、百貨店、コンビニも賑わっていました。

特にコンビニはフライドチキンなどの店内製造を拡大した中で、

Xmas期間中は10~20円引きセールを実施し、

又、チキンの品揃えを広げたり、まとめ買いのBOXを用意したり、

販売強化で効果を上げていたようです。


その点について、スーパーや百貨店はどうだったでしょうか?

・スーパーのローストチキンレッグは国産のウェートがより高まり、

 国産レッグのみのスーパーも広がりました。

 まだまだ輸入品を拡大している店もありましたが、効果はどうだったでしょうか。

 国産ローストレッグの値頃は¥498ですが、イオンでは仕入力を生かして今年も¥398で販売、

 又、大サイズを¥580の価格帯も好調でした。

・フライドチキンはコンビニと変わらない中、今年は骨付きムネ肉のフライドチキンが広まりました。

 これはイオンが数年前から拡大していた商品で、味付けを変えながらFF同様売込みました。

・寿司は手鞠寿司やロール寿司を組み合わせた、子供が喜びそうな寿司セットが広がり、

 今後、雛祭りなどのハレの日に拡大する予感です。

・米飯ではパエリアの拡大です。

 食卓を飾る主食として、個食からファミリー対象まで良く売れて来ました。

 鮮魚売場の材料から冷凍食品まで品揃えが広がり、今後も拡大が期待できそうです。


・百貨店の専門店オードブル(冷菜)の価格帯が上がって来ていますが、

 中味は見映え重視で価格に味・品質が追いついていないように感じます。

 Xmasだとチキン総菜に関係ない店までチキンを品揃えしていましたが、

 内容に無理が出てしまいます。


百貨店市場が15年連続で縮小している。(12/20日経)

1~11月までの売上累計5兆4200億円で前年比2.4%の減少。

売上規模は08年でコンビニにも抜かれ、コンビニの売上は1~10月で6.2%増に対し、

百貨店の客離れが深刻になっている。

百貨店に入店している専門店は賃貸料を払って、

尚自店の利益を出すためにはそれ相応の値入が必要ですから当然売価は高くなり、

商品に差別化出来るブランド価値観を見えだせない店は苦しい。


コンビニが生鮮・総菜の強化によって、食品スーパーの客層を奪って伸びていることから、

スーパーも「マルエツプチ」「まいばすけっと」など50~150坪小型店の出店を拡大し、

高齢化の対応を首都圏で拡大していますが、

今後の食生活から百貨店の専門店品揃えから取り入れる商品と

売り方をモデリングすることが必要です。

・プチぜいたく品と言われるようなワングレードアップした品揃えの導入。

・週末やミニハレ(00の日)などにこだわりを持つ品揃えの導入。  

・そのような高単価商品はサイズを小分けし、セールスポイントをPOPで訴求。

消費者は平日と週末やハレの日の食卓に違いを求めており、

今、スーパーのセルフサービス売場に必要なのは提案する売場と品揃えではないでしょうか。

専門店の品揃えと売り方の良さを導入することで

スーパーの客層拡大を狙う政策が必要です。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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11年12月18日 11時37分36秒
Posted by: asahikikaku
2011年も残すところ2週間となって来ました。

クリスマスの予約は最終スパートに入りました。

おせちの予約状況は各社、好調に推移しているようです。

百貨店、スーパーやコンビニは勿論ですが、今年はネット専門店が売上を伸ばしています。

安心野菜を宅配しているオイシックスのおせちは前年比5割増と好調。

オイシックスのおせちは全国各地の安心野菜を食材に取り入れ、

料亭の料理長経験者が監修しているのが特徴で和洋折衷型おせち。

又、料金の全額返金サービスもネット販売おせち予約に安心感を与えている。


おせち予約は好調でも、消費者心理は慎重です。

11月の日経消費予測指数は84.7と前月に引き続いて横這いです。

08年のリーマンショックから100を下回った予測指数は、

回復基調にあるものの経済見通し不安から平日の節約志向は続きます。


そのような中、国内各地において異業態間競争が活発になって来ました。

・ホームセンターのナフコは12月に

 生鮮食品以外は食品スーパーと変わらない品揃えの店をオープン。

・ローソンは生鮮食品を揃えるローソン100の出店を増やしています。

・コスモス薬品やカワチ薬品等のドラッグストアは食品の品揃えを充実し、ディスカウントを強化。

・トライアルやMrMAX等のディスカウントストアは生鮮食品の品揃えを拡大し、

 食品スーパー化を進めています。

各地の限られたパイの中で、最後の砦は食品、生鮮、デリカを

業態を問わず奪い合う構図がハッキリとしてきました。


日経産業地域研究所の調査によると、

食事において季節感や行事、ミニハレをプチ贅沢に生かす人を、

「シーズナリスト」と呼び、女性に多く増えていると報じています。

・彼らは行事食や旬の食材を使う料理、記念日の食事を大切にし、

 食事を楽しむ意向が強い。

・シーズナリストはクリスマスケーキ、おせち料理、年越しそばなど、

 行事食を大切にし、家庭料理で楽しむ。

・シーズナリストは家庭料理志向が強いだけに、季節のレシピや

 メニュー提案などを打ち出すことで商機が広がることが出来そうだ。


店、売場で何を提案するか?

セブン&アイHDはイトーヨーカ堂に百貨店のそごう・西武の売場を導入する。

改装オープンする「アリオ松本」の衣料品売場に百貨店系アパレル専門店を開設。

又、そごう・西武の売場にはスーパーやコンビニのPB商品「セブンプレミアム」など

を取り入れ、売場が拡大してきている。

異業態から攻められるスーパーは異業種からの売場、商品を導入し、

巾広い客層からの支持を得られるように改革を進めている。


食品スーパーの新たなチャレンジとしてオープンしたサミット成城店。

・鮮魚、精肉の店内調理の惣菜売場

・惣菜の大皿計り売りと米飯・汁物のセルフバイキング販売

・青果の計り売りと蒸し野菜を取り扱うサラダコーナー

成城地域の客層に対し、小人数世帯を狙った売場づくりは出足好調と報じている。


食品スーパーも惣菜売場も攻められたら、攻め返すことが必要だ。

商圏の消費者に対し、

・こんな商品があったら売れる

・こんな売場や売り方をしたら販売数を伸ばせる

新たな仮説を持ってチャレンジすることが求められている。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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11年12月11日 11時22分17秒
Posted by: asahikikaku
2011年、日経MJヒット商品番付が発表されました。

何といっても、3月の大震災は消費者の生活に大きな影響を及ぼし、

ヒット商品番付にも変化が表れています。

・東の横綱にはアップル、西の横綱は節電商品となり、

震災によって東北応援やコンビニ移動販売は新たにスタートしました。

そして、震災による消費者の心に芽生えた「結びつき」「絆」が

フェースブックやソーシャルゲームなどの個人交流サイトへ広がりました。


食品関連で見ると

震災による節約消費によって、外出を控え家で食事を楽しもうとする内食の動きが

健康志向を取り込み広がった。

日経MJによると、

・健康機器メーカーのタニタが発行した社食のヘルシー定食メニューブックがヒットし、

・ローソンと開発した500Kcal以下で塩分や油分を押さえた弁当が人気を集め、

・森永乳業と共同開発した100Kcalのプリンが計画の2倍の売れ行き、

その他

・コンビニが揚げ物、煮物などの惣菜を強化し、スーパーの替わりにコンビニ惣菜が広がった。

・ビール各社が揃って発売したノンアルコール飲料は家飲み場面を広げ、

 その他のアルコール飲料にも広がりつつある。


食品メーカーと小売りや外食とのコラボはこれからも益々広がり、

顧客情報を共有化しながら商品開発拡大へスピードアップしそうだ。

・レシピサイト大手のクックパッドは東急ストア、ヤマナカやオオクワなどと連携し、

 スーパーの顧客にレシピを紹介するなど、

 又スーパーは人気レシピの食材を店に展開するなど、コラボは拡大していく。


その他、大震災は放射能汚染を引き起こし、消費者の安全安心意識を強めた。

消費者の安心感は定番商品を求める方向へ向かっている。

・日清カップヌードルの味をご飯で再現した「カップヌードルごはん」がヒットし、

・「はちみつレモン」の味がサイダーに広がり

・ポン酢をゼリー状に固めた「ポン酢ジュレ」が話題になった。


定番商品はメーカー品に限らず、インストア惣菜にも言えることであって、

・コロッケ、トンカツ、メンチカツ、鶏唐揚、煮物など、

お客様からの支持率を上げていくことが店の存続に大きく関わっていると言える。


大震災による消費者の心理的要因からヒット商品番付に表れたように、

今後のスーパー惣菜において新たな課題が出て来ている。

・惣菜についてはコンビニとファミレスが競合店として大きく取り上げられて来る。

 すでにメーカーのおにぎり、弁当、サラダ、麺、スナック類の商品力は

 コンビニの方に優位性がある。

・寿司については回転寿司チェーンがスーパー寿司の領域に入って来た。

 105円均一の寿司から季節の生ネタや仕入力を生かした原料調達では

 スーパーの価格帯で高品質の商品を提供している。

スーパーの惣菜はこれら異業種競合を意識し、

自店のドメインを更に強化することが求められている。 


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11年12月04日 10時22分18秒
Posted by: asahikikaku
2011年も残すところ1カ月を切るところに来ました。

小売り各店の販促合戦も熱を帯びて来ました。


経済協力開発機構(OECD)は28日、2012年の日米欧などの経済見通しを発表。

・日本は12年の中頃にかけて、国の復興支援が景気回復をけん引する為、

 同年の成長率は2.0%と予測と、前より少し下がりました。

・一方、米国は3.1%から2.0%に引き下げ、

 ユーロ圏は0.2%と今後の非観シナリオが示された。

2012年は世界景気の底を確認する、今年と同様に厳しい年になりそうです。


その中、小売り企業トップから今後の成長戦略についてコメントがあった。

・Jフロントリティリングの奥田会長は、

 百貨店の市場縮小は続く、今までの都市型百貨店の出店余地は残っていない。

 今後、人口減少が続く中で百貨店だけでは成長出来ない。

*その為、百貨店以外(スーパー・通販・・)に投資を拡大していく。


・大手卸しの国分は「問屋国分ネット卸」に小売り店が仕入れたい商品を揃え、

 ネットで注文して、国分グループの物流拠点からヤマト運輸で全国に届ける。

 会員は無料で、AM11時までに注文すれば翌々日には納品される。

*卸しが取り組むBtoBの新しい取引が始まっている。


・イトーヨーカ堂が新たなGMSの再生に取り組む。

 外部専門店の導入、百貨店の接客販売ノウハウの取り入れ、

 衣料品で「移動集約」と呼ぶ、時期で売れ残り商品を各店から集め、

 各地の与件や販売力のある店に移動して売り切り、値下げ削減につなげる。

*この移動集約は「しまむら」などが前から実施し、効果を上げている。


又、商品戦略において、大手スーパーはPB商品の強化を取り上げ、

・イオンは主力の「トップバリュ」と低価格の「ベストbyトップバリュ」、

 高価格帯の「トップバリュセレクト」について、それぞれ3~5倍に増やす。


・セブン&アイは高価格帯PBの「セブンゴールド」を5倍に増やす為、

 グループ各社で取り扱い強化する。

その他、食品スーパー各社もPB商品強化に取り組み、利益確保を図る。


マーケティング会社が総菜の購買分析について実施した内容の結果は

・食品スーパーでの総菜購入者の過半数は

 「初めから総菜を購入するつもりはなかった」

 「売場の条件次第で購入を決めた」

・総菜の購入は家庭で作る「食材費」+「手間代」と比較し、

 味、サイズなどからお得と感じれば購入する。

・年代が高くなるにつれて、総菜の購入金額も高くなり、

 価格以外の味やサイズ、安全性などの要因が増えて来る。


これは

・総菜購入要因が売場での衝動買いで決められていること、

 従って、売場における打ち出し方、見せ方が売れ行きに大きく左右する。

・当日消費の総菜は美味しいから、お得だからと言って、

 家庭の人数、消費量と合わなければ購入を見送る。

 節約の時代、客層にあった容量サイズが重要になっている。


今後も続く高齢化時代、家庭に占めるテイクアウト総菜の位置付けは

ますます大きくなり、競争も激しくなりそうだ。




今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net
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