◎ヒトの成長とは?
ヒトは、5つの分野で成長する生き物である。
自然成長する分野1つ(身体の成長)
ヒト、これぞれが努力することによって、成長する分野(能動成長分野)3つ(知識と技能の成長、情緒の成長、価値観の成長)
自然成長分野と能動成長分野の中間は1つ(知能の成長)

(5つの成長分野)
①身体の成長
②知能の成長
③知識と技能の成長
④情緒の成長(精神的成長)
⑤価値観の成長

◎5つの成長分野の関係
5つの成長分野は、互いに影響し合っている。
特に、③知識と技能の成長と④情緒の成長、⑤価値観の成長の影響度は、とても強い。
例えば、会社で言うと、仕事ができるようになると言うことは、当に「知識と技能の成長」を図ることであり、人間関係や会社を良くするとは、メンバーの「価値観の成長」を直接的もしくは間接的に図ることになると思います。それによって、結果として「情緒の成長」を促されることになるかもしれません。

◎身体の成長
身体の成長とは、言うまでもなく、生まれてから成人に向かって身体的に成長することを指します。
肉体の老化も、記憶力の低下、頭の回転スピード、精神的に成熟度や価値観の変容に影響を与えることから、ヒトが死ぬまでの一連の身体的変化そのものを「身体の成長」と捉えた方がいいかもしれません。

◎知能の成長
知能の成長とは、身体の成長に伴って、脳が発達することに加え、個人の学習的努力により成長する。知能指数などで表されるもの。

◎知識と技能の成長
ヒトが生きる上で必要性を感じたり、興味を持つことにより習得する知識や技能のこと。 会社においては、当に仕事を習得するスキルそのもの。
知識は、覚えて、活用することにより身に着けることができるが、技能は、訓練によって身に着けるものを言う。

◎情緒の成長=精神的成長
・情緒の成長とは、無意識の成長と言える。
・ヒトの無意識内には、感情、本能、各種欲求、並びにそれらによる言動や思考を作る仕組みが存在し、常に活動している。
・言わば、コンピュータのプログラムに当たるものが存在し、それが自動的に働く(自動動機理論)。このプログラムのうち、自己の人生にとってネガティブな働きをするものを「シャドウ」と言う。
※自動動機理論:人の行動は、そのほとんどが意識の関与がなく、自らの環境を無意識に認識し、判断(意味づけ)し、感情(快・不快・他)で捉え、決断した結果である場合が多い。
・言動(言うことと行動)は、新しいプログラムを作ることが多い。従って、シャドウに基づく行動は、新しいシャドウを作ったり、プログラムを強化する。
・無意識的に働くことにより、例えば、成功回避行動のようなことが、本人の意志に関わらず起こり、その人の人生を惑わす結果になる。
※成功回避行動とは、意識では成功を望んでいても、あと一歩というところで無意識的に成功しない道を選択してしまうこと。
・情緒を成長させるコツは、自己認知力を身に着け、自己のシャドウを認知し、それをあるがままに受容し、心の自然治癒力によりヒーリングすること。
・但し、長年、強化されたり、関連するプログラムを増やし続けた言動は、1度や2度の自己認知などによるヒーリングでは、完全に消えることは難しい。根気よく、自己を観察し、自己の中に「どのような思いクセ」があるか認知し続けることが大事。

◎価値観の成長
・価値観とは、ヒトのものの見方・考え方のこと。
・価値観の成長とは、意識の成長でもある。
・但し、価値観の中には、自分が気づいていない無意識内にある「ものの見方・考え方」もある。それを自覚していき、良い方向に変えて行くことがとても大事。
・ヒトの価値観は、基本的に自己中心的価値観から自己実現的価値観に成長することが本筋である。
※自己実現的価値観とは、
①有効観:「現実をより有効に知覚し、それとより快適な関係を保つ」というものの見
方・考え方
②課題中心的なものの見方・考え方
③共同社会感情
④民主的性格構造
⑤手段と目的の区別、善悪の区別
⑥自己実現における二分性の解消