今、「僕の歩く道」というテレビドラマが放送されているのをご存知でしょう
か(毎週火曜夜10時、フジテレビ系)。
自閉症という障害のため、10歳程度の知能しか持たない31歳の青年の話で
す。彼は動物園に就職し、一生懸命働いています。
周囲の人間は、当初、彼とのコミュニケーションに戸惑いました。しかし、徐
々に彼の特徴を知り、彼との接し方に慣れ、スタッフの一員として彼を受け入
れていきます。

このドラマは、障害者雇用に関するさまざまなポイントを教えてくれます。
いくつか挙げてみましょう。

●トップが強いリーダーシップをとる
ドラマでは、動物園の園長が、「障害者雇用を企業が理解し協力するのは当然
だ」と話しています(当初はこの園長は偽善者として描かれていましたが)、
現場のスタッフに対してその意味を明確にし、職場内でコンセンサスを得てい
くことは大切です。

●担当業務を明確にする
ハンディがあるということは、どうしても「できないこと」がある、というこ
とです。「できること」と「できないこと」について見極めた上で、現実的に
どんな仕事ならできるか、を明確にすることが必要です。

●担当者をつける
現場では、仕事を教える担当者をつけるとよいでしょう。新入社員に先輩社員
がマンツーマンで指導する、いわゆる「ブラザー/シスター制度」のようなイ
メージです。
ドラマでは、後輩スタッフが丁寧に指導をしています。また、先輩スタッフも
少しずつ高度な仕事を教えようとしています。

●キャリアアップへの道筋を示す
障害があっても、より上を目指したい、と思う気持ちは変わらないでしょう。
自閉症を初めとする知的障害の場合は特に、裏方の単純作業を担当することも
多いのですが(ドラマでは、動物の餌となるリンゴを切る作業をしていました)
お客様への動物の説明など、少しずつ仕事の幅を広げるように、周囲がサポー
トしています。

●家族や主治医との連携を保つ
以上のことは、家族や主治医が、就労に当たって適切な助言をしていたからこ
その結果でしょう。ドラマでは、母親が「働くことは大事なこと」という姿勢
を、本人に伝え続けています。

ドラマのなかで、「そばにいる人間がどう接するかで、彼の可能性はどんどん
広がるんだな」というセリフがありました。これが全てを物語っているのでは
ないでしょうか。
こう考えると、障害者の持っている可能性を引き出すというのは、一般と変わ
りありませんね。
 
厚生労働省によると、今年の上半期は、障害者の就職件数が過去最高になった
そうです。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/11/dl/h1114-1a.pdf
景気の回復によるところも大きいようですが、これが真のノーマライゼーショ
ンにつながるのか、見守りたいものです。
12月3〜9日は「障害者週間」です。この機会に改めて障害者雇用について
認識が深まることを願います。

メールマガジン「【夢をカナエル】 企業経営に役立つ52の法則 12月
8日号」からの転載です。
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