このあいだ,大学生の息子との会話でインダストリアル・デザインが話題になつた。そこで,昔つかっていたオリベッティのタイプライターを思い出した。

しばらくぶりにケースから取り出してみると,埃にまみれていることもない,きれいなオリベッティ・レッテラDLだ。昔と変わらぬ機械油のにおいがする,あのオリベッティ。10年ぶりぐらいの対面だけれども,ちっとも古さを感じさせないデザインだ。

イタリアのセンスというものを感じさせる。こういうのは日本は不得意なんだな。
機械の躯体とメカは鋼である。そして,外装パネルはアルミだ。プラスチックではない。

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ぼくが高校生の頃から,修士,就職して最初の2回くらいの海外出張まで付き合ってくれた機械だ。思い返すと,修士論文はこのオリベッティの作品だった。

いま試しに打ってみると,インクリボンがやや乾いていたが,パチパチと心地よく印字された。でも,キーストロークは深いし,タッチも重い。昔の自分は,ずいぶんと指の力が強かったもんだと思う。