「足らないと、無くなる」
≪お客様へのサービスが料金に見合わないときに、客室備品は盗まれる≫の意です。

我々がコンサルに伺うと客室の備品がとても安物ばかりな事があります。
中には、まったく客室のデザインやグレードにそぐわないケースも見かけます。

お店のスタッフさんに「コレはちょっと悲しいね」と話しますと
「ですよね。でも、前はこんなんじゃなかったんですよ」と言われます。
大抵の場合は、昔改装した時などに客室備品も新調しているのですが
そのご、ちょくちょく盗まれるようになって、経費もかかることから
段々と、安物に変えてきたようですね。
不思議な事に、これらの備品がなくならなくなった頃には
売上げは落ちてしまっているのが普通です。

では、どこのホテルでもそうなのか?

そんな事はまったくありません。
無くなるホテルでは、素敵でも高価でもない備品もなくなりますが
逆に、素敵な備品を置いても全然盗まれないホテルもあります。

この違いは、どこから来るのでしょう?

先ず「低価格ホテルでは、物がなくなりやすい」と言えます。
そして「あまり忙しく無いホテルでも物がなくなります」
なのに「忙しくて儲かっているホテルの方が、物がなくならない」のです。

この事から、ホテルの人気と備品盗難率などには関係があることがわかります。
つまり〔人気がある〕→〔忙しい〕→〔儲かっている〕→〔盗難が無い〕
ソレと〔人気が無い〕→〔ヒマである〕→〔儲からない〕→〔盗難が多い〕
の2パターンが存在するのです。

また、壁や床に傷つけられる事故頻度も同様の傾向を示します。

〔人気があるホテル〕の要素はたくさんありますが、代表的なものとして
「提供されるサービスと支払い価格のバランスが良い」と言う事があげられます。
ここで申しあげているのは「安い」と言う事ではありません。
「バランスが良い」と言う事です。

なぜなら「価格が安くても、提供されるサービスが満足できないホテル」は
人気が無いからです。
もちろん「価格が安くて、期待を大きく上回るサービスを提供するホテル」なら
人気は獲得できるでしょうが、収益を確保する事は困難でしょう。

客室備品がなくなるということは、人気が無い事と共に
「価格が提供サービスに見合わない」問う事を指します。

今時、どなた様でも本当に欲しいものならすでに買っています。
つまり『一人前の高い値段取るくせに、このサービスはナンだ』
『何か、盗んで困らせてやろう』と腹いせに何かを持ち去る方が多いのです。

そして、持っていくものさえなければ、汚すか壊すかするのです。

もしかすると、せっかく改装したのに清掃が不足していたのかもしれませんし
料理の提供に長くお時間を頂戴したのかもしれません。
そんなご不満の解消が出来ないで居たから、備品の盗難が連続したのでしょう。

その不備を解消せずに、備品のグレードを下げて客室とのマッチを崩しては
余計に、お客様のご満足は得られません。
その結果、売上げの低下を招いたとは思われませんか?

客室の備品盗難が多かったり、室内を破壊や汚損されたりする事が度重なるなら
提供サービスが価格にそぐわないのではないと点検なさるべきでしょう。

ただし、だからと言って安易に価格を下げる事は避けましょう。
値下げや割引に逃げる事は経営努力といいいませんよ。


さて、感想はいかがだったでしょう?
「おもしろい」という方も「つまらん」という方もおいででしょう。

所詮は「当たるに然る」、つまりは当然極まりない事ですから
知っていられる方にとっては「全く詰まらん話」なのです。
もし「これは、面白い」と思ったら、それが問題点かもしれません。

では、また次回をお楽しみに・・・・ラブホテル繁盛請負人 平田壮吉
http://www.hos-spiral.com