自己実現的人間の10番目の特徴は、「対人関係(出所:改訂新版 人間性の心理学 A.H.マズロー著 小口忠彦訳 産業能率大学出版)」です。
「対人関係」の内容をマズローの著書「人間性の心理学」から一部抜粋すると、
・他のどんな大人よりも心の広い深い対人関係を持っている。彼らは、他の人が考えている以上に、他者にとけこむことができ、愛し、完全に同一視し、自我の境界を取り去ることもできる。
・彼らは、ほとんどのすべての人に親切であり、少なくとも忍耐強い傾向をもっている。
・彼らが相手とする人は平均的な人より健康で、自己実現に近く、しばしば非常に近いところにいるようである。
・自己実現者はどちらかというと少数の人々と特別に深い結びつきをもつ。彼らの友人の範囲はかなり狭い。
これらは、自己実現的人間が、自分を愛することが他者を思いやることと同義であり、自分の欲得で生きることの愚かさをよく知っているため、損得勘定で友人としてつきあうことがなく、また、損得勘定のつきあいを避けるためでしょうか。
精神的に不健康な人は、自分の満たされない思いを他人に求めるため、相手かまわず友人を求めるが、当然、自己実現的人間はそういうことがないのでしょう。