2012年 6月の記事一覧

«Prev1Next»
12年06月24日 16時54分04秒
Posted by: asahikikaku
2012年上期、MJヒット商品番付が発表され、

その中で食品が東に5品、西に4品登場しました。

・機能性(健康) - 5品

 メッツコーラ、アサヒドライゼロ、塩こうじ、R-1ヨーグルト

 タニタ食堂、

・味の特性、本質の追求 - 4品

 ゼウス、コンビニコーヒー、オランジーナ、丸ちゃん正麺

ヒット商品づくりは製販共通の目標ですが、巷に類似商品が溢れている中では、

商品にどのような特徴を付加出来るかが課題になります。

今後、その特徴は健康のキーワードで機能性が発揮できること。

味・品質においてより本物に近づくことがポイントになると感じた商品でした。


日経MJで「安売り神話ひと休み」の記事が出て、

取り上げられたのは、マクドナルド、すき家、ユニクロの優良会社でした。

各社の5月売上が揃って既存店実績を下回り、低価格戦略がひと休みではないかと言う記事です。

逆に百貨店の美術、宝飾品などの高額商品が好調で、

食品や衣料の客単価がアップしているとの内容でしたが、

消費の2極化は前から言われており、この比率が景気動向でどう変わって行くかだと思います。

今回は5月の休み回数が少なかった事、欧州経済の先が見えない事、

円高傾向で止まっている事など、消費環境は決して良くありません。


その中で、ヒット商品番付で取り上げられるような商品でないと

消費を盛り上げられないのではないでしょうか。

「お値段以上」のニトリの似鳥社長は

日本は中期的に0~1%程度の低成長が続いて行く。

会社員の平均給与が2000年ごろの460万円から直近では下がっている。

収入が減っているのに消費者が積極的に買い物をするはずがない、と新聞取材で述べています。


この状況下で企業の増益要因は物流コストダウンにある感じています。

今、先端企業が物流改善に取り組んでいます。

・ヤフーとアスクルが資本提携して、物流拠点を現在の6カ所から13カ所

 まで増やし、配送料の引き下げと当日配送を導入する。

・楽天は自社の物流拠点を全国に広げる。

・成城石井は三菱商事の援助のもと、物流センターを統合し、

 商品の発注から納品までの時間短縮とコスト削減を図っている。


商品の製造から販売まで、商品の動く回数と距離によってコストがかかり、

商品鮮度に影響を及ぼします。

この回数をいかに少なくするか、距離を短くするか、が課題ですので

目的を同じにする企業のもとに物流拠点を集約し、

保管・仕分け・出荷の自動化や共同配送を進めることが

コストダウンにつながり、利益に大きな貢献が出ると思います。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net
12年06月17日 13時04分57秒
Posted by: asahikikaku
シニア関連消費がじわりと広がり、企業の対応が進んでいる。

65歳以上のシニア世代は日本人口の23%を越え、4人に一人が年金受給対象者となった。

又、50代以上になると2人に一人がシニア対象となり、

消費支出は140兆円で個人消費全体の60%を占めて国内消費市場の主力バッターになった。

それに合わせ、夫婦と子供の世帯数は2000年には32%あったが、

2010年には28%と減り、家庭における消費構造は変化してきている。


最近の企業のシニア対応MDは

・ダイエーはシニア向けPB商品で食品シリーズを投入する。

 「少量」「健康」をテーマとして、従来より容量を4割減らした

 パック米飯などを売り出した。

 主力のPBは「おいしく食べたい!」シリーズで米飯容量を130gや

 食塩を使用しない野菜ジュースなど9品を販売し、今期中に160品まで増やす。


・シニアの節約志向は飲食物を持ち帰って、家で食べる「中食」志向が高まる中で

 弁当や惣菜だけでなく、コーヒーやデザートを強化するコンビニが伸びて来た。

 それに対抗すべく外食各社はドライブスルーを広げ、

 スターバックスは2015年までに現在の倍になる200店舗まで増やす計画。

 外食産業の2011年市場規模は前年比1.7%減の23兆475億円となっている中で、

 外食各社は中食市場に急ぎ対応する。


シニア市場の特徴で上げられることは、

・価格については比較検討し、割安価格は必要だが特に超目玉の激安価格は求めない。

 商品の特徴や価値観が納得すれば、高くても買う。

 プレミアムビール、ハイブリットカー、機能性食品、デパ地下惣菜など

 シニア層が市場を作っている。


・価格低下が進む家電販売業界においても、低価格と一線を引く販売店は

 アフターサービスを中心にシニアの家庭まで入り込み、

 顧客のニーズに対応して業績を伸ばしている。 


又、スーパーなど店舗においては、売場、商品、サービスにおいて基本的レベルを

アップする事が求められ、店舗の現場力が重視され業績に影響を与えている。

・23期連続で最高益を達成して来た首都圏スーパー・ヤオコーの川野社長は

 その要因を、品揃えは毎日の食事を楽しみたいと思うお客様に売場での商品提案を強化する。

 その為には現場を担うパートさんの役割りは大きく、パートに発注や品揃え権限を持たせ、

 パートの意欲・能力を引き出すところにあると述べている。


・路面惣菜店を主力にするオリジン東秀は、

 イオンと提携しているイオンSC店舗内のFC形式で出店を加速する。

 オリジンが商品材料を供給し、イオンの従業員が製造販売を担当する中で

 製造方法や陳列・販売をオリジンが教育し、イオン惣菜売場の売上が伸びている。

 イオン惣菜売場の顧客はオリジン路面店より客層年齢は高いが、

 高齢者メニューの開発や独自の販売ノウハウで売場を改善して行く。


・現場力が発揮するのは店舗だけではない。

 仕出し弁当を首都圏で展開する「玉子屋」は\430弁当を1日70000食を配達し、

 日々の配達の中で配達員の現場力を発揮している。

 150名の配達員はエリアの商品を積み込み、配達途中での数量調整を

 お互いの連絡の中で商品移動をしたり、余った商品を飛び込み営業でさばいている。

 商品配達と営業による顧客情報を持った配達員の現場力が生かされる。
 

今後、シニア層の消費力はますますウェートアップする中で、

商品づくり、販売方法、サービスの内容は変わって行かなければならない。

スーパー等小売業や外食業が対応する余地はまだ沢山残っている。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net
12年06月10日 11時17分49秒
Posted by: asahikikaku
2012年、企業は積極的に投資拡大する計画だが、景気は踊り場状態に入っている。

今年の設備投資動向調査によると、

・小売り各社は東北地方を中心に出店を強化し、

 特にコンビニ大手は過去最多の出店を計画している。(前比18.9%増)

・自動車各社は新興国や環境対応車への積極投資で、前比34%増の大幅増となる。

・その他、食品各社は昨年の震災後復興投資で32%増と強気の投資を計画。


しかし、内閣府が発表した5月の景気ウオッチャーによると、

「街角景気」指数は前月比3.7ポイント低い47.2ポイントとなり、

2ヶ月連続の低下で好不況の分かれ目の50を割り込んだ。

新聞報道では欧州経済や円高不安、夏の電力需要への懸念が強まった事が理由と報じた。

夏の電力供給は関西電力の原発電が復活することで不安は少し減少したが、

西日本を中心に今夏の節電意識が購買活動に影響し、不要不急な物の購入を

控える傾向が出ているようだ。

又メーカーにおいては、円高になってからは商談の延期や中断が出ていると業界では報じている。


景気が踊り場に差し掛かり、消費者が消費に躊躇している時、

店舗は消費を提案し、積極的にニーズの掘り起こしを営業する事が大切だ。

・イオンが全国約1700店舗で今月から開店時刻を午前7時に繰り上げた。

 狙いはシニアとサマータイムの需要拡大を予想している。

 効果は店舗立地により差が出ているようだが、

 4月から午前8時開店を実施した東北地方のイオン38店の状況は
 
 午前中の客数が前年同期比3%増え、売上構成比は20~30%と増えたと言う。


・スーパー、コンビニ各社は今夏の節電を睨んで、総菜の拡販に力を入れる。

 サマータイムの導入で帰宅時間が早まる他、冷房を押さえた家庭で

 加熱調理が敬遠され、揚げ物や炒め物などテイクアウトする惣菜が増えると予想する。

 西友は49円コロッケを2割増量して、実質値下げ。

 イトーヨーカ堂は魚惣菜を昨夏の4倍にアイテムを拡大した。

 イオンでは唐揚などの温惣菜を通常より早いPM4時には売場に全面展開する。

 ファミリーマートは店内調理の焼き鳥や串揚げやおかず惣菜を充実する。


潜在需要の拡大を狙うのは小売業だけでなく、外食でも始まっている。

・マクドナルドは小人数向けのセット販売を強化する。

 ハンバーガーとポテト、ナゲットとドリンクが選べて2人用で¥1000と、

 これらを単品で買うよ売り4割はお買い得になるセットを販売し、

 その他、¥1500セットも揃える。


・すかいらーくのステーキガストではピーク時に待ち時間を改善する為に、

 客席数を3割増やす大型店のテコ入れを行う。

 食べ放題を望む小中学生向けのメニュー、ジュニアフプレートを増やし対応する。


牛丼大手3社の売上が落ち込んでいると報じた。

・5月既存店の売上動向は

 すき家が前年比10.8%の減少、

 吉野家の前年比は10.5%の減少、松屋フーズは6.3%の減少。

弁当類はスーパー、コンビニでも力を入れており、宅配業者も拡大している中、

牛丼メイン顧客の年代は確実に縮小している。


生活環境に変化が起きた時、

・現状のままで営業をして行くか、

 それとも変化に対してチャンスの在りどころを探して何かの手を打つか、

これが従業員の意識と業績に大きな影響を与えて来ると確信する。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net
«Prev1Next»