2011年 8月の記事一覧

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11年08月28日 11時39分39秒
Posted by: asahikikaku
・小売業で円高還元の取り組みが少ない

1ドル¥75の円高水準が続いているにも関わらず、

小売業の円高還元セールはイトーヨーカ堂など一部の企業に留まっている。

ヤフーのネットショッピングで実施した円高還元セールは、

昨年同期の30%程度に終わっていると言う。

日本の長引くデフレで消費財の価格は下げ続けている中で、

消費者は円高による株式相場ダウン、それによる含み資産の目減りなど

消費者にとって円高はデメリットを感じている。

ロープライスを看板にしているウォルマートの価格の安さもあまり伝わって来ない。

消費者は価格に鈍感になって来たのではないでしょうか。


3月の震災と原発事故を経て、国民は物不足と食品の安全性を再確認した。

商品の品切れと安全性はその他の条件に比べて絶対必要な条件であり、

消費者はそのことを改めて感じており、

又、小売り店においても商品を安く売ることよりも、

商品の安定供給出来るインフラ整理といかに自店の商品が安全なのかを

消費者にPRすることが重要であるかを再認識したと思う。

そして、その結果が売上と利益に結びついて来たことも分かった。


・食品メーカーや卸は惣菜工場や物流網を強化している。

商品の安定供給を捉えるとコンビニは自社の協力メーカー・工場を整備しており、

コンビニ各社の取り組みは今後の競争につながるものとして注目すべきことあり、

そのような商品政策の基に食品メーカーや卸は積極的に協力していく姿勢が見られます。

スーパー各社は逆にデスカウント競争が全面に出て、

価格の安さで消費者を引き付けようとする政策や店づくりが目立ちますが、

大変気になるのは私だけでしょうか。


・飲食で面白い記事を眼にしました。

入店した際に一定のチャージ(1500~2000円)を払えば

あとは原価で飲食が出来るバーが人気を博している。

アサヒスーパードライ284mlが150円、竹鶴21年ピュアモルト420円など

その名も「原価バー」で店はチャージ料金で経営が成り立つ仕組みで

お客は商品の価格を気にすることなく、価値観を満足させることが出来る。

お客様は全ての情報が公開された中で、自分で納得してお金を使いたい。

そこには安心感を得た満足感がある。


・先日、自転車店では日本一の「あさひ」の下田社長のお話を聞く機会がありました。

最近は自転車ブームですが、駅前に放置された自転車を見れば

国内の自転車は飽和状態にあり、大手スーパーやホームセンターで安売りしています。

その中で「あさひ」は上場を果たし、増収増益を続けています。

そのあさひの強みを下田社長は「人間力」にあると話されています。

1、お客様に対する従業員の姿勢サービスは店が増えても変わらない。

2、お客様から商品や店についての要望は「イエス」から聞いて努力工夫する。

3、商品、店内を磨き上げ、基本を大切にする。

4、これらはお客様第一を商品、売場、サービスで表現していくこと。
まさに小売業・サービス業の真髄だと思います。

「お客様第一」は小売業の標語になっていますが、

これを現場で自信を持って実践出来ている店は少ない。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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11年08月21日 12時46分09秒
Posted by: asahikikaku
2011年のお盆休み・お盆商戦が終わりました。

今年のお盆は東北地方の人たちを始め、

日本国民は今までとは違ったお盆だったのではないでしょうか。

その中で、東日本大震災の被災地である東北地方のスーパーや百貨店は

前年を2桁上回る好調な業績で推移したと報じられました。

震災以降、知人や親せきを初めて訪ねる為に帰省した人も多かったのだと思います。

イトーヨーカ堂の東北地方の店舗は、お盆期間の売上は前年比10%増で、

又宮城県では40%増の店舗もあり、

揚げ物や寿司、オードブルなど親戚が集まって消費される商品が好調だったようです。

そして、帰京する際には地元の商品をお土産として買い求めることで

復興需要として盛り上がったお盆でした。


毎年、お盆には栃木、茨城、埼玉、東京の各地域スーパーを見て回りますが、

今年の動向は

・主役は握り寿司盛合せですが、4~5人前・40貫¥2980と価格と内容は

 レベルアップして来ています。

 その他、3人前・30貫¥1980、1人前・9貫¥780に収斂して来ています。

・その他の主力商品のオードブルセットは少なくなって来ています。

 例年、¥1980、¥980のセット物が主役でしたが、

 今年の主役は単品の大・中・小パックの品揃えが目立ちました。

・猛暑が続きましたので、麺類のセットと天ぷらや唐揚などおつまみ品が

 例年になく好調だったようです。

店舗の中でも好調な惣菜部門ですが、製造工数がかかるのが悩みです。

その為、ベンダーのアウトパック商品の活用が少しずつ増えて来ていますが、

味・鮮度面で今一歩伸びていないのが現状です。

消費者にとっては、商品の味・品質と価格による購買決定が全てですので、

今後の惣菜において、売れるアウトパックの惣菜づくりが課題です。


お盆が終わり首都圏でも新米が出始めて来ました。

千葉県の早場米(ふさおとめ)は、10年産の在庫不足から

昨年より6%高の取引だったようです。

これから首都近県から北陸、東北と新米が出回って来ますが、

放射能検査で時間がかかると同時に汚染されていないことを祈るばかりです。

米は日本の主食であるだけでなく、小麦粉に変わる「米粉」としての

加工品原料として伸びて来ています。

今後、イトーヨーカ堂は米粉商品をコーナー展開する店舗を全店に拡大し、

日清食品や亀田製菓・明治などメーカーの商品開発が活発になると予想しています。


今、世界経済は2番底に向かっていると報じられたり、

予想出来ない円高で下期の日本経済は大きな打撃を受けています。

今年のクリスマス・お正月商戦に向かってスタートしましたが、

この状況が続くと個人消費は益々冷えて、12月の年末商戦は盛り上がりに欠けてしまいます。

消費者はより価格志向を強めますが、一度味わった味・品質レベルを落とすことはありませんから、

供給サイドはコストダウンとレベルを上げた商品づくりに取り組むことが求められます。

秋の旬食材で心配された生サンマも一時1尾¥500も出ましたが、

売れ行き不振ではすぐに値下りしてしまいます。

消費者が求めている値頃価格で価値ある商品の競争が益々激しくなって来ます。

その競争の中で勝ち残って行かなければなりません。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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11年08月14日 12時53分07秒
Posted by: asahikikaku
・消費者心理「持ち直しの動き」続く

内閣府が発表した7月の消費動向調査結果、

一般世帯の消費者態度指数は前月より1.7ポイント高い37.0となった。

 ・消費先行き不透明感

内閣府が発表した7月の景気ウオッチャー調査によると

景気判断指数は52.6と前月比3.0ポイント上昇した。

景況感が「横這い」の状態を示す50を上回るのは07年3月以来。


しかし

家計関連の省エネ関連の商品が好調だったことや

アナログ放送終了に伴い駆け込み需要が発生したことが大きいが、

先行きの判断指数は48.5で前月より0.5ポイント低下した。

原因は震災後の特需や節電関連が一巡したことや

放射能物質セシウムによる肉牛の汚染問題が広がったことにある。


 ・外食の客足戻る

震災以降落ち込んでいた外食需要が6、7月の既存店売上高が

前年実績を上回り、8月に入っても堅調に推移している。

すかいらーくの7月売上高は前年同月比9.1%増、

デニーズやサイゼリアも前年を上回る実績を残している。

只、焼肉チェーンやステーキ店は苦戦しており、

「牛角」のレインズインターナヨナルの7月売上前年比は14.3%のマイナスだった。


このような情報から秋以降の景気はどう見るのでしょうか。

景気は震災以降、秋口から上向く報道がされていましたが、

諸々の与件から見ると改善のペースは落ちるように思われます。

東北地方はこれから復興に向けて消費関連需要は伸びるでしょうが、

その他地域の消費需要はプラス与件はなく、厳しい状況が続くと思います。


コープネット事業連合は小型店の活性化について、

総菜や弁当の販売什器・3尺2本を導入して、品揃えを40から50品拡大し、

高齢者や単身者の集客強化に乗り出す。

東京都内の3店舗でのテスト販売では総菜の売上が2~4倍に伸びた為本格導入する。


小型店の商圏においては来店頻度を上げる政策が重要になり、

コンビニのお惣菜拡大と同様にミニスーパーも総菜強化が必須になって来ます。

但し、コンビニやミニスーパーはバックヤードが狭く、店内調理をするスペースは少ない。

そこでベンダーからの納品体制や自社の母店やセンターからの納品を選択しなければなりません。

コンビニの成長はこの納品体制を2便から3便、そして4便と細かく配送出来る

ノウハウを積み重ねて来たところにあります。

今後、ミニスーパーが生き残る為には、

消費者ニーズに答えられる総菜の品揃えが出来る供給体制の構築にあります。

既存店の設備の活用と配送体制、そしてベンダーからの納品を組み合わせて

最適な品揃えがキーポイントになるはずです。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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11年08月07日 10時39分42秒
Posted by: asahikikaku
牛肉の消費・売上が回復しない。

放射能物質セシウムによる肉牛の汚染問題が表面化してから

1カ月が経とうそしていますが、この問題が他県へと広がっています。

お盆を控えて、この牛肉風評被害はスーパーを始め各小売業・飲食業に

大きな打撃を与えています。

国産牛肉の消費低迷に対して、輸入牛肉や豚肉・鶏肉へシフトを仕掛けているが、

消費回復するまでには至っていない。

消費者は汚染した牛肉問題だけでなく、

行政や販売店の情報公開について不審を抱いているのではないでしょうか。


先週はイオンが肉牛の放射能全頭検査をすると発表しましたが、

その後、スーパーではイトーヨーカ堂とイズミヤは牛肉の納入業者に全頭検査を要請、

ライフコーポレーションは自社のセンターに検査機器を導入し、検査体制を取ると言う。

外食ではゼンショーが自社検査を実施していますが、

ロイヤルHDが月内にも検査機材を揃えて自社検査をことを明らかにした。


多くの小売りや外食産業は自社で検査出来るところは限られる為、

今後は公共機関や納品業者で全頭検査を実施し、

その内容を全て公表することで牛肉の消費回復を期待することになるだろう。


少子高齢化社会が進展する中で、高齢化する消費者に対する小売業の対応が問われています。

高齢化による小商圏化が進むことによって、

商圏範囲500mのシェアをいかに確保することが出来るかが課題であり、

その為に商品、売場、店舗を消費者の求めるもの・ニーズを取り入れて行く姿勢が必要になっています。


1、商品では、魚介・野菜が中心の和風惣菜、小サイズ、一口サイズ、柔らかさ、タレかけ・・

2、売場では、取りやすさ、高さ、見やすさ、表示の文字サイズ・大きさ、関連陳列、目立つ展開・・

3、店舗では、高低差、突き台、通路、照明、空調、案内表示、配達、休憩・談話場所・・・
これらは各部門が揃って取り組むことによって効果が発揮されます。


スーパーにおいてチェーン店だからと言って本部集中ではなく、

店舗の権限を拡大していくことで各商圏の違いに対応していく試みが見られます。

首都圏スーパーのオオゼキは全ての部門で各店仕入れを実施、

東武ストアは各店店長の品揃え、チラシ作成、人員などの裁量を拡大すると発表しています。

これは大型、小型店を問わず全店で実施するとしています。


今後、この傾向は他社にも拡大していくように思いますが、

注意しなければならない事は、

利益の根源である商品の品揃えを全て店にゆだねることは利益確保に問題を生じます。
企業の利益は商品の売上と利益に集約されており、

全店で売り込んでいく商品を明確にした中で、各店の品揃えを進めなければなりません。
  
又、各店の担当者にも商品管理の知識・情報を十分に与え、

育成していくことも大きな課題です。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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