先日の新聞で、厚生労働省がパート社員への厚生年金適用について見直し作
業に入ったと報道されました。現在は、正社員の4分の3(週40時間の事
業所では30時間)以上働いている人が対象になっていますが、これを20
時間以上働いている人にまで拡大しようということです。

この点については、2004年の年金制度改革の時に論議されましたが、パ
ート社員の多い業界などの反対で、見送られたものです。その際には、20
09年度に再検討することになっていましたが、安倍内閣の「再チャレンジ」
政策の一環として、2008年度からの前倒し導入が検討されています。

これが仮に導入されると、新たに300万人の人が厚生年金に加入すること
になり、経済的には、サラリーマンの妻以外はパート社員本人の負担が減り、
代わりに企業の負担が増え、本人の年金額は増えるという構図です。

また、健康保険についても現在は厚生年金と加入条件が同じになっています。
これもあわせて適用が拡大されると、企業としては、対象となるパート社員
に支払う賃金の1割以上に当たる金額が、保険料として負担増になります。
「いざなぎ超え」の景気拡大の流れの中で、収益の回復が遅れている中小企
業としては、税金と違って赤字でも負担せざるを得ないこのような費用は、
大変重く感じるものですが、そのへんに配慮した経過措置なども検討される
ようです。

来年2007年から団塊世代が続々と60歳定年を迎えます。雇用延長など
で当面はつなぐとしても、いずれは労働力不足の時代になります。そのとき
に「信頼できるパート社員」を確保できるかどうかは、企業にとっても重要
な問題です。上述の適用拡大が実施されると、2008年からは、「社会保
険完全適用」かどうかが、パート社員を確保し活用するための、企業のセー
ルスポイントの一つになってくるでしょう。

メールマガジン「【夢をカナエル】 企業経営に役立つ52の法則 11月
24日号」からの転載です。
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