先日、ホームページビルダーを整理していると以前書いていた「ボスの独り言」という非常に懐かしいブログが出てきた。
とうに消していたはずなのだが。。
 
創業当時から12、3年位前までホームページ内にあったブログで掲載していたものだ。
 
当時結構人気があって(笑)「ボスの独り言を見て電話しました」などの声もありました。ハイ。
しかし、当時からめんどくさがりの当方がある日突然やめた。
確か30~40話ぐらいは書いた記憶があるのだが、見つかったのが何故か3話だけ。
でも、懐かしいしせっかくなのでアップします。
 
当時とは諸事情も異なり、カットさせていただくところもありました。 ※<>のくくりは今回手を加えたものです。ご了承ください。
 
では、

 

 

地獄を見た男

K市まで素行調査に行っていたSが帰ってきた。今年に入りなぜかワイズの調査部に調査依頼が急増しており、Sはハードな日々を送っているが顔色も良く元気そうだ。

Sは調査部のエース的存在だ。この人は、ほんとに生真面目に仕事をするので、お客さんからの評判がすこぶる良い。
あなたがもし、ワイズに調査依頼をしたとして、Sが担当責任者になったら俺はラッキーだと思う。愛想もよく自身がいろいろと苦労してきた分、相手の立場になって親身に相談に乗り、車の運転に関してはプロ級だ。
今まで一度たりとも対象者を見失ったり、マカれたりしたことがない。

車の運転と言えば、以前ワイズでデータ調査の加盟店を募集したとき加盟希望者でこんな人がいた。この人はワイズに加盟希望する前、他社調査会社に300万のお金を支払いフランチャイズ加盟店になったそうだ。
研修もしっかりと受けて最初に来た調査依頼が浮気調査で、調査会社のマニュアル本にしたがい車で移動する対象者を自身も車で尾行していた時、横断してきた人を轢きそうになったらしい。
この時は、間一髪で轢かないですんだのだが、車の中で震えが止まらず、対象者も見失ってしまい、もうそれっきりその時の調査はもちろんのこと、フランチャイズ自体を辞めたそうだ。

「いやぁ、支払いした300万は痛かったんですが、あのままあの会社で調査業を続けていたら、私は間違いなく大事故を起こしていました。そう考えたらもう諦めはつきました。御社ならデータ調査ですし、これなら出来そうだと思い加盟を希望しました」

「あのう・・・あきらめついたって300万・・。 それと・・・ウチは他社と差別化する為にデータ調査としてますが、データで出ない調査はやはり通常の調査になるんですけれど・・・」
目で対象者の車を追い、回りの状況も瞬時に把握しなければならない車での追跡は、ほんと難しいものがある。
Sは最初から抜群の腕を持っていた。

今は元気なSを見て俺は数年前の出来事が頭を過った。

実はこのS、最初はワイズの調査希望ではなく、保証コンサルタントの保証人引受者になりたいと事務所へやってきたのだ。
年収650万円、2部上場企業へ18年勤務、役職付き、借金なし、金融機関での事故歴なし、保証人引受者申込書に記入した内容をみると申し分ない。ただし、ローンの保証人だけにはなりたくないとのことだった。
賃貸や就職の保証人だけでもウチとしては願ったりの条件だった。

主に賃貸マンションの保証人として仕事を数件難無くこなし、保証引受者として慣れてきたある時、電話で話をしてたSの様子がどうもおかしい。
以前、保証人引受者申込書に記入していた時、奥さんと別居していて現在離婚へ向けて話し合い中だと聞いていた俺はそのことで元気がないのだろうと思い、Sにさりげなく聞いてみた。

「Sさん、なんか元気ないみたいだけれど、なんかありました?一応俺もさコンサルタントの端くれやからさ、なんか困ったことがあるなら遠慮なく相談してよね!俺のギャラはほんとは高いけど、Sさんならいらないよ(笑)」

俺の軽口にはSは答えず、ひと呼吸おいてこう言った。

「実はカネが大至急いるんです。Kさんを紹介してもらえませんか?」

Kというのは俺が金融屋時代の時からの仲間だ。俺より1つ年下のKなくして金融屋時代の俺は語れない仲だ。その時期Kは長年勤めたある金融会社から独立したばかりの時だった。
それで俺は仲間や関係者にKの店の宣伝をしていた。
まさかSがKの所でカネを借りたいなんて夢にも思わなかった俺はSに言った。

「あのねSさん、Kの所は金利が高いの!Sさんが利用するような所ではないよ!」
俺はKの所を宣伝はしていたが、それは知人などで誰かカネが必要な人がいたらKの所を宣伝してくれという意味であって、Sが利用するなんて考えてもなかった。

「いやカネがいるんです、カネが・・・」

Sの声が震えていた。ただごとではない。

「わかったSさん、今日事務所にいつでもいいからきて、とにかく会って話しましょう!」 

Sはこの時、この世の地獄を見ていた。
それは、当時蔓延しだしていた悪魔のようなヤミ金融屋達の手によって・・・
 
 
 
悪魔の手口

奴らの手口はこうだ。
電話をかけてきたSに審査をするといって巧みに会社や実家、兄弟の連絡先、親兄弟の勤務先まで事細かに聞き出し、最初は1万から2万のカネを振り込むからそれを返済して実績を作ってくれと言う。
その後は希望通り、30万でも50万でも安い金利で貸すからと言って。
律儀なSは奴らの要求通り3日から一週間後に高い金利を付けて返済するのだが、実績を作り金利が安く借り入れ出来るどころか、返済したはずの業者からあくる日、何食わぬ顔で「まだ残金がある、カネ返せ」と電話がくるのである。
当然、Sは拒絶する。
「銀行に返済した領収書もありますよ。警察にいきますよ」と。
拒絶した時から、Sの職場や保証人なっているわけでもなく、なんの関係もない実家、兄弟の家、兄弟の勤務先まで暴力的な口調での電話攻撃を開始するのである。
それは、雨あられのように何回も何回も無数に・・・。

この時から、もうめちゃくちゃになった。
Sの職場や兄弟の職場まで返済を求める電話が切っても、切ってもかかってくるのである。
電話の声は尋常ではなく、発狂しているとしか思えないものだった。
会話にもならず、ただひたすら「カネ返せ」「お前の家、実家に火をつけるぞ」「子供をさらうぞ」・・と繰り返すのだ。
家、実家への電話なら取らないことも出来るし、ナンバーディスプレイという方法だってあるが自身や兄弟の職場への電話にはほとほと困り果てた。
事実、Sの弟さんは介護福祉士をされていたがSのこの件での電話により、長年勤めたデイケアセンターを辞めざるをえなくなってしまった。

Sは当然、警察にも相談に行った。
しかし、警察の対応は「相手は特定できない」「電話を取るな」「無視しとけ」等といった何の役にも立たないものだった。
警察に相談している最中にもSの携帯に催促の電話がかかり、刑事さんに電話へ出てもらったのだが「捕まえられるなら、捕まえてみろ」と挑発を繰り返し話にならなかったそうだ。
また、ダイレクトメールにあった住所に内容証明も送っていたが、あて先不明でことごとく返送されてきていた。

返しても返しても電話は止まず、奴らの要求はどんどんエスカレートしていった。

このころには、いろいろな所からカネの勧誘の電話も次々と来ていて、パニくったSは催促の電話を止めるために手を出していった。
また、Sが知らない間に勝手にSの口座に数万円のカネが振り込まれ、その返済も高い金利をつけて求めてくるのだった。
俺が電話をする前日には、ある所から「三十万払えば、全てウチで解決してやる」と電話があり、Sは三十万振り込んでいた。当然、それで収まるはずもなかった。
奴らに取ってこんなにおいしいカモはないのだから・・・
言われるままに信じて支払っていったS自身もこの時は尋常ではなかった。

これ以上話を聞く気にもなれなかった俺は話を遮りSに言った。
「で、Sさん今、請求してくるところは何社くらいあるの?」

Sは小刻みに震える手でポケットからシワになった紙切れを俺に渡した。
そこには、23社の会社名と電話番号が書いてあった。
 
 

悪魔 VS 先生!?

渡された紙切れを見ながら俺はSに言った。
「Sさん、これ俺がなんとかするよ・・・」そう言葉が出た後、しまったという気持ちも過ぎったが後の祭りだ。俺だってこんなカネにもならない、メンドクサイ事はまっぴらだ。
しかし、Sをこのまま帰すわけには行かなかった。

うつむいているSに向かって俺は言った。
「まず、明日から会社を休む手続きを取ってください。まぁ出来たら一週間ほど。どうせ出社しても仕事にならないでしょう。それから明日からここの事務所に来てください。とりあえず今日これから俺も作戦を考えて、今後は俺が相手と交渉するから!」

「・・・・わかりました。明日の朝一で上司に相談して昼まで位にはこちらに来ます。ほんとうに申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。」
Sの顔が心なしか赤みをおびたように感じた。

これから家族会議が実家であるというSを見送り俺は事務所のソファに崩れるように寝転んだ。
(こいつら一体何者なんだろか 本締はどこなんだろうか)
(俺が何とかするといったけど、どうやって交渉するんだ ワイズの仕事にも支障が出るんじゃないのだろうか)
いろいろなことが頭を過ぎってきたが答えはでない。
判明している携帯番号だって、どうせ飛ばしの携帯、調べても相手までは行き着かない。
住所だっておそらく架空のものか、もしくは私書箱だろう。
それに調べているそんな時間だってない。とにかく一刻も早く奴らからの電話を止めなければSは職場から懲戒解雇になりあとは夜逃げするしかない。
しばらく考えたが良い案は浮かばなかった。

(俺が盾になって奴らの的になり、交渉するしかない)
出した結論はそれだった。
ここで少し俺の過去を話そうと思う。
まさかとは思うが俺のことを正義の味方みたいに勘違いされたら困るからだ。
俺は20代の時に金融系の会社を経営していた。
<※原作にはこの後4行文面があるのですが、スタッフからとめられましてカットとします。ご了承ください。。>
それと同時に時計屋、カラオケ屋などもしていた。表の顔は時計屋やカラオケ店のオーナーで・・<以下カット>
 
派手に活動していると同業者やあっち系の人たちから電話がかかってくる。
「誰に断って仕事しているんじゃコラ!潰すぞ」こんな電話は日常茶飯事の事だった。
俺は同業者とはバンバンやりあったが、ウチが負けることも潰されることもなかった。
ある時、電話があったお客さんの様子があまりにもおかしかったので問いただしてみると
<※原作にはこの後3行文面があるのですが、こちらもスタッフからとめられましてカットとします。ご了承ください。。>

しかし、Sの件のこいつらのやっていることや今の振り込め詐欺なんて話にならない。
これらは詐欺であり姑息な騙し以外のなにものでもない。
俺は”少々”高い金利で貸していたかも知れないが全てはお客も納得していて、しかも、頭を下げて望んでのことだ。
ブラックリストに載っているような人間に貸すのだから金利が高くなることはしかたないことだと金融を止めた今でも俺は思っている。

だから、いま俺が過去を振り返っても反省すべきことは沢山あるが後悔はない。
俺は卑しいことをやってきてはいないと思っている。それは言ったことはやってきたし、話が違うなんてこともしてきていないからだ。
当時から悪い会社は沢山あったが俺は「騙される方が悪い」と思っていた。いや、今でもどこかでそう思っている。
これだけテレビでも振り込め詐欺の被害は多く流れているのにそれでも騙される。どれだけ緊張感のない生き方をしてるのかと疑問にさえ思う。
しかし、今の俺は別に偽善ぶるわけではないが「騙されないでほしい」とも強く思っている。

いろんな事が頭を過ぎり数時間が流れた頃、Sから電話があった。
家族会議で帰省した所、いきなり弟さんから殴られたそうだ。

「当然だろう」
 
と俺は言った。
そしてSが自分の身内と話してほしいとのことで
お姉さん、弟さん、最後にお母さんと順に話すこととなった。

最後に話をしたお母さんは俺に切実に現状を訴えて最後にこう言った。
「先生しかもう頼る所はありません。なんとか助けてください。」
 
せ・ん・せ・い
 
俺はこの言葉が嫌いだ。
たまに勘違いしたお客さんからそう呼ばれることもあるが何時でも即座に否定している。
だいいちそんなキャラでは絶対にないと自信を持って言い切れる。
しかし、この時ばかりは俺の心に響いた・・・。

「分かりました。私がなんとかします」
俺は即座にそう答えていた。

(もうやるしかない) 
電話が終わったあと俺はすぐに専務に連絡した。
専務は俺を長年支えてきてくれた男だ。俺たちはワイズ以外にも今までいろいろな事業を起こしてきた。
俺より11歳上の専務は、俺とは正反対で見た目や話し方などは銀行員か役所で働いた方が似合いそうな風貌をしている。性格も感情剥き出しの俺とは正反対の男だ。
しかし、その外見とは裏腹に平坦な道はけして歩もうとはせず、波瀾の道を好んで選ぶ「不思議な男」だ。
ちなみにこれは口止めされていたことなんだが、この男、今は亡き昭和の超大物喜劇スター Y ・Tの最後の弟子だった過去がある。<※この部分のカットを強く望む声が約一名からあがりましたが、当方の判断でそのまま掲載>

専務に事情を話し明日からしばらくこの件で動くことを伝えた。
専務は何も言わず「分かりました」とだけ返事をした。

(いつも面倒事ばかり持ってきてごめんな)

俺は心の中でそうつぶやいた。

 

 
以上です。

え、続き?
 
「・・・」
 
ここで終わりなんです。。
 
ほんとはこの後クライマックスなのですが...
 
 
この後に続く題名は今でもしっかり覚えています。
題名は「春が来た!!」
 
Sが職場を辞めワイズの調査で働き出したこと
そして、若い女性と再婚したこと
もちろん、Sの件を全て解決したこと...
 
等を、書いていたのですが、隅々まで探したんですが見つかりません。どうやっても。。
 
ただ、久々に創業当時のブログをみて、当方も改めて初心?に帰れました。
当時30そこそこの真面目さだけが取り柄の小僧が書いたモノなので、文章力が乏しい
(え、今もあまり変らない...   ま、またまた)
箇所も多々あったことと存じますが、
 
当時から変らぬワイズの雰囲気みたいなものを少しでも感じていただけると幸甚です。

 

 

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