今順調であっても、未来永劫同じような条件で事業や商売ができる訳はないと考えておいた方が良いと思います。例えば事業承継でも事業を引き継ぐだけでは正直厳しいと思います。10年後、20年後今と同じ経営環境ではないからです。

昔、ある経営者の方がこんなことをおっしゃっていました。
「武内さん、今の事業がもし難しくなれば、3つくらい次の事業を考えているんですよ。」とおっしゃいます。

その方は、数十店舗展開されていて順風満帆の時です。常にリスクのことを考えられ、売っている商品やサービスは違っても生き残っていくため、事業を継続するためのことを考えておられました。

それもあれをやりたい、これをやりたいというレベルではなく、事業計画書にまで落とし込んでおられました。

順調な時や少々業績が下がっているくらいの時では、このような発想がなかなかできません。まさか今の事業が急にダメになるなんて誰も思わないでしょう。

しかし、このようなリスクのことを考えておくのが経営者の仕事だと思います。今の事業や業界がどうなるかなんて誰もわかりません。小さな問題が発生したために、事業そのものがおかしくなることもあります。

どこまで先のことを考えることができるか、それが大事だと思います。ただし、このような話は、従業員の方や周りの方に話すことはできないです。信頼のおける方にだけ、もしもの時を想定して相談する必要があります。

クライアント先の方でも親密な関係になってくると、このような相談をよく受けます。もしもの時の事業に事業性があるかどうか、収益性があるかどうかアドバイスを求められます。

今の事業も大事ですが、もしもの時の事業も考えることができるかどうか?
実は、このことを考えることによって視点が変わってきたり、視野が大きくなります。頭の中で想定するだけでも勉強になります。

もし、今の事業を整理清算された場合、次はどのような事業をされますか?

このようなことも考えておかないと経営者は務まらないといろんな方から教わりました。

今余裕がなくても未来のことを考えておくこと。それが経営者の大きな仕事のような気がします。

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