2013年 5月の記事一覧

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13年05月26日 11時19分53秒
Posted by: asahikikaku

「夏のボーナス、2年ぶりの増額」

2013年夏のボーナス調査では、自動車・部品や機械といった業種で上積みされ、

前年と比較可能な195社の内、5割弱の企業が前年を上回り、

・製造業の前年夏比4.57%増

・非製造業の前年夏比は9.68%減(電力の減が大きい)

・百貨店、スーパーの前年夏比は0.75%減(12年夏は前年比1.05%減)


円安効果の大きい業種の業績回復からボーナスの増額が大きく、

これが消費回復へとつながって来ることを期待したい。


2013年の賃金動向調査では、

春の賃上げ率は1.65%となり、前年からほぼ横ばいであり、

一時金の積み増しはあったものの、月例賃金はまだ変わっていない。


日経がまとめた2012年の飲食業調査では、

外食企業の人出不足感が強まって来たと報じた。

1年前に比べ人出の確保が難しくなったと答えた企業は、

前年を21.5ポイント上回る59.6%が感じている。

背景にあるのが、コンビニを含む小売業の出店の増加や、

大手外食企業の出店計画も旺盛であり、これから出店に伴う人出確保が課題になった。


小売り各社の出店立地が狭まり、競合が激しくなる中で、

各社はより専門店化を図り、ニッチな業種や伸びの高い商品の取り込みを急ぐ。

・イオンは低価格文具専門店を多店舗展開する。

 自社スーパーの4倍に当る約3万品目を扱い、通常価格の3割引きで販売。

 名称は「ぶんぐのまち」、又ネット販売にも参入する計画で

 アスクルなどネット大手より割引き率を高くして対応する計画。


・ローソンは消費者の健康志向に合せた食品の開発でメーカーと連携し、

 メーカーにデータを供与して、健康志向の商品開発を先行発売に結びつける。

 具体的には大塚製薬が栄養成分の多いビスケット「ジェルブレ」を販売する。


・コンビニ各社が一斉に始めた「入れ立てコーヒー」は

 セブンイレブンが今期の販売目標を4割引き上げる程好調な出足。

 住宅地にも多いコンビニが手頃な価格で販売する入れ立てコーヒーは

 主婦やシニア層にも人気で、デザートなどとも関連して好調だという。


・夕食宅配にスーパーや外食企業が相次いで参入

 神奈川、静岡が地盤のユーコープは既存の弁当よりおかずを増やした

 「にぎわいコース」¥670を新たに追加し、今期1.5倍に拡大する。

 牛丼大手の松屋フーズはさいたま市から夕食宅配を始め、

 牛丼店を拠点としてサービスを拡大する。

 その他、「銀のさら」を手がけるライトオンや「オリジン弁当」も参入し、

 価格は¥530~¥670での競争になりそうだ。


・セブンイレブンはワインの販売什器を導入し、

 ワイン販売を前年の2倍に拡大すると共に、より女性客の取り込みを図り、

 関連のおつまみ惣菜の購入を促し、客単価のアップを狙う。

 このデータを活用した売場づくりはセブンイレブンの日商の高さを支えている。


円安が輸入原料や食品に影響を与え、値上げが広がっている。

・マヨネーズではキューピー、味の素、ケンコーが揃って値上げする。

 食用油の輸入コストアップが影響した。

・山崎製パンは7月から2年ぶりに、食パン・菓子パンを

 輸入小麦粉価格が4月から上昇したことにより2~6%の値上げする。 

・食品トレー大手のエフピコは6月21日出荷分から、

 弁当や寿司など全製品の容器を値上げする。

 原油価格と円安による原料の高騰、電力料金の値上げが影響している。


円安が企業の製品に明暗の影響を与えて来ており、小売業はそれを受け止めつつ、

消費者の求める商品提供、販売方法を工夫し、  

業績向上に結びつけなければならない。

国内消費ボリュームは増えない中では、

メーカーと小売りが一体となって消費者のウォンツを引き出す工夫が求められ、

量から質を重視した商品と売場づくりが今後の課題となった。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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13年05月18日 11時13分38秒
Posted by: asahikikaku
「消費回復、来春にかけて加速が早まりそう」

内閣府が今週発表した1~3月期のGDPは前年比年率換算で3.5%の高成長。

個人消費と輸出が牽引した結果で、今後は公共事業と円安効果が加わる。(日経)

民間調査機関の予測では実質GDPに含まれる設備投資は増えるが、

円安効果が大きい製造業は設備投資に慎重であり、

むしろ小売り業の出店、改装意欲が強いと各紙は伝えている。


上場企業の中で、小売業の今期売上は7.3%の増収(前期は-1.0%)、

経常利益は9.7%の増益(前期は-15.3%)と

消費回復を期待して積極的な投資で業績回復を狙っている。


内閣府がまとめた4月の街角景気調査では

現状判断指数は56.5%と0.8%低下したが、

3カ月後の先行き景気判断指数は57.8と前月比0.3ポイント上昇した。

改善は2ヶ月ぶりで、企業の業績回復による夏のボーナスが増えることに

期待感が広がっている。


反面、懸念材料もあり、小売りのレジ袋やゴミ袋を製造販売するシモジマは、

円安の影響で一部の商品を8~10%の値上げをする。

その他、食用油の値上りによって、マーガリンの値上げが予定されている。


その中で、先週に引き継いで小売り各社の出店計画が盛んになって来た。

・北関東が地盤のカワチ薬品は中型店の出店計画を

 今期3割増の18店に増やし、加工食品や日配を揃えてスーパーに対抗する。


・西日本中心のホームセンター大手のナフコは

 今期に過去最高の30店を新規出店する計画の中で、

 3000~5000平方m程度の中型店を増やすと発表。


・三越伊勢丹HDはアウトレットへの出店を

 現在2店から16年には10店舗へ拡大する。

 百貨店の新規候補は見込めない中で、業態を変えて拡大を図る。


・モスフードサービスはFC中心の出店戦略を見直し、

 前期比2倍の85店を計画し、その半分を直営店として出店し、

 FCでは出しにくい場所に機動的に出店する。


小売業各社は出店候補地を求めて中型・小型店タイプへ変化し、

期待される消費回復を先取りする。

そして、個人消費の変化を予測して


・イオンは大型SCの改装の中で、物販タイプから料理や音楽教室など

 モノの購入より施設内で過ごすことに楽しみを見出す「コト消費」の需要を重視する。

家計調査によると、2012年の消費支出全体に占める、衣料品や身周り品の割合は

10年比0.7ポイント低下したが、教養娯楽サービスは0.5ポイントアップしていることから

消費者のウォンツはモノからコトへと変化していることに対応する。


・コンビニ大手のローソンは国内の地場食材のネット販売を拡大する。

 地方の希少品を扱う食文化と新会社を設立し、

 通販サイトを通じて消費者のこだわりニーズを取り込む計画。

 ローソン通販サイトは「スマートキッチンプレミアム」で販売する。


・中元商戦が百貨店でスタートした。

 個人消費が上向く中で、地場産品を強化した自宅用需要を取り込む売場や

 やや高めの品揃えを充実して消費の高まりに答える。

 スーパーやコンビニも今年は品揃えを増やして中元需要を取り込む。


国内経済に明るさが見え始め、消費者は今まで我慢して来た消費について

娯楽・教養・ギフトから拡大し始めて来たが、

平常の食生活とは分けて消費を捉えており、

節約とハレの需要を分けて対応して行く必要がありそうだ。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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13年05月12日 11時19分34秒
Posted by: asahikikaku
「今期、経常利益が過去最高益を見込む」

上場企業の3月決算発表の中で、14年3月期はおよそ6社に1社が最高益を予想する。

円安ドル高の恩恵を受けるのは輸出型企業だけでなく、

内需拡大をうまく取り込む企業で収益拡大を予想するところも多い。

紳士服販売大手のAOKI・HDは「洗えるスーツ」など機能性を追求し、

9%の増益を見込む。

その他、鉄道会社やオリエンタルランドなど娯楽・レジャーの拡大を期待する。


一方、小売業の前期2月決算発表は増益企業が半減し、

特にスーパーの価格競争が厳しい結果となり、

値下げアイテムを増やしたが販売数が伸びず、客単価が落ちた。

今期は来春の消費増税を控えて、

既存店が伸び悩んでいる中で各社は出店を一段と増やし、

増税後の消費落ち込みに対し新規出店と既存店改装で対策を急ぐ。


景気回復を収益に取り込む為に、各社攻めの戦略が活発になって来た。

・西日本が地盤のイズミは市場規模に応じた新業態のショッピングセンター

 「ゆめモール」を出店し、今後は主力業態として出店する。

 出店余地が少なくなる中での、商圏人口15万人を対象にするタイプ。


・首都圏、関西中心のエースは既存店より小型の売場面積50~80平方mの

 「フーズブテック」を3年間で100店舗を開く計画。

 PBや総菜、全国のご当地食品や輸入品を重点的に品揃えし、

 コンビニや食品スーパーとの違いを出した店づくりを行う。


・DSのMrMaxは食品中心の新型店「セレクト」の展開を開始する。

 売場面積は2500平方mと同社主力店舗の3分の1程度で、

 取扱い品目は2万と約半分で生鮮や日用品を重点的に揃える。


・首都圏が地盤のサミットは既存店の改装を前年の3倍の14店舗実施、

 商品の陳列や販売方法についてまとめ買いを誘う関連陳列や、 

 商品づくりに一手間加えた価値ある商品を強化する。


・スターバックスが住宅街に高価格店の新型店を出店、

 コーヒーの価格は従来より2割程度高く、焼き立てパンやワインも提供し、

 団塊世代を中心にしたシニア層が増加している点に注目した店舗を計画する。


個人消費は着実に回復しており、

多様化した消費者ニーズを取り込むべく、店舗規模や商品構成のタイプを増やし、

積極的な出店によって供給の拡大を目指す。

しかし、出店だけでなく独自の商品開発やリニューアルによる商品力強化、

来店したお客様に1点でも多く買ってもらう為の販売力が

小売業の収益拡大の鍵になることは相違ない。


政府は消費増税時の小売企業のセール表示に関する統一見解をまとめ、

「消費税」の文言を含まない表示は容認するとした。

従って「3%値引き」などの表示は可能になるが、

通常価格の表示方法は内税・総額表示であるが、

今回は特別措置法で外税表示方法や「100円(税抜き)」などの表示が可能になる。


消費者の視点では総額表示が分かりやすいし、

小売りの視点では税金は別にして本体価格が分かるようにしたい。

ポイントを使用している家電量販店は総額より本体価格にポイントを付けた方が良いし、

企業毎に表示が異なることは消費者の混乱を招くことになり、より深刻だ。


又、スーパー各社のPBは増税を価格に転嫁しない雰囲気が強い。

しかし、前期の減益反省でもあるように増税分が粗利益を削るようでは

小売業の発展は薄いのではないだろうか。

今、求められるのは経済発展と消費回復に沿った、

消費者のウォンツを見出した商品開発と販売方法がより大切な時代だ。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司
13年05月06日 11時23分22秒
Posted by: asahikikaku

「消費環境の改善が進んでいる」

総務省がまとめた3月の家計調査によると、

・2人以上世帯の消費支出は前年同月比5.2%上回り、

 3カ月連続で9年ぶりの高い伸びとなった。

・勤労者世帯の消費支出は前年同月比7.6%の高い伸びとなり、

 14ヶ月連続で増加している。

これは消費環境の中で3月の完全失業率は、前月比0.2%減の4.1%となり、

2ヶ月ぶりの低水準に改善して来たことが大きい。


しかし小売業の百貨店やスーパーを見ると、消費が堅調なのは住居や衣料関連であり、

食品や日用品まで本格回復はしていない。

国民は食に対して飢餓の状態はなく、消費量が伸びる要素は少ない中で、

商品単価は小売り業の出店競争で抑えられたまま、

今後は各社の商品政策によって単価アップが図られるかどうかが鍵になる。

各社の価格政策は消費増税を控えてどのように対応するか、

今年の最大テーマになって来ている。


外食業界では各社の戦略で値上げと値下げに分かれており、

・回転寿司大手の「かっぱ寿司」は平日価格を1皿94円から105円に値上げする。

 ラーメン大手の幸楽苑は「中華そば」の価格を¥409に値上げすることを検討。

 マクドナルドはハンバーガーやチーズバーガーをそれぞれ20~30円値上げした。


・値下げは、吉野家が牛丼(並盛)を280円に¥100の値下げ、
  
 サイゼリヤではランチを¥100安い500円で始めた。


*マクドナルドの原田社長は紙上で一般論として、

 業績が悪い時や売上が下がっている時に値下げする事はあり得ない。

 価値を高め、お客様のお得感を上げて、全体の収益を上げることを考えないとダメと述べている。


価格政策だけでなく、小売り各社は品揃えや商品開発で

全体の業績アップを計画している。


・セブン&アイは食品や日用品のPB1700品目を刷新する。

 特にセブンプレミアムやセブンゴールドなどの高価格帯PBについて

 品質と価格の競争力を高め、15年度1兆円を目指す。


・セブンイレブンは弁当やおにぎり、雑誌を除く商品群で、

 全店共通で販売する「基本商品」の数を昨秋に比べ、

 783品目から12%多い878品目へ増やす。


・ローソンは国産食材を中心にして作る弁当「郷土のうまい」シリーズを販売する。

 価格は既存の売れ筋より2割程高く、各地の名産品をおかずにした弁当を月1品販売する。

 桜島どりのごっそ弁当、北海道産鮭照焼うまいっしょ弁当¥530など、


5日は子供の日、首都圏スーパー各店を回って見た中で、

売場として最も賑わっていたのは鮮魚専門店の角上だった。

鮮魚そのものより、握り寿司と魚惣菜の方が人だかりが多く見られ、

・握り寿司は1人前¥800~¥1000、3~5人前は¥3500~\5500

 魚惣菜は海老フライ\250、アジフライ\250、ホタテ串焼\200、サバ味噌煮等

 価格帯はスーパーより高く、都心百貨店並みであるが、

 握り寿司では本マグロの艶と鮮度、その他生ネタ使用のボリューム感で人気がある。

 魚惣菜のサイズは大きいだけでなく、ホタルイカ唐揚やゴチの天ぷらなど

 価格帯は高くても季節感と見映え、価値観でお客様を呼んでいる。


消費者は5日のハレの日と平日とは分けて捉えているが、

国内の食品消費量が伸びない中では、

商品の味・品質に重点を置き、価格は値頃を重視して提供出来る店づくりが重要であり、、

消費者はより美味しい物、質の高い物への欲求は強い。

今後景気の回復、個人所得が増えて来るとなれば、

なおさら消費の重点は質重視の方向へ向かってくる可能性が強く、

今年の中でしっかりと準備をする事が必要になっている。
  

今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net
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