女子柔道の監督が辞めたそうだ。
この件については,テレビなどで識者と言われる人々が様々なコメントを寄せている。
それらコメントの多くは,暴力を否定するものであるが,一部にはそれを愛の鞭として,あるいはスポーツの指導には必要なものとして部分的に肯定する意見もあるようだ。

メディアも識者も,指導者による暴力についての是非を論じるばかりだが,ぼくは暴力監督を告発した女子選手達の真剣さについてこそ語るべきだと思う。

彼女らは,年季奉公の奴隷ではない。
監督やコーチが駄目で,とても付いて行けないと思ったら,辞める自由がある。
だが,自らは辞めず,監督を辞めさせる途を選んだのだ。

彼女らは,自らが柔道を続けることが,全日本柔道のために良いことだと考えたのだろう。
そして,自らが柔道を続けるためには,駄目監督を外すことが条件になると考えたのだろう。
責任感が強いうえに,論理的思考ができる女達だと思う。

監督も悪い男ではなさそうだが,彼女らに付いて行けなかった。
責任感と論理性において,選手は監督に優っているのだと思う。
日本の女子柔道の未来は明るい。